ふるさと納税に確定申告は必要か?対象者と申請方法・ワンストップ特例制度との違い

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ふるさと納税に確定申告は必要?ふるさと納税により自治体に寄附をすると所得税の還付や住民税から控除を受けられます。この記事ではふるさと納税をしたときの確定申告の必要書類、手順、ワンストップ特例制度などについて説明します。
ふるさと納税に確定申告は必要か?対象者と申請方法・ワンストップ特例制度との違い

高まるふるさと納税の人気

ふるさと納税は地方自治体に寄附をすることで、所得税や住民税の控除を受けながら、その土地の名産品を受け取れる制度です。年々その人気は高まっています。

選ばれるふるさと納税

ふるさと納税はそのお得さから年々普及しています。総務省の調査によると平成20年度のふるさと納税受入件数は約5.4万件、受入額は約81.4億円でした。しかし毎年その規模は拡大し続け、特に平成25年度以降は急速に拡大しています。

平成25年度に受け入れ件数は約42.7万件、受け入れ額は約145.6億円だったのが、平成26年には一気に約191.3万件、約388.5億円まで規模が拡大して、平成28年度には約1,271.1万件、2,844.1億円まで急拡大しています。

被災地支援に役立てられる

ふるさと納税はただ返礼品目的で行われるだけではなく、被災地支援に役立てられることもあります。

たとえば、毎日新聞の報道によると2018年7月に西日本を襲った豪雨被害に対して7月23日までに、約6万1,000件、総額10億3,000万円を超える申し込みがあったと発表されています。

寄附金が住民税や所得税から控除されますし、手続きが簡単な場合もあり手軽に寄附できます。だからふるさと納税は、被災地支援に利用しやすいのです。

ふるさと納税に確定申告は必要か

ふるさと納税は手軽です。しかし、そもそも住民税や所得税から控除を受けようとすれば確定申告が必要なはずです。ふるさと納税と確定申告の関係について説明します。

そもそも確定申告とは

確定申告とは1年間に得た所得を報告して、それにかかる税金を算出、納税する手続きです。会社員の場合は、会社が代わりに所得の申告をしてくれるので確定申告を行う必要ありません。

ただし、会社はふるさと納税を行ったことを申告してくれません。ふるさと納税の寄附金に対して所得税や住民税から控除を受けたいなら、会社員でも自分で確定申告を行わなければならない場合があります。

確定申告の対象者

では、確定申告はどのような方が申請しなければならないのでしょうか。

まず、元々確定申告が必要な方がいます。たとえば、個人事業主は事業で得た所得を1年に1回確定申告する必要があります。同様に、給与所得が2,000万円を超えていたり、一定以上の給与以外の所得があったり、複数の会社から一定金額以上の給与所得を受けていれば、確定申告を行う必要があります。

また、所得控除をしても残額が残るほど、公的年金などをもらっている方も確定申告を行う必要があります。さらに、退職所得は基本的に源泉徴収されますが、外国企業から受け取った退職金などは源泉徴収されていないケースがあるので、自分で申告する必要があります。

高額な医療費や住宅ローンに関する税金の還付・控除が受けられる方も、確定申告したほうが良いです。確定申告により、払った税金が戻ってくる可能性があるからです。

1年間に5団体までのふるさと納税を申し込んだ場合は、確定申告の代わりにワンストップ特例という制度を利用し、控除が受けられます。しかし6団体以上に申し込んだ場合は、自分で確定申告を行う必要があります。

ワンストップ特例制度とは

ワンストップ特例制度を使ってふるさと納税をする場合には、確定申告を行う必要がありません。このワンストップ特例制度について詳しく説明します。

通常ふるさと納税を行う際には、所得税や住民税の控除を受けるために確定申告が必要です。けれどワンストップ特例制度を利用すれば、ふるさと納税先と本来の納税先の自治体が情報共有し、確定申告しなくとも住民税から税額控除を受けられます。

通常のふるさと納税では所得税、住民税から控除が受けられます。しかしワンストップ特例制度の場合は、所得税からの控除は無く住民税からの控除となりますので注意してください。

ワンストップ特例制度の対象者

ワンストップ特例制度は便利な制度ですが、誰でも利用できるわけではありません。利用にあたって2つの条件があります。

1つ目の条件は元から確定申告を行う必要が無いことです。個人事業主などはふるさと納税を利用しても、しなくてもどちらにせよ確定申告を行う必要があります。

2つ目の条件はふるさと納税を行った自治体が5団体以下であることです。1つの団体に複数回ふるさと納税を行ってもかまいませんが、6団体以上にふるさと納税を行えばワンストップ特例制度の対象外となります。

ふるさと納税の確定申告方法

では、ふるさと納税により確定申告をしなければならない場合、どのように申請すれば良いのか、必要書類や手順、期日などについて説明します。

必要書類

まず、確定申告を行う前に必要な書類を用意する必要があります。

必要なのは以下の5点です。

  • 寄附受領証明書
  • ふるさと納税をした年の源泉徴収票
  • 銀行口座番号
  • 印鑑
  • マイナンバーカード

マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーがわかる通知カードと住民票、また運転免許証や健康保険証などの身分確認書類が必要となります。

手順

では、ふるさと納税の確定申告を行う手順について説明します。

まずふるさと納税を行うと、寄附先の自治体から寄附金受領証明書が送られてきますので、捨てずに保存しておいてください。また勤務先の会社からもらう源泉徴収票も捨てずにきちんと保管しておいてください。

寄附金受領証明書や源泉徴収票を保管しておき、確定申告の時期に必要な書類を作成します。

確定申告の申請書類は、国税庁のホームページからダウンロードできます。必要事項を記入したうえで、源泉徴収票や寄附受領証明書などを添えて税務署に提出します。

書類は税務署に直接持参し、提出できます。税務署で提出すると申し込みの控えがもらえますし、適宜わからないことがあれば相談できます。ただし、確定申告の時期の税務署は混んでいるので時間がかかるので注意してください。

申告に時間をかけたくないという場合は、窓口ではなく確定申告書の提出箱に投函する方法、あるいは税務署に郵送する方法があります。この方法で提出すると、控えをもらったり相談したりはできませんが、時間をかけずに書類を提出できます。

また、すべての手続きをインターネットで行うことも可能です。国税庁のe-TAXという電子申告サービスを利用すれば、税務署に行ったり郵送したりしなくても確定申告の手続きが可能です。

期日

毎年、2月16日〜3月15日までが提出期間です。郵送する場合は、消印が提出日となります。申告が遅れると、所得税や住民税額の決定が遅れることもあります。

ただし、この期限に遅れても、後から申告して還付申告を行えば、ふるさと納税の分の金額が還付される可能性があります。しかしイレギュラーな方法なのであまり使わない方が良いでしょう。

確定申告で還付・控除されるお金とは

では、確定申告を行うとどのような税金から還付・控除が受けられるのかについて少し詳しく説明します。

所得税の還付・住民税の控除

ふるさと納税の確定申告を行うと、所得税の還付、住民税の控除を受けられます。つまり所得税は余分に払っていた所得税が払い戻しとなり、住民税は翌年度に支払う住民税が少し安くなります。

ちなみに、住民税はふるさと納税による基本分、特例分という2段階の控除を受けることが可能です。確定申告をせずにワンストップ特例制度を利用する場合は、所得税の還付はなく、すべて住民税からの控除になります。

控除額

では、具体的にどの位控除されるのかについて説明します。

まず、以下の方法で所得税の控除は決定されます。

所得税からの控除金額=(ふるさと納税の寄附額-2,000円)×(所得税率)

サラリーマンの場合は、基本的に会社が所得税を代わりに支払っています。そのため、この金額が還付を受けられる金額となります。所得税率は法律によって定められており、所得が増えるほど税率も高くなります。ふるさと納税の寄付額のうち2,000円分は控除の対象となりません。

続いて住民税の控除金額は以下のように計算できます。

住民税からの控除額(基本分)=(ふるさと納税寄付額-2,000円)×(10%)

所得税と住民税の控除を足しても、まだふるさと納税の(寄附金額―2,000円)に足りない場合があります。それを調整するのが住民税の控除の特例分です。その金額は、以下の式で算出します。

住民税からの控除額(特例分)=(ふるさと納税寄付額-2,000円)-(所得税控除)―(住民税基本分の控除)

確定申告が必要な方はお忘れなく

ワンストップ特例制度ではなく確定申告によって控除を受ける場合は、手順や控除額をきちんと理解しましょう。そのうえで、確定申告期間内に控除を受けられるよう、きちんと申請手続きを行う必要があります。