「テレワークのメリット・デメリットは、正直よくわからない」労働者の本音とは?

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エン・ジャパンは6月18日、同社が運営する総合求人・転職支援サービス「エン転職」のユーザーに対して行った「テレワークについてのアンケート」結果を公表した。政府が決めたテレワークデイを7月にひかえ、現場の労働者は「テレワーク」についてどう捉えているのだろうか。調査によると、8,341人の回答者の中でテレワーク経験者はたった4%であった。さらに経験者の中で「今後テレワークで働きたくない」と回答した人の理由には、障壁も見えてくる。
「テレワークのメリット・デメリットは、正直よくわからない」労働者の本音とは?

政府推進の「テレワーク」、実態はどうなのか?

多様な働き方のわかりやすい例として、注目される「テレワーク」。政府は平成28年にまとめたテレワーク推進に向けた政府の取組についての中で、2020年までに「テレワーク導入企業を3倍」「週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカー数を全労働者数の10%以上とする」という目標を掲げている。

また、テレワークの一斉効果測定を行うための施策として、2018年7月24日を含む前後数日をテレワーク・デイズと定め、2日以上のテレワークを呼びかけている。

厚労省では、6月15日からテレワーク推進企業を表彰する平成30年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始した

こうした中、実際にテレワークはどこまで普及しているのだろうか。またテレワークを行うことのメリット、デメリットは何なのか?アンケートから実態をみていきたい。

テレワークの認知度は4割

エン・ジャパンは、同社が運営する総合求人・転職支援サービスエン転職のユーザーに対し、2018年4月25日~5月28日に「テレワークについてのアンケート」を実施。8,341名から回答を得た結果を公表した。

まず「テレワークという働き方を知っていますか?」という設問に対しては、40%の人が知っているという結果となった。また、年齢が上がるほど認知度も高くなっているという傾向があったという。

また、これまで働いたことのある会社でテレワーク制度があったと答えた人は17%であった。

出典:プレスリリース

テレワーク経験者はわずか4%

実際にテレワークで働いた経験があるかどうかについては、「ある」と回答した人は全体のたった4%という結果だった。

また、働いたことがある人にその状況をたずねたところ、「自宅で会社と連絡を取り合いながら働く」が83%、「週に1~2日」が56%ともっとも多かった。

テレワークで働くことを選ぶ理由は?「通勤時間の短縮」

テレワーク経験者に「テレワークを利用して働いた理由」について尋ねたところ、通勤時間を短くしてプライベートを確保するためが全世代でもっとも多い回答であった。

また年代別のトピックスを見ると、全体2位の「外出が多く仕事の効率化のため」は20代では37%であるが、30代になると25%と大きく低下する。これには管理職・リーダーなどのポジションにつく人が増え、出社しなくてはならない状況が増えることが関係しているのではないだろうか。

また30代は「出産・育児のため」が23%と、他世代に比べて多い結果となっている。

出典:プレスリリース

また、テレワーク経験者の77%が、今後もテレワークで働きたいと回答している。通勤時間が減りストレスが減ったという声や、家族との時間がもてるようになったなど、時間を有効活用できたという経験が今後のテレワークについても、前向きな姿勢につながっているようだ。

テレワークで働きたくない人の理由とは?

経験者の中で、今後テレワークで働きたくないと回答した人は11%。その理由として全体でもっとも多かったのは「仕事とプライベートをハッキリ分けたいため」で55%、次いで「長時間労働などの時間管理が不安なため」が43%となった。

また世代別でみると、20代は他世代とは違った傾向がみられる。20代だけでみると、「長時間労働などの時間管理に対する不安」が55%でもっとも多く、他世代と差がひらいている。また「仕事とプライベートをハッキリ分けたい」は45%で、むしろ他世代よりも少ない傾向にあった。

さらに「テレワークで働く必要性を感じないため」という回答は、他世代が10%未満であるのに対し、20代は27%。世代間の意識には大きなギャップがあることがみてとれる。

出典:プレスリリース

またテレワークで働きたくない理由について、以下のようなエピソードも寄せられている。

●自宅で仕事をしていた時期はプライベートとの線引きが難しく、終業後もパソコンを開いて作業をしてしまっていました。(36才女性)

●業務の難しさや時間のかかり具合を上司が把握しておらず、「短時間でできるはずだ」と思い続けられたため、正当な評価を得られなかった。(44才男性)

テレワークはメリットばかりを強調されがちであるが、自己管理能力が問われるとの声もある。しかしこうした制度を普及させるためには、個々の能力に頼るのではなく、制度上安心して働けるしくみづくりが必要だろう。

また評価に関しても、成果を見える化して共有するなどの工夫が必要だ。単なる場所の分離というだけでは、テレワークの効果は期待できないだろう。

「テレワーク、正直よくわからない」が本音?

最後に、テレワークで未経験者に対するアンケート結果を紹介する。

まず、「もしテレワークという働き方を選べるとしたら働いてみたいですか?」という質問をしたところ、わからないと答えた人が48%ともっとも多い回答だった。働いてみたい人は40%、働きたくない人12%となっている。

回答者8,000人のうち、96%がテレワーク未経験者であることを考えると、結局のところ「テレワークが良いのか悪いのか、正直よくわからない」というのが、労働者たちの本音なのかもしれない。

アメリカでは9割以上の企業がテレワークを導入しているといわれており、日本はまだスタート地点に立ったばかりだといえる。

政府が推進し、企業も次々と制度を導入しはじめてはいるが、言葉だけは知っていても、実際にどういったメリット・デメリットがあるのかについてはまだ知らない人が多いようだ。また、企業側もテレワークを導入した場合、どのように従業員をマネジメントしていくべきか、体制づくりが必要だ。