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ワイヤレス充電とは
近年、スマートフォンなどの携帯端末を充電する新しい方法として「ワイヤレス充電」が注目を集めています。ワイヤレス充電はAndoroid端末が主流で、iPhone端末にはなかなか対応しませんでした。しかし2017年、iPhoneにも導入されました。
本記事では、ワイヤレス充電の基本的な仕組みの解説から、利用するメリットやデメリット、そしておすすめワイヤレス充電器の紹介をします。
ワイヤレス充電の変遷
ワイヤレス充電は、主にシェーバーなどの充電に使われていました。それが携帯電話やスマートフォンに広がりはじめ、特にAndoroidには2011年ごろからワイヤレス充電規格「Qi(チー)」に対応した端末が登場しています。
それから数千を超えるさまざまな飲食店やコンビニなどの店舗にワイヤレス充電スポットが設置され、主にAndoroid端末の利用者に重宝されていました。
そして最近、iPhone端末にもワイヤレス充電が利用可能になり、今後ますますユーザー数が伸びることが予想されます。
ワイヤレス充電「2つの規格」
携帯端末のワイヤレス充電は主に「Qi(チー)」と「Pi(パイ)」という2つの規格が有名です。それぞれ簡単に説明しておきましょう。
国際標準規格「Qi」
「Qi(チー)」はワイヤレス充電の国際標準規格です。Wireless Power Consortiumによって策定された規格であり、この表示がされた充電器と携帯端末には互換性があるので、専用の充電器をわざわざ用意することなく充電可能です。
iPhone端末にも「Qi」に対応した機器が登場しはじめ、充電パッドに載せるだけでメーカー、キャリアの異なる端末でも充電ができます。
近づけるだけで充電できる「Pi」
「Pi(パイ)」は、30cm以内であれば充電用のパッドに置かずとも充電可能という画期的なものです。マサチューセッツ工科大の卒業生によるベンチャー企業が開発したワイヤレス充電器の規格です。
上述の「Qi」に代わる「真のワイヤレス充電」と豪語しており、円錐型の充電ポイントの半径30センチ以内に携帯危機を置くだけで4台同時にスピード充電が可能です。その利便性から、今後さまざまな場所での利用が広がっていくでしょう。
ワイヤレス充電の仕組み
ワイヤレス充電の概要を説明したところで、その仕組みについて掘り下げてみましょう。
「電磁誘導方式」が普及
ワイヤレス充電の方法として、理論上は電磁誘導方式、電波受信方式、磁界共鳴方式の3つの方式が提唱されていますが、現在実用化に至っているのは電磁誘導による方法のみです。
電磁誘導方式は、充電パッドから携帯端末へと電磁誘導によってエネルギーを伝送するというものです。2つの離れたコイルの一方に電流を流すことでその場の磁界の強さと方向を変化させ、それをもう一方のコイルに誘導して充電するという仕組みです。
充電パッドと携帯機器はそれぞれコイルをもっており、送信元であるパッドの方からエネルギーを携帯端末に伝送します。この電磁誘導方式を活用したワイヤレス充電装置の進化が進んでおり、エリア内に端末を置くと充電できる充電パッドも登場しています。
ワイヤレス充電のメリット・デメリット
続いて、ワイヤレス充電のメリットとデメリットについて説明します。
ワイヤレス充電のメリット
ワイヤレス充電を利用するメリットは次のとおりです。
- ケーブルの持ち運びが不要
- ケーブルの配線が不要
- ケーブルが破損する恐れなし
ワイヤレス充電のメリットは、ケーブルを持ち運ぶ必要がなくなることです。ワイヤレス充電が導入されると、電源ケーブルの抜き差しや配線が不要になります。さらに、意識に充電することが可能になり、ユーザーの利便性が格段に上がります。
充電用のケーブルが不要なため、わざわざ外出先に持って行ったり、コンセントを探したりする必要がなくなります。また、ケーブルが破損する心配もありません。また、ワイヤレス充電により、コードの断線やコネクタの劣化の可能性がなくなるため、メンテナンスの必要もなくなります。
ワイヤレス充電のデメリット
ワイヤレス充電のデメリットは、充電中は端末自体を使えないケースがあることや、有線による充電に比べると充電時間がかかってしまうこと、デバイスと充電器の位置の調整が難しいことなどです。
特に、従来のケーブル式充電と比べると、充電器(充電スポット)から端末を離せない点はユーザーのストレスになる可能性があります。充電可能な距離が限られているワイヤレスの場合、少しでもスポットから外れてしまうと充電ができません。
2020年には「そこにいるだけ」で充電できる
さらに政府は、2020年を目途に室内にいるだけで充電できる「長距離無線充電」制度の実用化を目指しているといいます。現在、パナソニックや東芝などが長距離ワイヤレス充電の世界初の実用化に取り組んでいます。
ワイヤレスによる電力の伝送は「近接結合型」と「空間伝送型」に大別され、近接結合型はこれまで説明してきたようなスマートフォンなどの携帯電話や電気自動車の充電のためにすでに実用化されています。
一方、空間伝送型のワイヤレス伝送は、空中線を用いてマイクロ波などの電波を輻射して電力を伝送するもので、アンテナから数メートル~数キロメートル離れていても、充電機器に電力を供給できます。電波を長距離に飛ばすため、総務省は設置業者に対して電波法や省令による規制をかける方針のようです。
おすすめワイヤレス充電器3選
最後におすすめのワイヤレス充電器を3点ほど紹介します。今後さらに家庭用のワイヤレス充電機器が充実すると予想されるので、今のうちにチェックしておきましょう。
Anker「PowerPort Qi 10」
充電機器・バッテリー機器で有名なAnker(アンカー)のワイヤレス充電器です。
非常に薄型で平置きできるのが特徴で、有名ブランドの製品だけあって安定した充電が可能。最大10Wで充電でき、価格も3,000円前後と非常にリーズナブルです。特に充電機器を持ち歩きたい人におすすめです。製品の正式名称は「Power Port Wireless 10」です。
NANAMI「Quick Charge 2.0」
NANAMIはスタンド型のワイヤレス充電器のベストセラーブランド。特にQuick Charge 2.0は置いておくだけで急速充電が可能で、2コイル式で充電面積が広いため横置きでも充電できるのが特徴です。スタイリッシュなデザインも人気で、保証期間が18か月と長いのも魅力です。
CHOETECH「Qi ワイヤレス充電器」
ワイヤレス充電器を多く販売しているCHOETECH(チョーテック)の製品です。3コイル式で広い範囲で充電でき、チャージポジションに合わせる必要がありません。過電流保護や過電圧保護、温度調整機能がついているためバッテリーに負担をかけずに充電できるのも特徴です。価格も2,000円前後とリーズナブル。
普及が進むワイヤレス充電
近年、普及が進んでいるスマートフォンなどの携帯端末のワイヤレス充電について、基本的な仕組みやメリット、おすすめの充電器の紹介をしてきました。
これまでAndoroid端末が主流だったワイヤレス充電器ですが、Appleがワイヤレス充電に対応しはじめたことによりiPhoneでも使えるようになります。今後、さらなる普及が予想されます。
また、既存のQi(チー)に加えPi(パイ)という新しいワイヤレス充電の形が誕生し、さらに政府が「長距離無線充電」制度の実用化を目指しているなど、今後ますますワイヤレス技術の進化とともに新しい製品やサービスが登場すると考えられます。
この機会に家庭でもワイヤレス充電器を導入し、その利便性を感じてみてはいかがでしょうか。
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