CSランキング野村證券がトップ 個人投資家の資産運用、ネット証券はSBIが人気

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CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの専門機関であるJ.D.パワー ジャパンは7月11日、2018年個人資産運用顧客満足度調査の結果を発表した。それによると、証券会社や銀行など金融機関の業態による満足度格差が顕著になっているという。また満足度ランキングでは、対面証券部門で野村證券、ネット証券部門でSBI証券がトップとなった。
CSランキング野村證券がトップ 個人投資家の資産運用、ネット証券はSBIが人気

個人投資家の顧客満足度を調査

この調査は、J.D.パワーが年に1回行っている調査である。対象は民間の銀行、証券会社で、投資信託・株式・外貨預金・FXなどの資産運用を行っている個人投資家。直近1年間のサービス利用経験に対する満足度を明らかにすることを目的としており、今年で7回目となる。

実施期間は2018年4~5月、調査方法はインターネット。回答者数は1万7,944人(全国の20歳以上男女)だった。サービス形態をもとに「対面証券」「ネット証券」「全国系銀行」「地方系銀行」「新形態銀行」「信託銀行」の6部門に分けて集計している。

満足度の測定には、6つのファクター(要素)を設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、1,000ポイント満点として総合満足度スコアを算出した。

対面とネットで影響する要因が異なる

調査の結果から、まずは営業形態によって、満足度に影響するファクターが異なっていることがわかった。

対面証券、対面銀行における各ファクターの影響度は高い順に「顧客対応(担当者・オンライン・コールセンター)」が31%、「商品・サービス」が29%、「口座情報」が19%、「手数料・金利」が14%、「店舗施設」が5%、「問題解決」が1%。

一方、ネット証券や新形態銀行では、各ファクターの影響度は高い順に「手数料・金利」が30%が、「顧客対応(オンライン・コールセンター)」が25%、「口座情報」が24%、「商品・サービス」が20%、「問題解決」が1%となった。

対面の場合は顧客対応を、そうでない場合はお得感を重視しているようだ。以下で、調査結果のポイントを見ていく。

運用開始後のサービスが明暗をわけた

まず、全体の満足度は対前年比で23ポイント向上した。この要因として、昨年からの円安株高の影響や投資環境の好転により資産運用実績が満足度を高めている可能性が考えられると、同社では分析している。

また、証券会社と銀行との間に、顕著な満足度の伸びの差がみられた。具体的には、証券会社(対面・ネット)の満足度が対前年比30ポイント超で上昇したのに対し、銀行(全国系・地方系・新形態・信託)の満足度はいずれも業界平均値を下回る結果となった。

証券会社が大きく伸びた要因として、「投資関連の各種情報提供」「購入後のフォロー・アドバイス」「口座案内の的確さ(運用実績、取引明細などの案内)」「担当者の知識の豊富さ」など、運用開始後の金融機関からの情報発信やアドバイスに関する評価が上昇したことがあるという。

一方、銀行も向上したが、証券会社ほどの伸びではなかった。特に地方系銀行と他業態間の差は拡大傾向にあった。顧客満足度とロイヤルティに相関があることがこの調査でも明らかになっており、満足度向上に向けた具体的な対策と活動の実施が急務といえると同社は分析している。

顧客の投資目的はより明確に

今回の調査により、あわせて、顧客の投資目的がより明確になっていることがわかった。

昨年と比較して「特に目的なく」資産運用をしている消費者の割合は3ポイント低下した。一方で投資の目的を「預金金利が低い」(7ポイント増)、「老後の生活資金」(6ポイント増)、「資産のリスク分散」(5ポイント増)と回答した人が、それぞれ増えている。これについて同社は、運用目的がより明確化し、資産形成意識が高まっていると分析している。

さらに、同社が先だって実施した「金融商品の保有経験のない関心層を対象とした『投資意向者調査』」の結果、投資意向者の割合がもっとも多いのは20代で、4人に1人が投資意向者だった。このことからも、投資経験の少ない若年層を積極的に資産運用マーケットへリードし、貯蓄から資産形成へと中長期視点で情報を提供し、接点を造成することが、これからの金融機関に求められると予測している。

部門別証券会社のCSランキング

なお、この調査での各部門の総合満足度ランキングは以下のとおりだった。

【対面証券 部門(対象8社)】
1位:野村證券 597ポイント 
2位:SMBC日興証券 584ポイント  
3位:大和証券 579ポイント

【ネット証券 部門(対象7社)】
1位:SBI証券 617ポイント
2位:楽天証券 612ポイント
3位:松井証券 611ポイント

【全国系銀行 部門(対象5行)】
1位:三井住友銀行 570ポイント
2位:りそな銀行 563ポイント
3位:三菱UFJ銀行 562ポイント

【新形態銀行 部門(対象8行)】
1位:ソニー銀行 608ポイント
2位:住信SBIネット銀行 600ポイント
3位:じぶん銀行 592ポイント

【信託銀行 部門(対象4行)】
1位:三井住友信託銀行 570ポイント
2位:三菱UFJ信託銀行 563ポイント
3位:SMBC信託銀行 562ポイント

【地方系銀行 部門(対象29行)】
1位:京都銀行 575ポイント
2位:大垣共立銀行 574ポイント
3位:埼玉りそな銀行 567ポイント