養命酒の販促キャンペーンで当たる「AI養命酒」
「AI養命酒」と聞いて、思わず気になってしまう人も多いのではないだろうか。実はこれ、薬用養命酒の販促キャンペ―ンである。抽選に応募すると最先端の養命酒グッズが当たる、と記載されている。
そもそも400年の歴史を持つ養命酒。その最先端グッズが当たるというのは違和感がある。しかしこの違和感こそが、「引っ掛かる広告」なのだろう。
AIと養命酒。まったくの異文化コラボレーションが、どんなものなのか?なぜAIなのか?その背景までも知りたいと思わせる演出がそこにはある。
同キャンペーンサイトでは、AI養命酒の動画を公開しており、思わず笑ってしまうようなAI養命酒とのやりとりがみられる。
出典:YouTube
「AI養命酒」の実際のスペックについて、同社キャンペーンサイトによると、以下のような記述がある。
●心臓部にはソニーのスピーカー内蔵ソニー スマートスピーカーLF-S50G
●360°サウンドでソニーならではの高音質設計でいい音が広がる
●手が濡れていても触れずにジェスチャーで操作
●Googleアシスタント搭載。音楽の再生やニュース・天気予報などの情報検索まで声で操作
また、さらなる特徴として以下の追記がされている。
【さらなる特徴】養命酒カバーを外すことで機能アップスピーカーの持つ魅力を100%発揮。密閉された状態から360°サウンドが広がるジェスチャー動作ができるようになる。無駄なデカさから解放され、コンパクトサイズに。
外して使うかどうかは、お好みということだろう。
養命酒酒造キャンペーンサイトより
広告の変わるもの、変わらないもの
ソーシャルメディアやモバイル利用率の高まりをうけ、マーケターたちは複雑な分析を迫られている。ユーザーが接触するメディアは、テレビや新聞が主だった時代は過ぎ、今やスマホやPCからオンラインで情報を得る人が主流だ。
ネット広告業界も市場規模を拡大している。電通の予測によれば、2018年はネット広告全体で1兆4,000億円を上回り、そのうちモバイル市場は1兆円を超えると予測している。
しかしメディアやユーザー行動が変わっても、人から愛される広告には、変わらないものがある。それは驚き、笑い、感動、好奇心、共感など「人の心にふれる、なにか」である。
単なる商品情報だけの広告にはないもの。
さまざまなメディアで無料で情報を得られる時代、待っていなくても勝手に情報が流れている時代。だからこそ、作りこみ「人の心にふれる、なにか」を残せる情報は強い。情報の付加価値といってもいいだろう。
AI養命酒は、笑いと少しの学びを私たちに与えてくれた。