プルダウンは誤入力を防止できたり、形式を統一できたりするので、大人数での作業で大活躍します。しかし、いざ作成しようとすると「どうやって作るんだっけ…」となる場合も。
そんな「エクセル」や「Googleスプレッドシート」のプルダウンリスト作成方法を、基本編では2種類、応用編では複数プルダウンの連動や、選択肢による背景色の変更などのテクニックあわせて紹介します。
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スプレッドシートのプルダウンリストの作り方
スプレッドシートでプルダウンリストを作成する基本的な方法について説明します。プルダウンリストの追加には「データの入力規則」を使用します。
セルの「▼」をクリックすると、選択肢が表示され、選択肢をクリックすれば、選んだ文字を入力できます。
プルダウンのリストを直接作成する方法
プルダウンでは選択肢のリストを別で作成しておく方法と、選択肢を直接指定する方法があります。まずは選択肢を直接入力し、指定する方法を解説していきます。
2. 条件で「リストを直接指定」
3. 選択肢を入力して「保存」
1. 範囲を選んで「データの入力規則」
2. 条件で「リストを直接指定」
3. 選択肢を入力して「保存」
選択肢と選択肢の間は「,(カンマ)」でつなぎましょう。
プルダウンのショートカットのやり方
選択肢のあるセルに青い四角を合わせて、Enterを押すと選択肢が表示されます。そのあと、上下キーで選択肢を選び、もう一回Enterを押すと、セルに入力されます。
マウスでの操作とあわせて、早い方を適宜選べるといいですね。
プルダウンのリストを範囲ごと指定する方法
次に、事前にプルダウンのリストを準備してその範囲内にある単語を選択肢にする方法を解説します。
2. 範囲を選んで「データの入力規則」
3. 条件で「リストを範囲で指定(デフォルト)」をして「保存」
1.リストを作成
空欄は反映されないので注意してください。選択肢に用いるリストの作成場所は別シートでも可能です。
2. 範囲を選んで「データの入力規則」
3. 条件で「リストを範囲で指定(デフォルト)」をして「保存」
条件で「リストを範囲で指定」を選びますが、最初から選択されています。その右欄は、用意したリストのが入力されている範囲になっていればOKです。右の四角がたくさんあるマークを押すと、範囲をマウスで指定できます。
プルダウン削除方法
解除したいセルを選択して「データの入力規則」を選びます。「入力規則を削除」を押せば、解除されます。
選択肢以外の入力を拒否する方法
2. 無効なデータの場合にて「入力を拒否」して「保存」
デフォルトの設定では、警告が表示されるだけで入力はできます。これを入力ができない状態ように変更できます。
1. 範囲を選んで「データの入力規則」
2. 無効なデータの場合に「入力を拒否」して「保存」
これで文字入力を誤った際に、アラートが出て入力自体をキャンセルされます。
「未入力」という選択肢を作る方法
未入力だと認識させる選択肢があると便利なケースもあります。たとえば、空欄セルがあったときに、エラーを通知するシステムでは、未着手でも何かしらの文字を入力しなくてはいけません。
この記事では未着手の状態を「-」としますが、「未入力」や「未着手」など、自分のシートにあわせてうまく文字を変えてください。やり方は、選択肢として「-」を作るだけです。
スプレッドシートのプルダウンリスト【応用編】
スプレッドシートでプルダウンを利用するだけなら基本編で紹介した内容だけで十分活用できます。
しかし、さらなる効率化やわかりやすさを追求するのであれば、プルダウンの選択と連動して色をつけるなど、ちょっとしたテクニックを覚えておくと便利です。
スプレッドシートでは、文字に対応させて背景色を変更できます。「作業中」と入力したら赤、「完了」と入力したらグレーという設定にもできます。
背景色を変更すれば直感的に認識できるのでおすすめです。以下ではセルの一部に色付けする方法と、行全体に色付けする方法を解説していきます。
プルダウンと連動して一部のセルに色付け
2. セルの書式設定の条件「完全一致するテキスト」
3. 書式設定のスタイルで色を選択し、「完了」
1. 範囲を選んで「条件付き書式」
先ほどまでは、「データの入力規則」を選択していましたが、色付けでは「条件付き書式」を選択します。
2. セルの書式設定の条件を「完全一致するテキスト」に
この条件は、必ずしも「完全一致するテキスト」でなくてもかまいません。入力していないセルを色付けしたいなら「空白セル」を選び、「xxxx中」と入力されたセルを強調したいなら「次で終わるテキスト」を選ぶと良いでしょう。
3. 書式設定のスタイルで色を選択し、「完了」
最後に「書式設定のスタイル」で強調の方法を選択しましょう。背景色や文字の色だけでなく、以下の4つのスタイルも設定できます。
- B:太字
- I:斜体
- U:下線
S:打ち消し線
プルダウンと連動して行全体に色付け
2. セルの書式設定の条件「カスタム数式」
3. 書式設定のスタイルで色を選択し「完了」
1. 範囲を選んで「条件付き書式」
2. セルの書式設定の条件「カスタム数式」
デフォルトで「空白ではないセル」になっていますが、これを「カスタム数式」にしてください。
3.書式設定のスタイルで色を選択し「完了」
カスタム数式の下欄に、下の式を入力します。
この数式を簡単に解説します。B1セルが「赤」なら、指定した範囲(A1:B1000)の1行目(A1:B1)を赤色にします。続いて、B2セルが「赤」なら、2行目を赤色にします。というように、それぞれの背景色を行ごとに変更します。
赤→赤色、緑→緑色、黄→黄色に強調させると、以下のようになります。複数の色を選ぶ場合は、それぞれ設定します。
プルダウンの連動
プルダウンの連動では、二つ以上のプルダウンを組み合わせます。
たとえば、住所をプルダウンで選ばせるのに使用します。プルダウンの一つ目で都道府県を選ばせ、二つ目で市町村を選ばせます。このとき、各プルダウンが独立していると、二つ目のプルダウンで、47都道府県すべての市町村がリストアップされます。
しかし、プルダウンが連動されていると、都道府県を選べば、その地域の市町村だけに選択肢を絞れます。北海道を選択したら、札幌市や函館市だけが選択肢に表示されるといった具合です。
この設定は少し面倒なので、丁寧に解説します。まず、連動の全体図は以下のとおりです。連動させたいプルダウンを「表(赤)」、連動に必要な設定を「リスト(青と緑)」のシートで管理しています。
2. 「回答」に「データの入力規則」で、選択肢作成(赤)
3. 「リスト」の下方で「回答」と連動(緑)
4. 「回答」に「データの入力規則」で連動した選択肢作成(赤)
1.「リスト」に選択肢の項目を作成(青)
プルダウンの選択肢を、表にします。一番左のA列(野菜、果物、デザートなど)がプルダウン一つ目の選択肢に、以降のB,C,D…列(にんじん、レタス、りんごなど)がプルダウン二つ目の選択肢になります。
一つ目で「野菜」を選んだら、二つ目で「にんじん、レタス、トマト」が選択肢に表示されるプルダウンを目標とします。
2.「回答」に「データの入力規則」で、選択肢作成(赤)
「回答」で一つ目のプルダウンを作成します。
セル範囲は、プルダウンを作成したい範囲を、条件は、「リストを範囲で指定」より「リスト」の1列目を指定します。
条件の空欄は、右にあるマス目マークをクリックすると、マウス操作でセルを指定できます。
うまく設定できると、一つ目のプルダウンが完成します。
3.「リスト」の下方で「回答」と連動(緑)
青表の下に、緑表を新たに作成します。
作成したら、まず「回答」のプルダウンと連動させます。「'xxxxx'!」(xxxxxはシート名)のように記入すると他シートのセルを参照できます。
上のように一つのセルに入力したら、オートフィルで下まで入力しましょう。
次に、B9のセルに、次のように入力します。
式自体がなかなか複雑なので、コピペを推奨します。これを入力できたら、オートフィルを2回使ってB9:E18まで、同様の数式を入力しましょう。
ここまでできると、「回答」で選んだカテゴリが、緑表に反映されます。
4.「回答」に「データの入力規則」で連動した選択肢作成(赤)
「回答」に二つ目のプルダウンを作成します。プルダウンを作成したい場所を選択して、「データの入力規則」を選びます。
セル範囲はこのようになっているはずです。
続いて、条件を設定します。条件は、この行では緑表の1行目('リスト'!B9:E9)とします。これを二つ目のプルダウンすべてのセルで行います。
なお、オートフィルは使用できません。「データの入力規則」は、オートフィルを利用すると、全く同じ値をコピーします。そのため、一つのセルに対して「データの入力規則」を毎回設定します。
今回の場合は以下のように設定します。
- 「回答」のB2→'リスト'!B9:E9
- 「回答」のB3→'リスト'!B10:E10
- 「回答」のB4→'リスト'!B11:E11
- 「回答」のB5→'リスト'!B12:E12
- 「回答」のB6→'リスト'!B13:E13
- 「回答」のB7→'リスト'!B14:E14
- 「回答」のB8→'リスト'!B15:E15
- 「回答」のB9→'リスト'!B16:E16
- 「回答」のB10→'リスト'!B17:E17
- 「回答」のB11→'リスト'!B18:E18
これでついにデータの連動が完成です。
チェックボックス
2. 条件で「チェックボックス」を選び「保存」
1. 範囲を選んで「データの入力規則」
今までと同様です。
2. 条件で「チェックボックス」を選び「保存」
条件を「チェックボックス」にします。これだけで完成です。
完成すると、ボックスが表れます。
マウスをボックスに持っていき、クリックするとチェックされた状態に変化します。
このチェックボックスは、空欄がFALSE、マーク済がTRUEになっているので、IF関数などに応用可能です。
スプレッドシートのプルダウンで快適入力
プルダウンを活用できれば、パソコンが苦手な方やミスの多い方でも、不安なく作業をお願いできます。色をつけたり、連動させたりすれば、さらにわかりやすく選べるようになるので、ぜひ活用してください。