再配達はもうさせない、業界初の「置きっぱなし」保険

物流系ITスタートアップのYper(イーパー)は5日、東京海上日動と共同で「置き配保険」を開発したことを発表した。EC業界の拡大とともに宅配需要は増加の一途だが、宅配業界の人手不足は深刻だ。この大きな課題に対し、宅配業者が安心して「置きっぱなし」にできるしくみを作ったスタートアップが、Yperだ。

再配達はもうさせない、業界初の「置きっぱなし」保険

再配達問題は「労働者負担」「CO2排出量」が深刻

EC市場の拡大にともない、宅配数も増加している。国土交通省によれば、宅配便の取り扱い実績は、2017年までの5年間で18%増加している。

ここ数年で日本の宅配市場を大きく変えたのは、Amazonの存在が大きい。日用品や食品など、これまで自分で足を運んで買っていたものまでも、ネットで注文し、宅配してもらう人が増えているのだ。そして宅配全体のうち、約2割が再配達されるという。

再配達による社会的損失は、配送業者の労働者負担が増えること以外にも、環境面へのインパクトもある。再配達によって、CO2排出量は42万トン増加すると同省は試算している。

2018年1月には、宅配便の再配達率を約16%から2020年までに13%程度に引き下げる目標を公表している。

そんな再配達の問題に、一石を投じたのが物流系ITスタートアップ「Yper・イーパー」だ。


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Yperが作る再配達撲滅のシナリオ

同社はまず2018年1月に「OKIPPA」アプリの提供を開始した。これは通販サイトアカウント、またはGmail(Amazon、ZOZOTOWNに対応)をアプリに連携するだけで、商品の配送状況をアプリが自動で管理してくれるしくみだ。

ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便、西濃運輸、Amazonデリバリープロバイダー各社に対応し、再配達になった場合もOKIPPAアプリからの再配達依頼が可能だという。

出典:プレスリリース

また、同4月には配達した荷物を置きっぱなしにできる置き配バッグ「OKIPPA」の先行予約販売を開始、すでに2,000個以上が納品に向けて準備されているという。また7月7日から、東京23区内にて約1か月、OKIPPA実証試験を実施する。モニター100世帯向けにOKIPPAバッグを配布し、アプリとの連動などの最終確認を行うとしている。

出典:プレスリリース

そして先行予約販売でバッグを購入した1,600名を対象に行ったアンケート(有効回答数436)では、約半数がバッグへの盗難保険の付帯を希望したという。そこからうまれたのが、業界初となる「置き配保険」だ。

業界初「置き配保険」のしくみ

同社は東京海上日動と、「置き配保険」を開発した。これは、OKIPPAバッグで受け取った宅配物に対し、盗難保険を付保するというものである。

保険の対象となるのは、あくまでもOKIPPAバッグに預け入れられた荷物のみ。またOKIPPAアプリで商品と配送状況を管理しており、宅配物がバッグに預け入れられた時点から一定期間(24時間を予定)が保険適用の範囲となるという。

8月末にはOKIPPAバッグが購入者のもとに届き、そこから保険も適用となる。また一定額以上の保証に関しては、アプリのプレミアム会員向け特典の一部になるという。

再配達は指定した時間に必ず家にいなくてはならないという、受け取る側の不便さもある。安心して「置きっぱなし」にできるこのしくみは、宅配業者のみならず、利用者にとっても画期的だ。

こうしたサービスが、宅配業界の課題解決へどこまで効果を発揮するのか。サービス開始後の普及に、期待したい。