自動運転車は怖い?中国と日本の消費者動向、4つの違い

自動運転車を信頼する消費者は増えているが、その度合いは地域によって大きく異なる。各国の交通事情や産業構造、技術浸透度などの違いが複雑に絡み合い、こうした差異が表面化したのだろう。日本や中国などの消費者を対象とする調査結果から具体的な数字を取り出し、どのような相違があるのか見ていく。

自動運転車は怖い?中国と日本の消費者動向、4つの違い

国によって異なる、自動運転車への「信頼度」

デロイト トウシュ トーマツの調査によると、自動運転車を不安視する消費者は減っているが信頼する消費者は増えているが、その度合いは地域によって大きく異なる。たとえば、完全な自動運転車に不安を抱く消費者は、中国が26%、日本が57%といった具合だ。

こうした差異は、各国の交通事情や産業構造、技術浸透度などの違いが複雑に絡み合って表面化したのだろう。調査レポートから具体的な数字をピックアップし、どのような相違があるのか見ていく。

1. 中国は、自動運転車を不安視する人が極端に少ない

会計/コンサルティング会社のデロイト トウシュ トーマツは米国時間6月7日、世界各地の消費者を対象として自動運転車に対する意識調査を実施し、調査レポート「Global Automotive Consumer Study」(2018年版)を公表した。

それによると、アジア太平洋地域の消費者は、ドライバーを必要としない「完全な自動運転車」に対する信頼度が比較的高く、特に中国は不安に感じる人の割合が26%にとどまった。一方日本は57%と、中国と比べると信頼度が圧倒的に低いことがわかる。

完全な自動運転車に不安を抱くアジア各国の消費者は、以下のような割合。

  • 中国:26%
  • 日本:57%
  • 韓国:54%
  • インド:47%
  • 東南アジア(マレーシア、インドネシア、タイ):40%

2. 中国では、自動運転車に対する不安感が「急減」した

自動運転車に信頼を寄せる人の割合は、全体的に前年より高くなった。たとえば、不安視する人がことし26%だった中国だが、2017年版調査レポートでは62%と、1年間で36ポイントも減少したことになる。

これほどではないが、ほかの国々も不安視する人は減っている。日本の消費者は、2017年に約8割が不安視していたが、2018年には5割強程度まで下がった。

具体的には、不安に思う人の割合が以下のように減少した。かっこ内は2017年の割合。

  • 中国:-36ポイント(62%)
  • 日本:-22ポイント(79%)
  • 韓国:-27ポイント(81%)
  • インド:-17ポイント(64%)
  • 東南アジア:-19ポイント(59%)

3. 新興企業を推す中国、自動車メーカーを信頼する日本

自動運転車は、既存の自動車メーカーだけでなく、自動運転技術を専門的に手がける新興企業、IT分野の既存技術系企業など、さまざまな業界の企業が開発競争を繰り広げている。そこで、どのような企業の提供する自動運転車を信頼するか調べたところ、地域によって大きな違いがあった。

中国では自動運転技術に特化した新興企業を信頼する消費者が多く、日本では実績のある既存自動車メーカーに対する信頼性が高い。

各地域の消費者が「もっとも信頼する」と答えた企業のタイプとその割合は以下のとおり。

[中国]
- 実績のある既存自動車メーカー:28%
- 自動運転技術に特化した新興企業:53%
- 既存の技術系企業:19%

[日本]
- 実績のある既存自動車メーカー:76%
- 自動運転技術に特化した新興企業:12%
- 既存の技術系企業:10%

[韓国]
- 実績のある既存自動車メーカー:41%
- 自動運転技術に特化した新興企業:45%
- 既存の技術系企業:12%

[インド]
- 実績のある既存自動車メーカー:29%
- 自動運転技術に特化した新興企業:29%
- 既存の技術系企業:41%

[東南アジア]
- 実績のある既存自動車メーカー:13%
- 自動運転技術に特化した新興企業:37%
- 既存の技術系企業:49%

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  • 中国:61%(53%)
  • 日本:48%(42%)
  • 韓国:40%(41%)
  • インド:31%(27%)
  • 東南アジア:34%(37%)

中国にはすでに20以上のEVメーカーが存在するといわれており、日本のメーカーも進出。また政府もEV購入者へ補助金を支払うといった推進策を実施している。その結果が消費者の動向にも現れてきたといえるのではないだろうか。

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