ビジネス用途でVR・AR市場拡大 世界のヘッドセット出荷台数は2022年6,594万台へ

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IDC Japanは7月10日、2018年第1四半期(1~3月)のAR/VR ヘッドセットの国内/世界出荷台数、および2022年までの世界市場規模予測を発表した。 それによると、2018年第1四半期におけるAR/VRヘッドセットの世界出荷台数は、前期比30.5%減の124万台となった。しかし、2022年には合計6,594万台に拡大すると予測している。
ビジネス用途でVR・AR市場拡大 世界のヘッドセット出荷台数は2022年6,594万台へ

世界規模で拡大が続く、VR(バーチャル・リアリティ/仮想現実)やAR(拡張現実)の市場。VRが現実世界とは違う仮想世界に入り込むのに対し、ARはあくまで現実世界が主体となる。このため、VRは、ゲームや映画などのエンタメ分野、ARはビジネスやさまざまな現実のシミュレーションに使われることが多い。

VR、ARともに、利用には対応機器が必要だ。そのうちの一つ、ヘッドセットの市場規模について、IT専門調査会社IDC Japanが調査を行い、結果を7月10日に発表した。それによると、今期の世界出荷台数は前期比30.5%減と落ち込んだものの、2022年には合計6,594万台に拡大するという。

2018年1Qは落ち込むも回復見込み

調査によると、2018年第1四半期(1月〜3月)におけるAR/VRヘッドセットの世界出荷台数は、前期比30.5%減の124万台だった。これは、2017年には活発に行われていた、ヘッドセットをスマートフォンなどへ付属しての販売が減少したことによるものだという。

出典:「世界AR/VR ヘッドセット市場出荷台数予測、2018年~2022年」IDC Worldwide Quarterly AR and VR Headset Tracker, 7/2018

しかし、ビジネス向けAR/VR市場をターゲットとするベンダーが増えることが見込まれることや、「Oculus Go(オキュラス・ゴー)」のような低価格スタンドアロンタイプVRヘッドセットが発売されることから、今後は市場全体が成長基調に戻るとIDCは予測している。

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このためARとVRのヘッドセット市場全体について、2018年は前年比6%増の887万台に達すると予測。この成長基調は今後も続き、2022年には合計6,594万台に達すると見込んでいる。

ビジネス領域にも拡大

ARヘッドセットについては、比較的知られているレノボ「Star Wars:Jedi Challenges」といったスクリーンレスタイプの製品出荷量が、今後短期間、市場をけん引するという。一方、スマートフォンを用いないタイプに関しては、ビジネス用途での使用が拡大するであろうことから、2019年までに市場の規模がより大きなものになると見込んでいる。

一方、VRヘッドセット市場では現在、Oculusが大きな力をもっている。これはサムスンとの共同開発によるGear VRが好調であるためだ。今後はGear VRと同等のスペックを持つOculus Goが注目を集めるだろうと、IDCは予測している。

しかし、HTCの「VIVE」やマイクロソフトの「Windows Mixed Reality」プラットフォームなどの追い上げも考えられるという。後者はとくに、拡大が見込まれるビジネス分野において各社との結びつきがあるため、有利だというのだ。

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これまで消費者向け要素が強かったVRではあるが、環境が整いつつある今後は、ビジネス領域でも拡大するという。携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの菅原啓氏は次のようにコメントしている。

各ステイクホルダーの継続的な努力もあり、VRはビジネス利用においてもエコシステムが本格的に形成されつつあり、消費者向けとビジネス向けの両輪でVRビジネスが動き始めている。今後はこの動きをより多くの産業分野に拡大することが期待されるが、そのためにもできる限り多くの人にVRの体験を広げる必要がある。また、ARは現在やや厳しい状況にあるものの、この先多くのデバイスが登場することが見込まれるため、開発側はノウハウを蓄積することで今後増大するニーズに対応する体制を確立しておくことが将来の飛躍の基礎になるだろう。