教員の4人に1人「勤務間インターバル」11時間未満、長時間労働を巡る3つの実態

総務省統計局は、平成23年及び平成28年社会生活基本調査のデータから、ホワイトカラー労働者の「勤務間インターバル」を推計し、7月10日にその結果を発表した。平成28年の勤務間インターバルの状況をみると「14時間以上15時間未満」の人がもっとも多く、一方で「教員」の4人に1人が「11時間未満」という結果に。働き方改革で関心の高まる勤務間インターバルの現状をみていく。

教員の4人に1人「勤務間インターバル」11時間未満、長時間労働を巡る3つの実態

関心高まる「勤務間インターバル」

「勤務間インターバル」という概念がある。これは、勤務終了から次の勤務開始までの間にとる間隔のことを指す。たとえば、9時から18時までの8時間勤務(休憩1時間を含む)の場合、18時に退勤してから翌日の就業開始時刻である9時までの「15時間」が、勤務間インターバルとなるのだ。

残業時間が月80時間だとすると、1営業日当たりの残業時間はおよそ4時間。勤務時間が9時から18時までの人が4時間残業した場合は22時まで勤務することとなり、この場合の勤務間インターバルは「11時間」の計算となる。

勤務間インターバルのイメージ(残業を4時間した場合)/出典:総務省統計局「我が国における勤務間インターバルの状況-ホワイトカラー労働者について-(社会生活基本調査の結果から)」

EUでは労働時間指令により、24時間につき最低連続11時間の休息時間(勤務と勤務の間隔)を付与することが義務付けられている。「働き方改革」に関連し、勤務間インターバルの導入は長時間労働の抑制、また過重労働の防止に有効だと考えられており、日本でも関心が高まっているという。

そこで総務省統計局は、平成23年および平成28年社会生活基本調査のデータから、職業大分類が「管理的職業従事者」「専門的・技術的職業従事者」「事務従事者」および「販売従事者」にあたる「ホワイトカラー労働者」の勤務間インターバルを推計した。

以下、詳細を3つのポイントにまとめている。

1. 「13時間以上16時間未満」が半数以上

まず平成28年の勤務間インターバルの状況をみると、「14時間以上15時間未満」の人がもっとも多く、次いで「15時間以上16時間未満」「13時間以上14時間未満」の順となった。これらの合計で、勤務間インターバルが「13時間以上16時間未満」の人は57.7%となっている。

一方で、勤務間インターバルが短い人も一定数おり、EUが規定する時間を下回る「11時間未満」の人は合計で10.4%も存在する。

出典:総務省統計局「我が国における勤務間インターバルの状況-ホワイトカラー労働者について-(社会生活基本調査の結果から)」

2. 男性は勤務間インターバルが短い

男女別にみると、男性は「14時間以上15時間未満」がもっとも多く、次いで「13時間以上14時間未満」「12時間以上13時間未満」の順となった。また、「11時間未満」の割合は14.3%となっている。

一方、女性は「15時間以上16時間未満」と「14時間以上15時間未満」に集中しており、この2つで49.9%と約半数を占めている。これは男性の同時間の割合が33.2%であることと対照的だ。なお「11時間未満」の割合は4.8%と男性に比べて低い結果となった。

3. 教員の4分の1が「11時間未満」

職業大分類別だと、「管理的職業従事者」と「事務従事者」で勤務間インターバルの分布が一定の階級に集中しているのが特徴的だ。「事務従事者」では「14時間以上15時間未満」(25.7%)と「15時間以上16時間未満」(23.8%)の2つに集中しており、合計で全体の半数を占めている。

他方、「専門的・技術的職業従事者」と「販売従事者」では、勤務間インターバルが短い人も多くみられる。「専門的・技術的職業従事者」では「10時間以上11時間未満」の割合が他の職業分類に比べて高く、「11時間未満」が14.8%となっている。

また「専門的・技術的職業従事者」を職業中分類別にみると、「教員」で「11時間未満」の割合が26.3%と、他の職業と比べて著しく高いことがわかった。ホワイトカラー労働者全体の10.4%の約2.5倍と高い数字だ。

勤務間インターバルは短くなる傾向に

最後に、勤務間インターバルの状況を5年前(平成23年)と比較している。その結果、割合のもっとも高い「14時間以上15時間未満」は平成23年の23.9%から2.2ポイント低下した。一方、「11時間未満」の割合は平成23年の10.0%から0.4ポイント上昇している。

男女別にみると「11時間未満」の割合は、男性で0.7ポイント上昇、女性で0.2ポイント上昇。また女性の「14時間以上15時間未満」の割合が大きく低下している点も特徴的だとしている。

さらに、「11時間未満」の割合を年齢階級別にみると、男女とも「25~34歳」の若年層での上昇が目立ち、特に「25~29歳」で大きく上昇している。

つまり、勤務間インターバルは5年前より短くなっている。この結果を見る限り、「長時間労働の是正」とは逆方向へ向かっているのが現状かもしれない。とはいえ、勤務間インターバルが短いことが必ずしも長時間労働につながるわけではない。たとえば、12時〜21時、翌7時〜16時と勤務した場合、残業はしていなくても勤務間インターバルは10時間と短くなるためだ。

勤務間インターバルをしっかりと確保することは、体を休めること、またワークライフバランスを適正に保つことにもつながるとされている。今後ますます重要度が増していくだろう。