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ドローンレースとは
ドローンレースは、パイロットの視点でドローンを操作し、他のプレイヤーとそのスピードを競うものです。4年ほど前から北米やヨーロッパ、オーストラリアを中心にドローンのレースイベントが開催されはじめ、その様子がyoutubeなどの動画投稿サイトにアップされることで人気を博し、ここ数年は日本でも開催されるようになりました。
特に海外ではドローンに関する規制も緩いところがあり、さまざまな嗜好を凝らしたレースが開催されており、高額賞金が出るものも少なくありません。競技人口も右肩上がりに増加し続けており、いまや世界中で注目を集めている競技といえるでしょう。
ドローンの魅力
それでは、世界中で夢中になる人が続出しているドローンの魅力とはどういうものでしょうか?多くの人が魅力に感じてているポイントとしては、以下の要素が挙げられるでしょう。
自分の操縦で空を飛ばせる
もっとも大きな魅力としては、車やグライダーなどを運転するように、自分の操縦で自由自在に空を飛ばせることです。広々とした青空でドローンを飛行させるとき、目に飛び込む景色は最高です。ゴルフを楽しむ方に共通する楽しみではないでしょうか。
また、さまざまな気象条件でも安定した飛行をさせることは、テクニックも求められます。そうした技術力向上や自然に対する理解が深まることも、多くの人をドローンの虜にする理由ではないでしょうか。
機動性が高くアクロバティックな動きもできる
カーレースのように同じアングルで走り(飛び)続けるだけではなく、飛行中に回転したり、背面で飛んだりできるため、自分のスキル次第で変幻自在のアクロバティックな動きを楽しめます。
迫力ある映像を撮れる
ドローンはよく空撮に用いられ、何十メートルもの高さから通常では撮ることの不可能な迫力ある撮影ができます。工夫次第で映画のような写真や動画も取れるため、多くのユーザーが撮影目的でドローンを使っています。
近未来感を味わえる
ドローンは、その形状やIT技術を活用している点から、当初から近未来感を味わえるツールとしても評価されてきました。実際、さまざまなセンサーを搭載することでドローンの活用領域も広がりを見せており、IT機器としてのその進化はガジェット好きにはたまらないものでしょう。
ドローンレースにおいても、ドローンの形状を映画に登場するようなメカニカルなデザインにして参加する人もいます。近未来感を味わえることは、ドローンの大きな魅力なのです。
ドローンレースの魅力
このように、さまざまな魅力をもつドローンをさらに楽しむために開催されはじめたのがドローンレースです。海外では新しいモータースポーツとも呼ばれるほど人気を博しており、多くの参加者が以下のような魅力を語っています。
空中で競争をするスリル
まるで戦闘機のパイロットになったかのように、空中で競争するスリルを味わえる点が高く評価されているようです。
特にコックピットにいるパイロットの視点でドローンを操縦する「FPV(First Person View)」のドローンレースは、ゲーム感覚で現実の空を駆け回ることが可能で、これまで2次元の世界でしか味わえなかったスリルを現実世界で楽しめます。
圧倒的スピード感
最高速度130km以上ものスピードを出せるドローンも存在し、通常では味わえないスピードを体感できます。ゲームのような操作で、身の危険を感じることなく高速のレースが楽しめる点は大きな魅力です。
今世界的に盛り上がっている新スポーツ
世界中で競技人口が増え続けており、さまざまな相手と白熱したレースを楽しめる点を魅力と感じる人も多いようです。国際大会が開かれることも多く、国境を越えてドローン愛好家と交流できる機会が増えています。
ドローンレースの種類
ドローンレースの概要を説明したところで、現在開催されている主なドローンレースの種類について説明しておきましょう。工夫次第で多様なコンセプトのレースが楽しめるのがドローンレースの特徴ですが、今のところメジャーになっているのは以下のレースです。
FPVドローンレース
上述のように、まるで飛行機のコックピットにいるような感覚でドローンが操縦できるのがFPVドローンレースです。機体に搭載されたカメラの映像を無線で飛ばすことで、リアルタイムの空中映像を確認しながら操縦します。
ドローンレースのなかでも上級者向けといわれており、機体だけでなく送信機や映像確認用のゴーグルといった備品が必要となります。また、日本ではアマチュア無線4級資格の保持や映像送信機の無線局の開局などの手続きが必要となる場合もあるため、けっしてハードルは低くないのが現状です。
しかし、そのハードルを乗り越えるだけの魅力を感じる人が多く、競技人口は伸び続けています。
マイクロドローンレース
マイクロドローンレースは重さわずか25gの超軽量のドローンを利用したレースで、日本では2017年の後半からJDRA(日本ドローンレース協会)の主催でシリーズ戦として展開されています。
小型のドローンのため、万が一人に当たっても危険が少ないことから、子供から大人まで広く楽しめるレースとして注目されています。室内スペースから広い体育館など、場所を選ばず開催できるのが特徴で、あえて人や物の多い場所で開催されるケースもあります。その気になれば、だれでもレースが開催できるのは大きな魅力といえます。
目視でのレースも
初心者向けのレースとして、ホビー用のドローンを用いた目視ドローンレースも開催されています。
ドローンに搭載された映像を確認しながら操作するFPVとは違い、地上から直接ドローンを確認しながら操作します。機体も安価なため、これからドローンを始めてみようと考えている人は、まずこちらのレースへの参加を目指してみるとよいでしょう。
初心者がドローンレースに参加するうえで必要な資格
これまで説明してきたFPVでゴーグルを装着してレースに参加する場合は、以下の申請と承認が必要となるので注意が必要です。
また、次章で紹介するJDRAなどが開催するレースでは、国交省への航空法に関する申請をレース開催団体が包括申請行っているようですので、この場合はレースに参加する際は必要書類の提出が求められます。
政府の許可が必要な場合
FPVの場合、ドローン機体を目視しながら操作するのではなく、ゴーグルを装着して「目視外」で飛行するため、レースに参加する場合は国土交通省に申請を行い、承認をもらわなければいけません。
詳細に関しては国交省のホームページを確認してください。飛んでいるドローンを目視しながらレースを行う場合は、目視外飛行に関する申請は必要ありません。
また、ドローンの遠隔操作や映像の送受信に関しては、電波法で利用制限がかかっている場合があります。
上述のようにアマチュア無線4級資格の保持などが求められることもありますから、ドローン販売店や総務省のホームページなどでよく確認しておきましょう。ちなみに、スマホアプリなどからWifiやBluetoothなどを使って操作する場合は、免許は不要となっています。
日本のドローンレース
最後に、現在日本で開催されているメジャーなドローンレースをいくつか紹介しておきましょう。興味のある大会があれば、ぜひ主催者のホームページなどで詳細な情報を確認してみてください。
JDRA
JDRA(日本ドローンレース協会)の開催する『JAPAN DRONE NATIONALS』は、日本でもっとも有名なドローンレース大会といえます。昨年(2017年)に仙台で行われた大会はさまざまなメディアで取り上げられ、国内のドローンレース人口を増やすきっかけとなりました。
JDRAはドローンレースのみならず、ドローンを普及するためのさまざまな活動も行っている団体ですので、ドローンに関する情報を知りたい方は、ぜひ公式ホームページにアクセスしてみるとよいでしょう。
Drone Impact Chalenge
Drone Impact Challenge実行委員会は、2015年にスタートした日本のドローンレースを海外にもアピールすることを目指したイベントで、これまで幕張メッセや横浜の赤レンガ倉庫などでレースが行われてきました。
FPVによるマスターコースや、目視のみのレギュラーコースなど、初心者から上級者まで広く楽しめる大会となっており、さらに横浜の大会からはTinyWhoopを用いたTINYクラスも開催されています。詳細は公式サイトで確認してみてください。
JDL
JDL(一般社団法人ジャパンドローンリーグ)は、日本発のプロドローンレーシングチーム「RAIDEN」を発足させた団体です。JDLの大会で上位の選手が参加しているチームであり、高度な技術によるレベルの高いレースが展開されています。
今年の年間チャンピオンに賞金100万円が進呈されるなど、今後ますます国内初のプロドローンレーサーの大会として注目を集めるでしょう。こちらも詳細は公式ホームページでご確認ください。
ドローンレースを始めてみよう!
世界的に注目されているドローンレースについて、ドローンについての基本情報から説明してきました。ドローンレースの競技人口は今後ますます増加することが予想され、国内の大会も各地で開催されるようになるでしょう。
ドローンは敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんが、初心者向けの大会では、1万円程度の機体を購入するだけで気軽に参加ができます。ぜひ、この機会にドローンレースに参加してみてはいかがでしょうか。特にプロを目指す人は今が狙い目かもしれません。