働き方改革関連法案とは?高プロ、残業ほか「5つの論点」を解説

国会会期が7月22日まで延長される。高プロや残業規制、インターバル規制、同一労働同一賃金などが盛り込まれる「働き方改革関連法案」が成立すれば、中小企業も含む多くの企業とそこで働く人に多大なる影響を与えることになる。今回は、5つの論点を紹介する。

働き方改革関連法案とは?高プロ、残業ほか「5つの論点」を解説

日本はいま、世界一のスピードで少子高齢化が進んでいる。約40年後、生産年齢人口はいまの6割まで落ち込む見通しだ。働き手の減少、育児や介護による離職防止に、社会全体で対策を打つ。「働き方改革関連法案」はその要として議論が進められている。

国会会期が7月22日まで延長されることが決まった。高プロをはじめ「働き方改革関連法案」への反発・反対は根強いが、成立が決まれば多くの人が影響を受ける。5つの論点を解説する。

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1. 高度プロフェッショナル制度

対象業種と年収要件、その他一定の条件をクリアすれば、労働時間規制、残業代がなくなる制度

高度な専門的知識を有する、経営コンサルタントや証券アナリストなどの高収入労働者(年収1075万円以上を想定)を対象として、労働時間管理を行わず、本人の自由な裁量で働けることを目指す制度だが、反対意見はかなり大きい。

論点をざっくりいうと・・・
・「残業代ゼロ」と揶揄さている
・過労死を助長するとの反発が強い
・将来的には、対象者の拡大されるかもしれない

休日勤務が常態化している場合や固定勤務制だった場合などは、働き方の柔軟性を感じられるケースもありそうだが、これまで支給されていた残業代の一部が支給されなくなる、過重労働にならない仕組みをつくるなど課題は多い。また、将来的には対象者が拡大されるのではないかという懸念も広がっている。

ちなみに制度適用にあたっては、本人の同意が必要。対象者に該当しそうな場合は最初の取り決めが肝心になるだろう。

2. 残業時間の罰則付き上限規制

週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とする制度(特例あり)

臨時的な特別の事情がある場合(特例)でも、時間外労働時間は年720時間を上回ってはいけない、という制度。

特例の場合は・・・
・2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内
・単月では、休日労働を含んで100時間未満
・原則を上回る特例の適用は、年6回を上限

原則と特例、時間外労働と休日労働、月ごとの上限などを含むため、一度では全体の理解が難しい複雑な規制となりそうだ。以下記事の診断チャートを活用いただきたい。

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3. 勤務時間インターバル規制

勤務と勤務の間を一定時間空けて健康維持を目指す制度

ポイントは・・・
・深夜残業になっても、休息時間をしっかり取れる
・高プロなど長時間労働の際の「健康維持対策」に役立つ

過労死を誘引してしまうような長時間労働の常態化を抑制し、ワークライフバランスや健康を維持できる方策のひとつとして認識が広がっている。

終業から次の始業までのインターバル(休息)を何時間とするのが妥当か、導入企業をいかに増やして行くか、など実際のルールづくりがこれからの課題だ。

4. 同一労働同一賃金

正規と非正規との不合理な待遇差の解消を求める制度

正規と非正規との不合理な待遇差の解消をはかるために両者を比較し、前提が同じなら待遇も同じ(均等)、前提が異なるなら、バランスのとれた待遇(均衡)を求めるもので、給与だけではなく賞与や福利厚生も対象となる。

ポイントは・・・
・正規雇用労働者の待遇を下げるのは禁止
・通勤手当や食事手当、賞与や福利厚生も格差を是正
・企業の負担は大きく、禁じられていても正規の待遇が下がるのではと不安も根強い

以下記事では2016年12月に公表されたガイドライン案に沿って、詳細を解説している。

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5. 年次有給休暇の取得義務化

有給休暇を5日間義務化する制度

年10日以上の有給休暇が付与される場合は、そのうち5日間の取得が義務付けられるという制度。長年、日本人の有給取得率は世界ワースト1位〜2位だ。義務化で「休みたいけど休めない」という人が減ることを祈ると同時に、企業には「時間単位休暇」を許可するなどの工夫も期待したい。

「キッズウィーク」なるものも昨年5月、話題となった。「休み方改革」について考えてみたい方にはこちらの記事もおすすめ。

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