リカレント教育とは|生涯学習が重要な背景・日本の現状・大学の導入事例

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さまざまなワークスタイルが登場するなかで、改めて大人の「学び直し」が注目されています。日本でもさまざまなプログラムが提供されはじめている「リカレント教育」の概要と、現状、また現状における課題について解説していきます。

リカレント教育の実施事例

日本におけるリカレント教育の普及には多くの課題を乗り越えていかなければいけませんが、一部の大学などでは積極的にリカレント教育のための学び場を提供するところが出てきています。いくつかの事例を紹介しましょう。

日本女子大学

日本女子大学では、文科省の委託事業としてリカレント教育課程を発足させました。

大学卒業後に就職し、その後育児や配偶者の転勤、自身の進路変更などによって離職した女性に対し、1年間のリカレント教育を提供するとともに、修了者一人ひとりの資質に合った再就職先のあっせんまで一貫して行っています。

2016年4月には、リカレント教育課程が文部科学省「職業実践力育成プログラム(BP)」に認定され、厚生労働省「専門実践教育訓練講座」にも指定されています。

大阪府立大学

大阪府立大学では、リカレント教育の一環として社会人を対象とした特別な教育課程である「履修証明プログラム」を提供しています。

本学の教育資源を生かし編成された、体系的な知識や技術の習得を目指した教育プログラムで、総合リハビリテーション学研究科で「地域リハビリテーション学コース」が半期単位で開講されています。

このコースは文科省によって課題解決型高度医療人材養成プログラムに選定された「在宅ケアを支えるリハビリ専門職の育成事業」の一環であり、医療と在宅ケアの連携を推進できる医療人材の育成のために、幅広い分野の知識の習得を目指したカリキュラムとなっています。

明治大学

明治大学でもリカレント教育として「履修証明プログラム」が提供されています。特に女性の仕事復帰とキャリアアップの支援を目的に、半年間の短期集中ビジネスプログラムである「女性のためのスマートキャリアプログラム」の受講が可能です。

これは生活スタイルに合わせて「昼間コース」と「夜間・土日コース」の選択ができるもので、マーケティングや金融・財務、ビジネススキルをはじめとしたビジネス全般にわたる領域について、講義と実践の両面での指導を受けられます。

兵庫大学

兵庫大学と兵庫大学短期大学部では、職業人や社会人を対象に、新しい知識や技術習得のためのリカレント教育を行っています。

たとえば「養護教諭のためのリカレント・セミナー」では、養護教諭を中心に、子供の心と身体の健康課題に関するセミナーを開催しており、テーマに関心がある者ならば、だれでも受講できるようになっています。

また、精神科医療を受けた後に社会への復帰を目指す人とその支援者を対象にピアカウンセリング講座の実施や、医療従事者や福祉従事者のために、より実践的な医療技術習熟の場も提供しています。

リカレント教育でキャリアを再構築しよう

日本でも本格的に導入されはじめた「リカレント教育」について、社会的な背景や日本での導入状況、課題などについて解説してきました。

終身雇用制度が崩壊、そして転職が当たり前の時代になるなかで、社会人が「学び直し」に取り組む必要性が高まっています。また、個人のニーズに沿った多様な働き方こそが生産性向上の鍵だと考える企業も増えてきています。現状、多くの課題を抱えているものの、徐々にリカレント教育が普及する土台はできつつあるといえるでしょう。

安倍首相は、「第6回人生100年時代構想会議」(2018年3月)のなかで、「働き方が変わる中で、企業内教育にのみ人材育成を期待するのは限界であります。教育機関、産業界、行政が連携してリカレント教育を進めてまいります」と述べています。今後ますます仕組みが整い、多くのリカレント教育プログラムも登場するでしょう。

自身のキャリアを考えるうえで、生涯学習は欠かせないものになりつつあります。学びに「遅すぎる」ということはありません。