働き方改革で重要なのは「個人と組織」が同じ方向を向くこと

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NTTデータ経営研究所は7月12日、働く人1,100人を対象に実施した「働き方に関する調査」の結果を公表した。これによると、働き方改革に取り組んでいる企業は38.9%であった。しかし業種や企業規模により取り組み状況には差があるほか、働き方改革のメリットを感じられない人も多い実態が明らかになった。
働き方改革で重要なのは「個人と組織」が同じ方向を向くこと

働き方改革に取り組む企業は増加

同調査は、NTTデータ経営研究所が、「NTTコムリサーチ」登録モニターを対象に行われたもの。2018年6月20日~25日、インターネット調査で行われ、有効回答は1,100人。従業員規模10名以上、経営者・役員を含む雇用者(正社員)、20歳以上のホワイトカラー職種を対象としているという。

企業規模や業種により、進み具合に格差

働き方改革関連法案の成立をうけ、各企業でもさまざまな取り組みが進むことが考えられる。調査によると、現状「働き方改革に取り組んでいる企業」は2018年は38.9%となっている。

規模の内訳でいえば、1,000人以上の企業62.3%、100人未満の企業17.7%となっており、事業規模が小さい企業の対応が進んでいない実態が明らかになった。

業種別では、取り組み状況は以下のとおり。

●金融・保険業、通信・メディア業は55%以上、コンピュータ・情報サービス業、製造業の40%以上
●運輸・建設・不動産業、流通・商業、教育・医療・その他サービス業は、31.0%~33.8%。

建設業の働き方改革が進まないことは、たびたび指摘されている。また運輸業界は、EC市場拡大による需要の増加、人手不足など難しい問題を抱えているため、働き方において大きな変化を起こしにくいことが考えられる。

働き方改革で重要なのはエンゲイジメント

働き方改革の効果について、取り組んでいる企業と取り組んでいない企業の従業員回答を比較した結果は、以下のとおりである。

●取り組んでいる企業の従業員は、エンゲイジメント(個人と組織の成長の方向性が連動している状態)されている環境で働きがいを高めている。

これには、自身にとって意欲の向上つながるような適度な刺激、つまり良い意味でのストレスがあることが関係しているという。

個人と組織が同じ方向をむき、ともに成長するという実感を持てる組織でこそ、働き方改革は本当の意味での効果を発揮するのかもしれない。

働き方改革では、労働時間の削減、各種休暇の取得などのメリットがある一方、それに伴う収入の減少も課題となっている。働き方改革で「マイナスの変化はない」と回答した人は43.2%であるが、「プラスの変化はない」とする人も25.0%。

また働き方改革のメリットとして「生産性の向上」をあげている人は18.5%にとどまっており、一方デメリットとして「生産性の低下」をあげている人は7.0%であった。

働き方改革に着手した企業は増えているものの、内容についてはいまだ効果は不透明である。本当に従業員が働きやすい、働きがいを感じられるポイントは何なのか。そこが見えないままに制度化だけを進めても、本質的な改善にはならないだろう。