プロジェクトが炎上する、たった一つの原因と解決策

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プロジェクトの炎上と聞いて情報システム系プロジェクトをイメージする人は多いだろう。実際、情報システムに関するプロジェクトは艱難辛苦というに値する難しさがある。どのようにマネジメントすべきかを解くテキストは世にあふれているが、「なぜ困難なのか」という回答に出会うことは少ない。プロジェクトの成否とは、実は、最終的な責任者である「プロジェクトオーナー」の資質にかかっているのである。

プロジェクトを炎上させないために持つべき解決策とは

細部にタッチすることなく、全体に影響を与える意思決定をする、プロジェクトオーナーは、まさしく大局観が求められる役割である。

営業に強い人、技術に強い人、コンプライアンスに強い人、さまざまなバックグラウンドはあるにせよ、すべてはカバーできない。またプロジェクトオーナーは、開発が遅れているからといって、代わりにプログラミングをするわけではない。

ではプロジェクトオーナーは何をするべきなのだろうか?

それは洞察するということだ。

全知全能の神ならぬ人の身にあって、プロジェクトオーナーが真に担うべき役割は、3つの要素に分解して考えることを推奨したい。

(1)作ろうとしているものの中身について深く理解する
(2)作る人の得意不得意について知る
(3)その情報システムを活用・運営する事業の未来について考える

機能と要件のギャップ、期待と現実のギャップ、計画と実行のギャップ…プロジェクトにおいては、ありとあらゆる場面にギャップが発生する。そこで大事なのは、理想と現実の間のフィット&ギャップだ。これはかけ離れ過ぎてもいけないし、かといって現実の追認に終わってもいけない。

プロジェクトが炎上するのは、プロジェクトオーナーがこれらについて考える努力を放棄し、「あなたがやれるといったから任せたんだ」「細かいことを理解するのは私の仕事ではないから、とにかく結果を出してくれ」という姿勢になるからである。

何かしらの矛盾が表面化したときに、こうした発言をするのは、問題を解決するというよりは、より難しくしてしまうものである。

もちろん、プロジェクトマネージャーやプロジェクトメンバーの無能や怠慢、無責任による問題もたくさんある。しかし残念ながら、それらは上に立つ人間が他罰的に捉えたからといって、それで改善することはないのもまたよく知られた経験的事実だ。

プロジェクトオーナーという立場上、面と向かってプロジェクトオーナーとしての資質の不足を指摘される機会は全くもって皆無に等しい。

筆者の実感としては、善意で良かれと思ってのことが、裏目に出てしまっているだけ、というふうに見えることも多い。「王様は裸だ」という発言はしづらいものだが、意外とプロジェクトオーナー自身がそれを待っているというときもある。

プロジェクトオーナーの役割を持つひとは、その職責の重さにもかかわらず、ノウハウもヒントにも乏しいことがある。「果報が寝耳に水現象」を感知した場合には、まず一度、この三原則によって振り返って見られることをお薦めしたい。

これを即答できなかったとしたらプロジェクトオーナーとしてのあなたは、かなりマズイ状態だと思って間違いない。