スマホ普及で注目される「音声アシスタント」
スマートフォンの普及にともない、音声で操作できる「音声アシスタント」デバイスが注目を集めている。
この調査は、スマートフォンに搭載された音声アシスタントの利用について調査したもので、北海道、東京都、愛知県、大阪府、福岡県在住の20代~50代の男女200人を対象とした。音声アシスタントは、iPhoneなどiOS端末に搭載されている「Siri」と、Android端末に「Googleアシスタント」の二つを取り上げている。
以下で詳細を見ていく。
音声アシスタント利用経験者は42.7%
まず全員に、SiriまたはGoogleアシスタントの利用経験を聞いた。その結果、どちらか一方、または両方を利用したことがあると回答した人の合計は全体の42.7%だった。
出典:プレスリリース
SiriとGoogleアシスタントを比べると、「Siriだけ、利用したことがある」は約20%。Googleアシスタントは約13%と、Siriの利用者の方が多かった。
これについて同社では、総務省の平成29年版『情報通信白書』で「スマートフォンの世帯普及率は71.2%であり、日本はiPhoneシェア率が約70%としている」ことに言及し、Siri利用者がGoogleアシスタント利用者より多いという結果は予想どおりだとしている。
SiriとGoogleアシスタント、利用目的には大きな差が
次に音声アシスタント利用者に、音声アシスタントを日常的に利用しているかを聞いた。その結果、日常的に使用していると回答したのが、Siriが18%、Googleアシスタントが21.3%だった。
出典:プレスリリース
ここで注目されるのは、「最初は利用したが、だんだん使わなくなった」の結果だ。Googleアシスタントは14%にとどまったのに対し、Siriは20%もあった。性能や機能に大きな差はないとみられるなかで、このような結果となったのはなぜだろうか。
その答えは「利用目的の違い」にあるようだ。
音声アシスタント利用者に、「どんなときに音声アシスタントを利用しているか」聞いたところ、Siriの利用者は「検索・調べもの」が一番多かったものの、2位は「暇つぶし」だった。それ以下も「タイマー」「天気」など、用途にばらつきがあることがわかる。一方Googleアシスタント利用者は、ほかの項目よりも「検索・調べもの」が圧倒的に多い。
出典:プレスリリース
この結果から同社は、「検索といえばGoogle」という企業イメージがユーザーに定着しているためか、音声アシスタントの利用目的が明確だったのではないかと分析している。
「デバイスと会話」は当たり前に
音声デバイスと言えば、今もっとも注目されているはスマートスピーカーだろう。米国の調査会社Strategy Analyticsによると、2018年1月~3月のスマートスピーカーの世界出荷台数は940万台を突破したという。その成長スピードは1年前の約4倍という速さだ。
また富士経済は、日本国内のスマートスピーカーの市場は2025年度に165億円まで拡大すると予測している。これは、2017年度見込み比9.2倍に相当する。
「デバイスと会話」するのが当たり前な時代は、もうすぐそこに迫っているようだ。