ワークシェアリングとは?目的・メリット・事例 - 多様化する働き方に向き合うために

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働き方改革の一環として推奨されているワークシェアリングについて、概要から導入するメリットやデメリット、そして国内・海外企業の導入事例を紹介。多様化する現代の働き方に向き合うため、業務のシェアリングを検討している方はぜひ参考にしてください。

海外におけるワークシェアリングの導入事例

続いて、海外におけるワークシェアリングの導入事例について国別にみていきましょう。

オランダ

オランダはワークシェアリングの導入を成功させた国として有名です。

1980年代にオランダ病と呼ばれた経済危機を克服する施策の一つとして導入され、短時間の雇用を生み出すための雇用創出型のワークシェアリングによって失業率を5分の1程度にまで引き下げることに成功しています。

労働組合は賃金抑制に協力し、企業は雇用確保や時短に努力する一方で、政府は実質雇用者所得の減少を緩和するために減税などを実施。まさに国をあげての一大プロジェクトを成し遂げたのです。

さらに96年にはフルタイム労働者とパートタイマーの賃金を含めた待遇落差が禁じられ、労働者が働く時間を自発的に決められる権利も定められるようになりました。

ドイツ

ドイツでも1980年代から労使協約によるワークシェアリングの導入が進められました。

主な目的は失業者を出さないことで、業績悪化に対処するための緊急避難としての側面が強かったといえます。たとえばフォルクスワーゲン社では、賃金を1割ほどカットする代わりに、労働時間を短縮することで解雇を回避する施策がとられるなど、多くの時短モデルが導入されています。

近年では、さらに雇用拡大のための法整備がなされ、パートタイム労働者への差別的待遇を禁止されたほか、これまでのワークシェアリングの導入で得られた教訓をもとに、雇用安定化のための多様な制度の導入が検討されています。

フランス

フランスでは、1982年の労働法の改正によって、法定労働時間が40時間から39時間にわずかに短縮されましたが、雇用改善に効果がみられませんでした。労働時間1時間の短縮ではあまり意味がなかったといえるでしょう。

そこで、2000年には法定労働時間を週に35時間までと定め、導入企業には社会保障負担への優遇策をとるなどして、政府主導の時短を通じた雇用創出の努力が続けられています。

日本との目的の違い

このように、ワークシェアリングの導入に成功している国では、時短や社会保障の充実などを通じて主に雇用機会の創出に重きが置かれています。

一方、日本の場合は長時間労働の問題を解消する側面が強く、雇用保険や労災保険といった人材の雇用時にかかるコストが割高になっていることが、ワークシェアリングの導入を阻む原因となっているといえるでしょう。

現在日本は、海外での成功例を参考に国レベルで抜本的な改革を進めていく必要があるため、近年の働き方改革につながっているとも考えられます。今後は、さらに啓発活動が進められ、多くの企業に多様な働き方を柔軟に受け入れる姿勢が求められるでしょう。

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いかにメリットを活かしデメリットを克服するか

先述のように、ワークシェアリングの導入にはメリットもデメリットもあります。自社の状況をよく分析したうえで柔軟な施策の検討が必要です。時短によるコストカットと雇用の安定化には、従業員の賃金の削減という痛みが伴うケースが多いです。

しかしオランダなどのように、従業員の立場による落差の是正や追加雇用の実現というメリットも期待できます。

どういう施策を打ち出すにせよ、成功事例の研究を深めつつ、自社の状況に応じた適切な導入方法を検討することが重要です。

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