少子化の背景にある深刻な3つの事情、対策は十分なのか?

日本の少子化は、未婚や晩婚が原因だと言われていますが、出生数の低下は既婚女性が経済的・心理的・身体的な負担から、子どもを持つことを諦める事情があるのではないでしょうか。 本記事では、少子化の現状と背景・原因と妊娠・出産・育児への経済的支援制度や補助金を説明したうえで、両立や共働きによる心身の負担から2人目の子どもを諦める問題にも焦点をあて、少子化の事情と対策をさぐりました。

少子化の背景には「親の心身の負担」も

「子どもは産まれてからが大変」とよく言われますが、ここからは女性が実感する「心理的負担」・「身体的負担」について解説します。当事者になって初めて痛感する、子育てにおける心理的・身体的負担は相当大きいといえるのではないでしょうか。

母親の心理的負担

わが子を可愛いと思う反面、多くの母親がストレスや悩みを抱えています。なぜなら子育ては、いまだに母親の負担が大きく、多くの家庭で母親のワンオペ育児になる傾向が強いためです。

その理由は、父親はワークライフバランスとはかけ離れた働き方を強いられ、「イクメン」と呼ばれても「手伝う」育児しかできないという側面もあります。また核家族化や地域社会との関係の希薄化で頼れる人がいないことも、ワンオペ育児になる理由です。

子育てでは生活のほとんどのペースを子どもに合わせるので、予定どおりに物事は進みませんし、自分の時間を持つことも難しい。また、なぜ子どもが泣くのかわからず、ストレスやイライラが積もっていく母親も多くいます。こうした母親の心理的負担は、第二子をもつことに不安を与えてしまいます。

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母親の身体的負担

出産では体に大きな負担が加わり、授乳では体力を使います。上述したように母親のワンオペ育児の割合が非常に高いので、どうしても母親の身体的負担も大きくなります。

長い時間子どもを抱っこしていると腱鞘炎になったり、腰痛を発症したりする場合があります。授乳中には肩こりになる母親も多くいます。

また子どもが小学生になっても、子ども一人で出歩かせることは物騒でできない風潮があり、公園遊びに付き合ったり、習い事の送り迎えをしたりすることも、身体的な負担となっています。

これには、出産年齢が上がってきていることが関わっているかもしれません。20歳代の出生率が下がり、第一子の平均出産年齢は年々上がり、2016年には30.7歳となりました。母親の出産年齢の上昇も、体力的にきつい身体的負担の一因です。

負担を軽減するには

平成21年度の内閣府の調査ですが、夫婦の家事・育児の分担は「夫1割、妻9割」という回答者が31.6%と多く、次いで「夫2割、妻8割」が24.0%と、妻が家事・育児の8割~9割を分担していることがわかります。

母親の負担を軽減するには、夫と家事・育児を分担することが不可欠です。共働き、親の介護など夫婦の状況はそれぞれです。分担を決めて担当しきれない分は、保育園の一時預かりやベビシッターなどの外部サービスの利用、育児に積極的に参加する意思がある祖父母にお願いするなどの方法で、負担を減らす必要があります。

少子化解決の糸口は「男性の働き方改革」

少子化の背景にはさまざまな要因がありますが、解決の糸口は男性の働き方改革にあるのではないでしょうか。男性の育児休業は、まだまだ浸透していません。男性の育児休業取得率は5.14%と初めて5%を超え少しずつ増えていますが、政府が掲げる「2020年には13%」という目標には程遠いものがあります。また、多くの男性が長時間労働や有給休暇を取得しづらいという現実に悩んでいます。

男性がもっとワークライフバランスを取りやすくならなければ、育児における女性の心身の負担は一向に軽減されず、キャリアアップの意欲も削がれ、結果として世帯収入増加も見込めません。経済的不安を解消できず子どもを諦めざるを得ない、という現状からは抜け出せないのではないでしょうか。

子育ては、「お金がかかる」、「仕事に差し支える」、「心理的・肉体的負担が大きい」という現状を改善し、子どもを持つことへの"負のイメージ"を変えて行かなければ、少子化を食い止めることはできません。負のスパイラルを断ち切るため必要なのは、男性の働き方改革なのです。

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