タスクフォースとは?迅速な課題解決・編成アプローチ・重要ポイント3点

最終更新日: 公開日:
ビジネスシーンにおける「タスクフォース」とは、緊急性の高い課題を解決すべく編成される一時的なプロジェクトチームとされています。本記事では、組織横断的に人材を招集する方法やメリット、語源を含め、ビジネスシーンでタスクフォースを活用する方法を解説します。
タスクフォースとは?迅速な課題解決・編成アプローチ・重要ポイント3点

タスクフォースとは

民間企業、政府機関を含む組織の運営には、緊急性の高いさまざまな課題が存在します。タスクフォースとは、これらの課題を解決すべく編成される専任チームのことです。

本稿では、タスクフォースの概要やメリット、チーム編成向けたアプローチ・重要ポイントをビジネスシーンに絞って解説していきます。

タスクフォースの意味と語源

任務(Task/タスク)遂行のために編成される部隊を意味するタスクフォース(Task Force)は、アメリカ海軍などで使われていた軍事用語を語源としています。ビジネスシーンにおいては、緊急性の高い特定の課題を解決すべく、各部署の適任者を招集して編成される一時的な組織を意味します。

ビジネスシーンにおけるタスクフォースは、新製品開発や不祥事への対応などで編成される場合が多く、課題解決と同時に解散する臨時組織として、機動性と戦略性が重視されるのが一般的です。

タスクフォースとワーキンググループの違い

タスクフォースと類似した意味を持つものにワーキンググループがあります。どちらも緊急性の高い課題を解決するために編成される組織という意味では同じであり、組織によって呼び方が異なるだけという見方もできるでしょう。

しかし、ワーキンググループは課題解決に向けた組織として、目的別にタスクフォースとして細分化されるなど、解決すべき課題の規模によって使い分けられるケースもあります。国の重要政策や企業存続にかかわる課題など、規模の大きな課題解決のケースではこの傾向も顕著になっています。

タスクフォース3つのメリット

ビジネスシーンでの課題解決を目的とするタスクフォースの編成は、企業にさまざまなメリットをもたらします。3つの観点から説明します。

1. 課題に迅速に対応

タスクフォースは、組織内の各部門を横断し、専門性の高い人材を招集して編成されるます。招集された人材は、現在の業務を一時中断してタスクフォースに参加することが多く、課題解決に注力するため、問題・課題に迅速に対応できるメリットがあります。そのため、緊急性の高い課題に対して設定されます。

経済のグローバル化が加速し、コーポレートガバナンスの徹底が求められる現代では、さまざまな企業リスクに即効性を持って対応する手法として有効です。

2. 組織横断型プロジェクトを実現

加えて、新たな事業の創出や新製品開発の場面でもタスクフォースを編成するメリットがあります。

理由としては、組織を横断した人材で編成されたメンバーがひとつのプロジェクトに取り組むことで、各部門の異なった意見を統合でき、イノベーションの創出が期待できるからです。

これは各組織の利害関係を超えた、組織全体の課題解決にも有効な手段になります。また、各部門の課題をタスクフォースで共有することにより、それぞれの解決に向けたヒントも得られるでしょう。

3. リーダーシップやチーム力の向上

緊急性の高い課題解決が目的であるタスクフォースは、その性格から機動性と戦略性が重視され、任務遂行のために大きな権限を譲渡されるケースが多くなります。

これを活用して企業戦略推進に向けたタスクフォースを多数立ち上げ、執行役員などをメンバーにすることで、経営幹部のリーダーシップ育成ができるというメリットがあります。またプロジェクトを進めるなかで、チーム力の強化にもつながります。

リーダーシップについては、以下の記事でも詳しく説明しています。

タスクフォース編成に向けた5つのアプローチ

緊急性の高い課題に取り組むため、タスクフォースの編成は迅速に行うのが大前提です。そのうえで、効果的な体制づくりを実現すべく、タスクフォース編成に向けて最適なアプローチをとる必要があるといえます。

1. 課題の明確化

まずはタスクフォースで取り扱う課題を明確にする必要があります。解決すべき課題に対してタスクフォースを編成するべきなのか、企業内部・外部環境を分析し、その存在意義を見極めていくべきでしょう。

2. 解決すべきタスクの整理

タスクフォースが担うべき課題を明確化できたら、解決すべき課題を具体的なタスクへと細分化して整理します。これによって、課題解決にどのようなスキルが必要になるのか判断できるようになります。

3. リーダーの選定

どのような形態の組織でもリーダーは必要であり、リーダーの力量によってプロジェクトの成果が左右されます。つまり、次にすべきことはリーダーの選定ということになります。

リーダーの選定には、課題に関する知見よりも、マネジメント能力やリーダーシップを重視すべきと考えられます。タスクフォースの規模が大きくなるようであれば、リーダーも複数人必要になるでしょう。

4. メンバーの選定

課題解決に必要なスキルを持つ主要メンバーを選定し、リーダーのもとに配置します。プロジェクトが動き出せば、タスクを具体的な業務にまで落とし込めるので、その都度必要なメンバーをタスクフォースに追加できます。

メンバーをタスクフォースに専念させるのか、本来の業務と兼務させるのかは、プロジェクトの規模や重要度などでの判断になり、各部門・人事部との連携も必須になります。

5. 活動の結果報告と教育や研修の実施

タスクフォースが編成されるような重要課題であれば、当然、組織内への周知徹底が必要であり、不祥事への対応であれば社会的にも結果報告の必要になるでしょう。タスクフォースの活動内容、結果、対応策などを具体的な資料として残し、組織内外に報告できる準備を整えなければなりません。

同時に、組織内での教育や研修を実施し、ノウハウを蓄積していく仕組みづくりも行う必要があります。

タスクフォースで重視すべき3つのポイント

タスクフォースの大部分は、突発的な問題・課題の発生に対して編成が必要とされます。しかし、企業の継続的な成長のため、戦略的に立ち上げられることも多くなってきています。

こうした状況でタスクフォースを効果的に機能させるには、どのようなポイントを重視すればいいのでしょうか。3つのポイントに整理します。

1. 戦略的タスクフォースリーダーの育成

デジタルトランスフォーメーションの加速に伴い、知的財産やブランド力などを活用する知的資産経営を重視する企業が増えています。同時に、これを目的としたタスクフォース編成も増えてきています。

こうした戦略的タスクフォースを機能させるには、マネジメント能力やリーダーシップに優れるのはもちろん、知財マネジメント能力を持ち合わせた戦略タスクフォースリーダーの育成が欠かせません。

教育・研修環境の整備とともに、キャリアパスを含めた企業の取り組みが必要になるでしょう。

2. 迅速かつ柔軟な対応力

緊急性の高い課題解決のために編成されるタスクフォースは、迅速かつ柔軟な対応力を持っている必要があります。突発的に発生する問題・課題には、ガバナンスの不徹底などに起因する不祥事などが含まれる場合もあり、対応を誤ると企業価値を大きく損ねてしまうからです。

そこで、すべてのリスクを想定した準備は困難だとしても、タスクフォース編成に向けた手順を明確化するなどの対策は行っておきべきだと思われます。

3. 情報の蓄積と活用

課題解決と同時に解散となるタスクフォースは、そこで得られた知見を組織運営に生かしにくいというデメリットを持っています。これを回避するため、タスクフォースを引き継ぐ組織を構築するなどして、組織内の教育や研修に活用していく方策も考慮する必要があるでしょう。

タスクフォースと似た言葉

タスクフォースと同様の意味を持つものとして、ワーキンググループがあることは上述しました。それ以外にもタスクフォースと混同されやすい類義語を紹介、意味を解説します。

プロジェクトチーム

課題を解決するため、一時的に編成されるチームという意味においては、プロジェクトチームとタスクフォースは同義語だといえます。組織によって呼び方が異なるだけ、という見方ができる点はタスクフォースとワーキンググループとの関係にも似ています。

だが、タスクフォースが緊急性が高く、短期間での目的達成が必要なケースで使われるのに対し、プロジェクトチームでは、目的達成に長期間を要するケースで使われる場合も多いようです。

クロス・ファンクショナル・チーム

組織横断的に人材が招集され、課題解決のために編成される一時的なチームという意味においては、クロス・ファンクショナル・チームとタスクフォースは同義語だといえます。

しかし、クロス・ファンクショナル・チームでは、全社的な課題を解決するために、社内だけでなく、場合によっては外部の専門家などの人材を招集するケースもあり、この点がタスクフォースと異なります。

このため、クロス・ファンクショナル・チームという言葉は、タスクフォースと比べ、より大規模なプロジェクトや経営課題に取り組む場合に使われます。

タスクフォース活用で戦略的な課題解決を

近年、企業が激しい競争を生き残っていくには、変化に即応した迅速な意思決定と行動力が求められます。しかし、いまだトップダウンによる縦割り構造が残る日本企業では、迅速な意思決定は困難かもしれません。

組織を横断してプロフェッショナル軍団を編成するタスクフォースでは、組織が抱える縦割り構造の問題を打破し、現場の判断で迅速に意思決定と行動を起こせます。トップダウンを維持したタスクフォースの活用は、日本企業にもっとも戦略的で適している課題解決手法の一つだといえるのではないでしょうか。