世界のCPO「リーダーシップ」に課題感 人材とデジタル対応が推進のカギ

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デロイトトーマツコンサルティング(DTC)は7月3日、Global CPOサーベイ2018の日本語翻訳版を「リーダーシップがイノベーションを推進しインパクトをもたらす」と題し、公開した。CPO(最高調達責任者)のビジネス戦略における最優先事項は「コスト削減」、そして必要なリーダーシップ像が変容しつつあることがわかったという。
世界のCPO「リーダーシップ」に課題感 人材とデジタル対応が推進のカギ

世界のCPOが考える調達部門の課題とは

このレポートは、日本を含む世界39か国、504名のCPO(最高調達責任者)を対象に実施した調査の結果をまとめたもの。CPOが考える調達部門の課題や注力事項、調達業務に影響を与える外部環境に対する意識などについて調査を行った。

ここでは、その日本語版である「リーダーシップがイノベーションを推進しインパクトをもたらす」の内容を取り上げる。

最優先事項は「コスト削減」、8割が回答

まず、ビジネス戦略の優先事項を聞いた。その結果、最優先事項はこれまでの調査と変わらず、78%の回答者が「コスト削減」と答えた。続いて、「新商品/市場開発」が58%、「リスク管理」が54%だった。

次に、組織の調達部門に対する「バランスト・スコアカード」を形成する測定基準の状況を尋ねた。目立ったのは、「業務効率」「サプライヤーのコンプライアンス」および「イノベーション」である。これらはそれぞれ昨年を大きく上回っており、重要度が大幅に高まったとDTCは分析している。

組織の調達部門に対する「バランスト・スコアカード」を形成する測定基準の状況(出典:ニュースリリース)

CPOが今後12か月で価値をもたらすために重点を置く調達施策については、「支出の統合」が37%でトップ。次いで「総ライフサイクルコスト/総所有コストの削減」(32%)、「競争力の向上」(31%)、「仕様の改善」(24%)が挙がった。

CPOが今後12カ月で価値をもたらすために重点を置く調達施策(出典:ニュースリリース)

また、もっとも重大な市場リスクを聞いたところ「通商交渉の不確実性および結果(例Brexit、NAFTA再交渉)」が33%で最上位だった。一方、昨年の調査で上位だった「新興市場の弱さやボラティリティおよび中東/アジアでの地政学的リスクの上昇」「中国経済減速の波及効果」「ユーロ圏のデフレおよび景気低迷」は、減少した。

変容するリーダー像

調達部門の人材育成に支出された予算の割合を尋ねたところ、2011年以降で最低だった。2018年は、部門運営予算比で4%超と回答する割合が引き続き10%前後ある一方で、1%未満とする割合は34%にも拡大している。

調達部門に対するトレーニングに支出された割合(部門運営予算比)(出典:プレスリリース)

リーダー像に関して、ハイパフォーマンス企業の調達リーダーには、調達部門、ビジネス、サプライヤーおよびデジタルの課題をリードすることが明確に求められているという。しかし、調達リーダーの51%は自分は力不足だと考えており、伝統的な慣習から脱却し、イノベーション、建設的なディスラプションおよびデジタルトランスフォーメーションの分野におけるリーダーシップとのギャップを埋めなければならないと感じていると、DTCは述べている。

調達部門責任者の主要リーダーシップ特性(出典:ニュースリリース)

重視するテクノロジーは「アナリティクス」

デジタル化の影響に関する認識と対応を尋ねた設問では、調達機能全体のデジタル化のレベルとスピードに追いついていないと認識していることが読み取れる。組織の全般的なデジタル戦略を実行するにあたり調達部門が大きな影響を持つと考えているのは4%、デジタル調達戦略が目的を完全に達成し企業価値を高めることに役立つと考えているのは6%に留まった。

デジタル化の影響に関する認識と対応(出典:ニュースリリース)

最後に、重視するテクノロジーについて、2017年と比較したところ、調達責任者が考える今後2年で調達にもっとも影響を与えるテクノロジーはアナリティクスだった。また、回答割合が大きく動いたのはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で、2017年の13%から2018年には24%に増加している。

重視するテクノロジー(出典:ニュースリリース)

今回のリサーチから、CPOの意識は年々変化していることがわかった。この結果に対し、同サーベイでは「調達の焦点が、明確にイノベーションと価値創出へ移るにあたり、特にリーダーシップ、人材およびデジタル調達の分野で変化の加速が求められる」とまとめている。