リファラル採用とは?社員紹介・推薦による採用方法のメリットとデメリット

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メルカリが使っていた採用手法として有名な「リファラル採用(縁故採用)」について、導入のメリットと注意点を解説していきます。採用コストを抑えて自社にマッチした人材を集めたいという方は、ぜひ参考にしてください。※初回公開日:18/07/03

リファラル採用とは?社員紹介・推薦による採用方法のメリットとデメリット

リファラル採用とは

リファラル採用とは「縁故採用」とも呼ばれ、自社ですでに働いている社員からの人材の紹介や推薦による採用方法のことをいいます。

自社サイトの採用ページや人材紹介企業を通じて募集をかける一般的な採用手法ではなく、スタッフの紹介を通じて人材を募集し、紹介したスタッフには報酬としてインセンティブを与えるケースもあります。

求人媒体への出稿費や、説明会などのイベント費用を抑えつつ、自社の社風に合った人材を集めることができるため、そういった部分にあまりコストを割けないベンチャーなどの中小企業を中心に導入する企業が増えています。

また、ある程度自社に適性が高いと感じられる人が紹介の対象となるため、企業文化とマッチする人材を集めやすいというメリットがあります。次章以降で解説します。

リファラル採用が拡大する背景

リファラル採用の導入が増えているのは、こういったコスト面のメリットもありますが、さまざまな業種で人口減少による人手不足が深刻化している社会的な背景もあります。

全体的に人手不足で応募者数が少ないうえ、人材紹介会社経由だと人材獲得競争も激しくなってしまううえ、採用できたとしてもコストは割高。売り手市場かつ、終身雇用制度が崩壊し転職への心理的ハードルも下がっているいま、せっかく採用できた人材も企業へのフィット感が薄い場合はすぐに離職してしまう可能性も否めません。

これまでの採用方法では自社の適性に合った優秀な人材を確保することが困難だと感じている企業が増えてきたのです。そこで、信頼できる自社スタッフの紹介によって人材を集めることで、採用のミスマッチを防ぎ、本当に自社の社風に合った人材を集められるリファラル採用が注目されるようになりました。

リファラル採用のメリット4つ

リファラル採用には多くのメリットがあるといわれており、他の採用方法と比べてデメリットがあまりないとされています。特に以下のようなメリットを挙げている企業が多いようです。

採用に関するコストを削減できる

既述のとおりリファラル採用のもっとも大きなメリットは、やはり採用コストを大幅に削減できることです。求人媒体や仲介企業を利用しないため、求人募集にかかるコストがほとんど掛からなくなります。

また、人事部門の採用プロセスも簡略化できるため、面接に掛かる時間や手間も短縮でき、人事や現場の管理職など多忙極まる人材の採用工数削減にもなります。

人材を紹介したスタッフにインセンティブを支払う場合は、当然ながらその分のコストは掛かります。しかし、求人サイトなどへの掲載料金や人材紹介会社に支払う手数料などと比べれば、大幅なコストの削減になるでしょう。

潜在層にアプローチできる

現在、転職市場が活況であることは間違いありませんが、さまざまな企業が人材の獲得に乗り出しているため、自社が理想とする人材を獲得するのは簡単ではありません。

しかし、リファラル採用の場合は、いまだ転職市場にはおらず、潜在的に転職を視野に入れている人材にも直接声を掛けられるため、転職市場での激しい獲得競争を避けながら優秀な人材を集められるというメリットがあります。

紹介してくれるスタッフとうまく協力すれば、転職市場に多額の費用を支払うことなく、自社の企業文化や価値観に合った人材に出会えるのです。

自社について考える機会ができる

リファラル採用では、自社のスタッフが紹介というかたちで採用プロセスに関わります。そうなると、既存のスタッフも自社にとって必要な人材について考えるようになり、自然と経営者的な視点から会社について考え、行動するようになります。

広い視野から自分の職場を考えるようになれば、それだけ組織の置かれている状況や、自分の役割について向き合う機会が増えるでしょう。

企業にあった人材を確保できる

高い採用コストを支払っても、短期間での退職や、思うように活躍してもらえなかったりといったリスクは多くの企業の悩みの種です。しかしリファラル採用では、スタッフからの紹介で人材を募集するため、採用の精度が高くなり、企業にマッチした人材を確保することができます。

また、入社する側もすでに働いている人から紹介してもらうことになるため、求人サイトなどの情報ではわからない職場の雰囲気や社風について、具体的なイメージをもって入社でき、人材の定着率が向上します。

リファラル採用におけるデメリット

このように、さまざまなメリットがあるリファラル採用ですが、実際に導入するにあたってデメリットと考えられる点もあります。特に以下のポイントに留意しつつ、慎重に採用活動を行いましょう。

採用される人材が偏る可能性

リファラル採用では、自社のスタッフの個人的なつながりで人材を紹介してもらうケースが多いでしょう。そうなると、そのスタッフと似たような人材が集まりやすくなり、最終的には一種の派閥のような集まりができる可能性があります。

一概にそれが悪いということではありませんが、同じような特性をもった人材が集まっても、全体の生産性の向上に寄与するとは限りません。リファラル採用をする側は慎重に選択し、自社の状況に合った人材を広く集められるように工夫する必要があります。

インセンティブの費用がかかる

採用に関わるコストを安く抑えられるのがリファラル採用のメリットですが、人材を紹介してくれるスタッフにインセンティブを与える場合、その金額によっては一般の採用プロセスと同じぐらいのコストになってしまう可能性もゼロではありません。

また、特に注意しなければならないのは、スタッフに与えるインセンティブを高額にし過ぎてしまうと、違法とみなされてしまうケースがあることです。

本来、労働者の募集を行う者に報酬を与えることは原則として禁止されており、企業が人材を紹介した社員に対して賃金や給与というかたちで報酬を支払うことが、例外的に認められているに過ぎません。
インセンティブについては就業規則や賃金規定に明記し、支給額の目安は30~50万円程度の相場内に抑えておきましょう。

リクルーターの教育が必要になる

人材の紹介をしてもらうとはいえ、これまで採用に携わったことのない人が採用に参加するケースが多いため、紹介する側のスタッフは慎重に選抜し、しっかりと社員教育をしておく必要があります。

そのスタッフが紹介したい人材に伝える企業の社風や価値観といったものは、その人の主観に拠りますから、しっかりと自社の理念や目指すべきところを教育しておかなければ、人材のミスマッチが発生する可能性も出てくるため、要注意です。

人間関係が悪化する可能性がある

紹介してもらった人材が不採用になった場合、紹介したスタッフとその人材との関係が悪化してしまうリスクがあることは留意すべきです。

少なくとも紹介したスタッフは気まずい思いをすることが考えられます。そこで、事前に不採用になる可能性があることを必ず相手に伝えもらい、不採用の伝え方も人間関係を壊さないような配慮が求められます。ここで失敗してしまうと、個人的な人間関係の悪化を恐れて、スタッフが人材を紹介してくれなくなる可能性もあります。