普及期に入ったスマートスピーカー 「宿題の調べもの」に使うスマスピ・ネイティブたち

米国ではスマートスピーカーの普及率が18%に達し、当たり前の情報機器になりつつある。その可能性はまだ引き出し切れていないらしいが、子どもたちは宿題の調べものに使うなど、当然のように活用していた。スマートスピーカー導入の機は熟した。

普及期に入ったスマートスピーカー  「宿題の調べもの」に使うスマスピ・ネイティブたち

スマートスピーカーは当たり前の情報機器に

米国の公共ラジオ局ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)などが18歳以上の人を対象に調べたところ、スマートスピーカーの所有率は18%に達し、米国では約4300万人が使っている計算になるという。比較的新しいITデバイスなので所有者の多くは若い人と男性だと予想したが、以下のように、年代や性別に大きな偏りは見られなかった。

年代別の所有率
18歳から24歳:15%
25歳から34歳:18%
35歳から44歳:21%
45歳から54歳:24%
55歳以上:22%

男女別の所有率
男:46%
女:54%

出典:NPR / The Smart Audio Report, Spring 2018

出典:NPR / The Smart Audio Report, Spring 2018

また、調査会社カナリスは全世界で使われるスマートスピーカーの台数が、2018年末に1億台以上となり、2020年には2億台を、2022年には3億台をそれぞれ余裕で上回る、と予想した。

出典:Canalys / Smart speaker installed base to hit 100 million by end of 2018

このデータから、アマゾンの「Amazon Echo」やグーグルの「Google Home」に代表されるスマートスピーカーは、どこの家庭でも見かける当たり前の情報機器になりつつある、と解釈してよいだろう。そして、今後もスマートスピーカーの勢いは止まらないと見られている。

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いったい何に使っているのか?

音声コマンドで操作するスマートスピーカーは、どのような使われ方をしているのだろうか。スマートスピーカーのユーザーに一般的な消費者が増えたことで、新し物好きやガジェット・マニアに限定されない幅広い意見が聞けるようになったはずだ。

そこで、NPRの調査結果に加え、PR会社のウォーカー・サンズ・コミュニケーションズが先ごろ公表した調査レポートを参照し、スマートスピーカーの利用状況などを見ていこう。

半数が「調べもの」をする

スマートスピーカーの用途を複数回答で選んでもらったところ、18歳以上の米国ユーザーに多かった回答は「音楽を聴く」(57%)、「調べものをする」(48%)、「時刻を確認する」(38%)、「買い物リストを作る」(27%)となった。5番目に多かった回答は「ジョークを話してもらう」(25%)だが、「スマート・ホームとの連携」(19%)よりも上位に入ったことから、ウォーカー・サンズは「消費者はスマートスピーカーの可能性をまだ引き出し切れてない」と指摘した。

回答の概要は以下のとおり。

スマートスピーカーの用途
・音楽を聴く:57%
・調べものをする:48%
・時刻を確認する:38%
・買い物リストを作る:27%
・ジョークを話してもらう:25%
・ToDoリストの管理:23%
・交通情報の確認:22%
・アマゾンで買い物をする:20%
・クイズで遊ぶ:20%
・スマート照明を操作する:20%
・その他:5%

出典:Walker Sands Communications / The Future of Retail 2018

風呂やトイレでも活用

ウォーカー・サンズは、スマートスピーカーが家庭のどの場所で使われているかも調べた。それによると、「リビング」が57%でもっとも多く、以下「台所」の33%、「主寝室」の27%が続いた。「すべての寝室」という回答も14%あった。米国で行われた調査なので風呂場とトイレが区別されていないのだが、「バスルーム」に置いている人も14%いた。

回答の概要は以下のとおり。

スマートスピーカーの置き場所
・リビング:57%
・台所:33%
・主寝室:27%
・すべての寝室:14%
・バスルーム:14%
・娯楽室:11%
・その他:3%

出典:Walker Sands Communications / The Future of Retail 2018

そして、ハンズフリーでさまざまな操作ができるスマートスピーカーの利便性を実感したユーザーは、リビングや台所など以外でも音声操作をしたいと感じるようになったらしい。

具体的には、「自動車のなかで」(41%)、「テレビに対して」(38%)、「シャワー中に」(19%)、「トイレのなかで」(13%)音声コマンドを使いたい、という結果が得られた。消費者のこうした要望をくみ取ることで、防水性を備えるスマートスピーカーや音声コマンドに反応する便座といった製品が登場するかもしれない。

4割が2台持ち

入手したスマートスピーカーを気に入り、2台目、3台目と増やしていく人が少なくない。ウォーカー・サンズの調査では、2台持つ人は39%おり、4台以上の人も7%いた。

台数を増やす際は使い道も明確になるようで、NPRの調査によると、買い増しの目的として以下のような項目が選ばれた。

スマートスピーカーを買い増す目的
・家電や照明を制御できる部屋を増やしたい:65%
・音楽の聴ける部屋を増やしたい:60%
・種類の違うスマートスピーカーを試したい:58%
・インターホンとして使いたい:57%
・ホームセキュリティとして使いたい:49%
・子ども向けエンターテインメント機器として使える部屋を増やしたい:41%

出典:NPR / The Smart Audio Report, Spring 2018

スマスピ・ネイティブ世代は「宿題」に使う

スマートスピーカーを子どもに使わせたい、という考えの所有者が4割もいるので、子どもに着目した調査結果をピックアップしよう。

NPRによると、スマートスピーカー所有者のうち子どもに使わせている人の割合は、73%だった。そして、子どもたちは以下のような用途に使っていた。この結果から、スマートスピーカーを当然のように活用する子どもたちの姿が浮かび上がる。

子どもがスマートスピーカーを使う目的
・音楽を聴く:55%
・調べものをする:44%
・ジョークを話してもらう:40%
・ゲームで遊ぶ:28%
・宿題に使う:25%
・タイマーやアラームをセットする:25%
・照明や家電品を操作する:14%
・インターホンとして使う:10%
・物語やオーディオブックを再生する:10%
・外出中の家族に連絡する:9%
・ポッドキャストを再生する:5%

出典:NPR / The Smart Audio Report, Spring 2018

出典:NPR / The Smart Audio Report, Spring 2018

PCやインターネット、スマートフォンなどのICTが段階的に進む過程で、物心ついたときからこの種の技術に慣れ親しんで使いこなす世代は、デジタル・ネイティブやインターネット・ネイティブ、スマートフォン・ネイティブと称されてきた。スマートスピーカーを宿題の調べものに使う子どもたちは、近い将来スマートスピーカー・ネイティブ世代と呼ばれるだろう。

アップル「HomePod」がAmazon Echoを超える?

スマートスピーカーの利用者は増え、幅も広がってきた。メーカーもこのチャンスを逃すまいと新機種の投入、機能強化、低価格化などの手を次々と打ち出している。

米国の調査会社コンシューマー・インテリジェンス・リサーチ・パートナーズ(CIRP)が発表した最新レポートによると、6月30日の時点で米国では5,000万台のスマートスピーカーが使われていたという。そして、デバイス別のシェアは、アマゾンの「Amazon Echo」が70%、グーグルの「Google Home」が24%、アップルが2018年2月に発売したばかりの「HomePod」が6%だった。

出典:CIRP / HomePod Grabs a Little Share

アマゾンとグーグルは低価格モデルを用意し、分厚いプロモーション活動を以前から展開してきた。これに対し、発売から半年も経過していないうえ、価格設定の高い1モデルしか販売していないアップルだが、すでにシェア6%という存在感を示した。確固たるエコシステムを構築していてファンの多いアップルが、製品体系を拡充し、手の届きやすいモデルを追加するなどしたら、グーグルどころかアマゾンの立場を脅かす可能性もある。

メーカーが競争してくれると、消費者としてはありがたい。また、市場が盛り上がれば、スマートスピーカー向けアプリ「スキル」の開発も盛んになり、さらに便利なツールとして成長していくだろう。スマートスピーカー導入の機は熟した。

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