ZOZOTOWNでビジネススーツ販売
ファッションEC大手「ZOZOTOWN」がビジネスウェアに参入する。7月3日、運営会社スタートトゥデイの前澤友作社長が会見で発表した。プライベートブランド『ZOZO』のラインナップを拡充し、完全カスタムオーダーのビジネススーツなどを取り扱う。
主な特徴は次の3つだ。
1. 完全カスタムオーダー
なんといっても「完全カスタムオーダー」が特徴だろう。顧客の体型データにあわせて、ゼロからつくる。肩の傾斜角や、左右の体型差まで考慮するという。
会見には、総勢16名の社員もスーツを着て登壇。「体型にコンプレックスを抱える」社員として、代表で3名が紹介された。肩幅が狭いという男性は「ストレスなく着られる」とコメント。体格が大きいため既成品だと合わないという社員は、何枚か買いたいと笑顔でZOZOのスーツを評価した。
採寸には、2017年11月にリリースした体型を3Dで計測できるボディスーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」を活用する。会見を開いた7月3日時点で、計55万3,179枚を配布済み。所持していない顧客も、まずはZOZOSUITを入手して採寸することになる。
2. 多彩なラインナップ
ラインナップは、メンズのビジネススーツ、ドレスシャツ、ネクタイ(8月上旬発売予定)の3カテゴリ。スーツは全7種の生地から選べるほか、ドレスシャツは計14色、ネクタイにいたっては16色×長さ6種×幅6種(計36種)という、多彩なバリエーションを用意する。
3. 最短1〜2週間で届く
完全カスタムオーダーでありながら、納期は最短1〜2週間と短い(初回受注分は8月上旬配送予定)。現在展開している『ZOZO』のジーンズやTシャツより時間はかかるとしているものの、一般的なビジネススーツのオーダーメイドと比べても、断然早い仕上がりだ。
3日18時より予約を受け付ける。当面はビジネススーツとドレスシャツをセットで販売。定価は4万4,800円だが、「お試し価格」として2万4,800円を打ち出している。
「完全カスタム」にこめた思い
通信販売ではサイズ計測などの壁があるカスタムオーダーを取り入れた裏には、前澤社長が抱えてきた「コンプレックス」があるという。
『ZOZO』のスーツを着て会見に臨んだ前澤社長は、「背も低いしスタイルも不格好」と自身のコンプレックスを告白。「(いまZOZOTOWNで販売している)65万点の商品のなかから探しても見つからないくらい、自分の体型に合う商品がなかった」という。
そんなコンプレックスから始まり、「一人ひとりにもっと合うものがあったらいいな」と、カスタムオーダーの道を探り、このたびの商品化にいたった。
40万人が視聴する注目度
会見をリアルタイムで配信した「LINE LIVE」では、約40万人が視聴した。コメントには「買う」「買いたい」という声が多数みられ、注目度の高さがうかがえる。
カジュアル化の波におされ、苦境を強いられている紳士服業界に、ZOZOTOWNが切り込む。ビジネスシーンに新たな歴史を刻みそうだ。