「デザイン思考」が実現する未来|購買行動の変化から求められる思考モデルとは

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最近のビジネスで注目が集まる「デザイン思考」。デザイン思考はApple社や任天堂も取り入れている思考モデルです。そんなデザイン思考のポイントを具体的な事例を交えて詳しく解説します。
「デザイン思考」が実現する未来|購買行動の変化から求められる思考モデルとは

デザイン思考とは?

デザイン思考とは商品やサービスを作るにあたり、一度作ったものをユーザーの立場に立ってさらに高めていく考え方のことを言います。

デザインというとデザイナーが持つ特別なスキルなように思えますが、最近はビジネスやエンジニアリングといったさまざまな分野で応用されています。

以下ではそうしたデザイン思考について詳しく解説していきます。

デザイン思考の5段階とは?

デザイン思考は商品やサービスを作り上げるうえでユーザーの立場に立って考えることですが、そのためには以下の5段階のプロセスが必要になってきます。

  • 共感(Empathise)
    まずはユーザーを観察し、理解することに努めます。この際にユーザー視点に立つことで、背景や課題が見えてきます。

  • 定義(Define)
    ユーザーにインタビューなどを行うことで、ユーザーが困っていることやその理由を掘り下げられます。そのコアとなっている問題を見つけ出し、課題として特定していきます。

  • 概念化(Ideate)
    課題が明らかになったら、問題解決のために何が必要か思いつく限りアイデアを考えていきます。

  • 試作(Prototype)
    アイデアが出たら、次に試作を作ります。試作を作ることでアイデアがより具体的になり、イメージがわきやすくなります。

  • テスト(Test)
    試作ができたらユーザーが本当に気に入るかどうか検証や改善を繰り返し、クオリティの高いプロダクトに近づけていきます。

なぜデザイン思考が必要なのか?

ここまでデザイン施行とそのプロセスについて確認しました。しかしそもそもどうしてデザイン思考が必要とされているのでしょうか。

モノを作っても売れない時代

20年近く前のビジネスにおいては、新しいモノが発売されればそれだけでユーザーを満足させられました。

しかし現代は携帯電話やパソコンが普及し、スマートフォンとお金があればさまざまなことが可能になる時代です。こうした時代においてユーザーは新しいから欲しいと思うのではなく、自分が本当に欲しいと思うものだけを選び取るようになったのです。

すると当然のことながら、新しいモノを作ってもユーザーのニーズに合っていなければ売れない時代になったのです。

ニーズの多様化

また現代はさまざまなモノが市場にあふれており、それに伴ってユーザーのニーズもより複雑になってきています。

そうしたニーズの多様化が進めば進むほど、モノを作るためにはユーザー視点で考えなくてはならなくなってきているのです。

求められる思考モデルの変化

こうした現状もあって、作り手はこれまで以上にユーザー視点モノづくりを考えなくてはならなくなってきています。そこでデザイン思考が必要とされているのです。

デザイン思考から生まれた商品

デザイン思考という言葉はあまり聞きなれないという方は多いかもしれませんが、実はデザイン思考で生み出された商品は私たちの身の回りにあふれているのです。

iPod/Apple

デザイン思考の有名な例に、Apple社のiPodがあります。Appleはいままでにない音楽プレイヤーを作り出すために、技術者だけでなくデザインや人間工学の専門家を集め、プロジェクトチームを作りました。

それまでは外で音楽を聴くためには購入したCDを何枚か持っていかなくてはならず、メモリースティックのウォークマンがあったとしても容量はCD1~2枚程度でした。

Appleでは「外でたくさんの音楽を聴きたい」というユーザーの現状に注目し、「ポケットに1,000曲」というキャッチコピーで初代iPodをリリースしました。

任天堂Wii

任天堂ではWiiの開発にあたって、ゲーム機があることで親子の中が険悪になるという問題を重視し、「家族関係を良好にするゲーム機」というコンセプトを設定しました。

このコンセプトを実施するために何と1000回以上もプロトタイプが作られ、家族みんなで使えるリモコンのようなコントローラーが作り出されたのです。

デザイン思考で詰まったときは・・・

デザイン思考の重要性がわかっても、うまく使いこなせない、考えに詰まってしまうということもあると思います。デザイン思考のパイオニアとも言われるIDEOがForbesによせた記事によると、以下のようなポイントを押さえておくと良いようです。

IDEO(アイディオ)とは?

IDEOはアメリカ合衆国カリフォルニア州パロアルトに本拠を置くデザインコンサルタント会社で、サンフランシスコ、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ロンドン、ミュンヘン、東京そして上海に拠点を持っています。

コンピュータ、医薬、家具、玩具、事務、自動車製造など数千のプロジェクトを行っており、世界的なデザインコンサルティングで注目を集めています。

「How might we…?」で考える

プロジェクトを進めていると、どうしても売り上げや中長期の目標などに縛られてしまうことがあると思います。

ビジネスを薦めるうえではこうした項目ももちろん必要ですが、考えに詰まってしまったら「どうしたらこの問題を解決できるのだろうか」とシンプルに考えてみることも大切です。

不確実さと変化を許容する

デザイン思考ではプロジェクトを進めるにあたり、プロセスとインスピレーションを重視し、最初の課題が変化することも多々あります。こうした不確実性と変化に抵抗を感じる企業は多く、特に日本の企業に多いようです。

しかしあえてあいまいな点や変化を許容しながら前に進むと、予想もしなかったアイデアに行きつくこともあるものです。

アイディアをすぐ形にする

日本人に特徴的なのが完璧主義の傾向です。その力はモノづくりに発揮される一方で、新しいことに挑戦する際には足かせになることもあります。

こうした状況を改善するためには、新しいアイデアがでたらすぐ形にしてみることです。形にすることでユーザーからフィードバックを受け、よりよいプロダクトにできるのです。

子供のような好奇心

次に大切なのは好奇心をもつことです。ビジネスというとどうしても堅苦しく考えがちですが、好奇心が赴くままにさまざまな分野を学ぶ、異なるユーザー層にインタビューを取ると思わぬ発見につながることもあります。

こうした好奇心が思わぬインスピレーションにつながることもあるのです。

共に悩んで共に創る

そして一番に大切なのはプロジェクトのメンバーが、共同体であるという意識を持つことです。リーダーとメンバー、社長と社員といった上下関係があると、コミュニケーションに隔たりが生じ、プロジェクトに支障をきたしてしまうこともあります。

しかしともに悩み、共に創るという行動を共にできれば、メンバーのモチベーションも上がり、よりよいプロダクトにつながっていくのです。

デザイン思考がもたらす未来とは?

モノとニーズが多様化・複雑化する現代においてデザイン思考は必須のスキルといえます。もちろん今後ユーザーの購買行動にさらに変化が訪れる可能性もありますが、デザイン思考があれば、どんな変化にも対応できることでしょう。