コミュニケーションの変化で、働く女性たちに変化は?
「リアルスタイル・サーベイ」とは、アダストリア スタイル研究所と博報堂の「ヒット習慣メーカーズ」によるの共同取り組みである。今回、インターネットの進化で、コミュニケーションが多様化、複雑化する現代社会で、女性が何を感じ、生きているのかというライフスタイルをとらえる調査を行った。
調査は「働く女性」、「育児ママ」、「女子大生」の3グループに分けて実施し、それぞれのグループに見られる傾向を読み解いた。この中でも、「働く女性」グループの調査結果を紹介する。
年齢が上がるほど周囲に合わせる傾向に
出典:プレスリリース
まず、東京都在住の働く女性(フルタイム勤務者)309名を対象に、日常生活における価値観や考え方について聞いた。
「周囲に合わせたり、空気を読んで行動する方だ」という質問に対しては、働く女性全体の76%が「あてはまる」もしくは「どちらかといえばあてはまる」と回答した。
この回答で注目されるのは、年代別の傾向で、20代前半72%、20代後半75%、30代前半79%となり、上の世代になればなるほどスコアが高まる傾向が見られた点だ。
年齢が上がるほど、周囲に合わせたコミュニケーションや空気を読んで行動する意識が強くなるようだ。
出典:プレスリリース
また、違う意見を持っていても「空気を読んで」まわりに合わせることについて、働く女性の74%が「いつもやっている」もしくは「たまにやっている」と回答した。
こちらも年代別で差が大きい。20代前半が78%、20代後半が70%、30代前半が79%となり、20代前半も高い傾向を示している。2017年新語・流行語大賞にも選ばれた「忖度」という言葉に象徴されるように、仕事においてもしばしば空気を読まなくてはならないことが多いようだ。
面倒くさいのに「忖度」している
出典:プレスリリース
出典:プレスリリース
では、周囲に合わせながらの生活について、女性たちはどう感じているのだろうか。
これについては、「周囲に合わせたり、空気を読んで生活するのに疲れている」という質問に対して、働く女性全体の66%が「あてはまる」もしくは「どちらかといえばあてはまる」と回答した。また、面倒くさいと思いながらも「忖度(そんたく)する」ことについても、働く女性全体の57%が「いつもやっている」もしくは「たまにやっている」と回答した。
どうやら彼女たちたちのホンネは「疲れている」、「面倒くさい」という気持ちを持っている人が多くいることがわかった。
なお、年代別の傾向を見ると、20代前半の反応率75.0%とが上の世代に比べ、高いことがわかる。さらに、仕事や職場まわりで感じてしまう同調圧力についても聞いた。
その結果、「まわりが忙しそうな中、有給休暇が取りづらいと思うこと」が53%、「正直行きたくないのに、上司と飲みに行くこと」が44%(「いつもやっている」もしくは「たまにやっている」の回答計)となった。
実は働く女性の半数前後が意識していることがわかった。
「自分に素直に」生きれないのはなぜか?
現代の働く女性の多くが感じているであろう日々のしがらみ。そんななかで、自分らしさを解放したい意識について、質問した。
その結果、「自分の気持ちに素直に生きたい」という質問に対して、働く女性全体の93%が「あてはまる」もしくは「どちらかといえばあてはまる」と回答。また「自分らしくいられるものを身につけたい」についても、働く女性全体の88%が「あてはまる」もしくは「どちらかといえばあてはまる」と回答した。
自分の気持ちに素直に生きたいのに、なぜそうしないのか?できないのか?そこに忖度文化である日本の問題点が垣間見える。仕事においては、こうした我慢が大きなストレス要因となっているのだ。
厚生労働省が発表した労災の実態調査をみても、人間関係での出来事が労災事案の要因になっていることがわかる。仕事は仕事、人は人、といい意味で「割り切る力」が必要なのかもしれない。
