フィンテックで「給与の自由化」目指すペイミー、スタートアップバトル制す

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7月3日、フィンテックを活用した給与即日払いサービス「Payme」を提供するペイミーが、「Nikkei FinTech Startups Awards 2018」 において優勝したことを発表した。また同日、セブン銀行との協業も発表された。創業たった1年で「給与」の常識を覆そうとしているペイミーの取り組みを紹介する。

フィンテックで「給与の自由化」目指すペイミー、スタートアップバトル制す

フィンテックスタートアップ企業、ペイミーとは?

7月2日に行われた「Nikkei FinTech Startups Awards 2018」はNikkei FinTech Conference 2018の中で開催されたアワードで、選抜された7企業が登壇し、自社のサービスや技術、製品についてピッチバトル(※)をするもの。

今回優勝したペイミーは、フィンテックを活用した給与即日払いサービス「Payme」を提供するスタートアップだ。代表の後藤 道輝氏はメルカリ、CAMPFIREを経てDeNA戦略投資推進室などを経験後、2017年7月にペイミーを創業した人物である。

同2日にはペイミーとセブン銀行が業務提携し、セブン銀行の「リアルタイム振込機能」で給与の即払いを実現するとの発表もあり、「Payme」が作る新しいお金と人の概念が、急速に広がることを予感させている。

※「ピッチ」とはシリコンバレーから来た用語で、既存のものではなく新しいものを投資家などに説明をする際、単に製品を売り込むだけでなく、その理念や課題感など、新しいものを一から共感を得るために提案する手法。

「Payme」が目指すものとは?

「Payme」には若者へのエールが込められている

そもそも「Payme」の誕生には、将来価値の高い人がお金を理由に将来を諦めてほしくない、という想いから生まれたという。

コーポレートサイトで、代表の後藤氏は以下のように語っている。

日本で単身世帯の2人に1人が貯金ゼロだと言われています。 また、銀行のカードローン残高は5年間で1.6倍、約6兆円まで膨れ上がりました。 お金に困る人は、フリマサイトで現金を購入、質屋アプリで即日現金化、ECサイトでツケ払い。 利用者は増える一方です。
皆さんにとって一番身近であるお金、それは給料です。 しかし、この給料、”末締め翌月払い”の支払われ方は50年間変わっていません。Paymeは労働者にとって働きやすい環境の提供を目指します。(後藤氏)

スマホでいつでもどこでも給与を使えるしくみ

Payme は、企業の勤怠データと連携し、実労働時間から給与を計算し、即日払いを行うサービスだ。利用できる金額の上限は、その日までに稼いだ額の70%までで、この範囲内であれば1,000円単位でいつでも即日払いを申請できるという。

自分で稼いだお金をいつでもどこでも使えるメリットは、利用者には大きい。また企業にとっても大きなメリットがある。Paymeの導入は無料で、求人広告からの応募数増加、アルバイトなどの従業員定着率アップ、振込作業の手間を削減できるという。

シンプルでわかりやすいUI・UXで、飲食チェーン、人材派遣など現在130社がサービスを導入しており、特にサービス労働力が不足している企業や、若い世代の従業員からの支持が高いという。

ここで懸念されるのが、いつでもどこでも給与が使えることが、その日暮らしを助長しないかという点だ。しかし同社によると、現在の利用率は20〜30%。申請金額の平均値は3万円前後となっており、これによって逆効果を生むような使われ方は見られないという。

セブン銀行との協業で、本格的な普及目指す

7月2日、同社とセブン銀行の協業が発表された。セブン銀行が2017年秋から提供を開始した「リアルタイム振込機能」を活用し、給与即払いを実現する狙いだ。

出典:プレスリリース

「リアルタイム振込機能」とは、セブン銀行口座と外部サービスをAPIで連携、接続したサービスからの振込指示を即時に実行するというものだという。給与計算や経費精算などのサービスを提供する企業での活用が見込まれているという。

給与は月末に振り込まれるのが当たり前。そんな常識をペイミーはたった1年で変えようとしている。勢いのあるスタートアップの活躍に、今後も期待したい。