キャッシュレス決済の縮図は激変する! PayPayが本気で1位を取りにきた

7月27日、ソフトバンクとヤフーの合弁会社であるPayPayが、インドのPaytmと連携し、今秋から新しいバーコード決済サービス「PayPay」をスタートすることを発表した。

キャッシュレス決済の縮図は激変する! PayPayが本気で1位を取りにきた

キャッシュレス化が進まない日本の現状

野村総合研究所の「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」によると、2016年の日本のキャッシュレス比率は19.8%であった。世界との比較でみると、韓国は96.4%、イギリス68.7%、アメリカは46.0%と差をつけられている。

また同調査では数値が出ていないが、中国は消費者の8割がスマホでの決済を利用しているともいわれており、日本の遅れは明らかである。

そんな中、政府はキャッシュレス決済比率を2025年までに40%、将来的に80%にすると目標を掲げた。2018年7月には、産官学からなる「キャッシュレス推進協議会」を発足させ、ようやく本腰を入れて動きだした形だ。

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ソフトバンク × ヤフー × インドPaytmのタッグ

そんな中、ヤフーはソフトバンクは2018年6月に合弁会社であるPayPayを設立。7月27日に、インドで3億人以上のユーザーを持つ「Paytm・ペイティーエム」を運営するOne97 Communications Limited と連携を発表した。

今秋から、バーコードやQRコード決済を利用した新しい決済サービス「PayPay」としてリリースする予定だ。

インド最大のデジタル決済「Paytm」とは

Paytmはインド最大のデジタル決済企業である。ソフトバンクは2017年5月に、単一の投資家による調達ラウンドではインド史上最大といわれる、14億円の投資を行っている。

インドで3億人以上のユーザーと800万のオフライン加盟店を持つ「Paytm」は、公共料金支払いや、授業料、映画チケット、旅行予約など幅広い決済で利用されているという。

Paytmには、ソフトバンク・ビジョン・ファンドのほか、SAIFパートナーズ、アリババ・グループ、アント・ファイナンシャルなどが投資をしている。

PayPayでは、このPaytmのテクノロジーを存分に活かす考えだいう。

PayPayは「低コスト」を武器に加盟店拡大を目指す

今秋からスタートする「PayPay」のサービス概要を紹介する。

ユーザーが利用する際は、まず「PayPay」専用アプリ、または「Yahoo! JAPAN」アプリが必要だ。

店舗で支払う際の方式としては、ユーザーがレジ付近にあるQRコードをアプリで読み取る方式と、ユーザーが提示したバーコードやQRコードをレジでスキャンする方式の2種類を想定している。

支払いは、クレジットカード、電子マネーの2種類から選択可能だという。

加盟店への普及を促進する狙いとして、店舗側が負担する決済手数料を開始から3年間は無料にするという。ユーザー読み取り方式では、店舗側はQRコードを店舗に掲示するだけなので、低コストでの導入可能。これは店舗にとってもメリットは大きい。

また、現在ヤフーが提供している「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済機能は今後提供を終了。「PayPay」とYahoo! JAPAN IDを連携させ、「Yahoo! JAPAN」アプリから「PayPay」の機能を利用できるようになるという。

スマホ決済NO.1へ本気の共闘、楽天、LINEにAmazonも参入で混戦

PayPayは、プレスリリースの中で、スマホ決済におけるユーザー数NO,1、加盟店数NO.1を目指すと宣言している。

現状のスマホ決済では、すでに楽天Payが一歩抜きに出ている。ECのみならず、2017年8月からローソンでの利用スタートを皮切りに、加盟店を伸ばしており、会員数8,700万人の楽天経済圏は今後さらに広がると予想されている。

また、グローバルの月間流通総額が約1,300億円を突破したというLINEPay。2018年の送金件数は前年比2.8倍、決済額は同2.5倍、QRコード決済は同11倍に増加したという。ただその多くがネットからの利用とも言われ、実店舗利用では遅れをとっている形だ。

さらにここにきて、AmazonPayも実店舗での利用を見据え、8月から日本で実証実験を進めると報じられている。

PayPayは、ヤフーがもつ「Yahoo!ウォレット」4,000万人の顧客基盤をもとに、ソフトバンクが持つ営業ノウハウを生かした加盟店を獲得していく戦略。そしてPaytmの技術を活用し、質の高いサービスで対抗できるか。

日本市場でキャッシュレス化が進まない今だからこそ、各社は本気で1位を取りに来ている。キャッシュレス決済市場の縮図は、間違いなくこの1年で激変するだろう。