投資家も注目「大学発ベンチャー表彰2018」AIや銅ペースト開発など受賞

経産省と文部科学省は8月10日、「大学発ベンチャー表彰2018~Award for Academic Startups~」の受賞者を発表した。独自のAIアルゴリズムを開発した岩手大学発のAISing(エイシング)や、東北大学発のマテリアル・コンセプトなど、今後の活躍が期待される7ベンチャーが選出された。

投資家も注目「大学発ベンチャー表彰2018」AIや銅ペースト開発など受賞

大学発ベンチャー表彰とは

「大学発ベンチャー表彰~Award for Academic Startups~」は、経産省と文科省が共同で、平成26年度から開始した表彰制度だ。

大学などでの研究成果を活用し起業したベンチャーが対象で、中でも今後の活躍が期待される企業について、有識者などが選定、表彰するもの。表彰により、大学からのベンチャー企業やその後の挑戦を支援し、その動きを促進するのが狙いだ。

昨年度からは、経営者が40歳未満かつ設立後3年以内の企業の中から、「アーリーエッジ賞」を選定し、若手経営者の挑戦も支援している。

早稲田大学名誉教授 松田 修一氏を委員長とする8名の選考委員の審査により、46件の応募の中から選ばれた7つのベンチャー企業と、その支援大学・支援企業を紹介する。

受賞ベンチャー企業と支援大学・支援企業一覧

【経済産業大臣賞 】
エイシング 代表取締役 出澤純一
岩手大学 理工学部准教授 金天海

【文部科学大臣賞】
マテリアル・コンセプト 代表取締役社長 小池美穂
東北大学 未来科学技術共同研究センター 教授 小池淳一
産業革新機構 ベンチャー・グロース投資グループヴァイスプレジデント 松藤洋介

【科学技術振興機構理事長賞】
ストリームテクノロジ 代表取締役 山際伸一
九州工業大学 大学院情報工学研究院 教授 坂本比呂志

【新エネルギー・産業技術総合開発機構理事長賞】
ナノルクス 代表取締役社長 祖父江基史
産業技術総合研究所 分析計測標準研究部門 主任研究員 永宗靖

【日本ベンチャー学会会長賞】
iHeartJapan 代表取締役 角田 健治
京都大学iPS細胞研究所 教授 山下 潤

【アーリーエッジ賞】
Telexistence 代表取締役CEO 富岡 仁
東京大学/慶應義塾大学 舘暲
KDDI ライフデザイン事業本部 ライフデザイン事業企画本部 ビジネスインキュベーション推進部 インキュベーション推進グループ 課長補佐 清水 智晴

【アーリーエッジ賞】
モーションリブ 代表取締役CEO 溝口 貴弘
慶應義塾大学 グローバルリサーチインスティテュートハプティクス研究センター特任教授 大西 公平 
慶應イノベーション・イニシアティブ アソシエイト 山下 紘史 

以下に、受賞した企業の研究内容を一部紹介する。

独自のAIアルゴリズム「Deep Binary Tree」開発 

経済産業大臣賞を受賞したエイシング(AISing)は、Deep Binary Tree(DBT)という独自のAIアルゴリズムを開発した。DBTはディープラーニングと比べ、プログラム容量が小さく、学習速度が速い、計算コストが低いなどの優位性があり、軽量なリアルタイムAIを提供できるという。

DBTをチップなどに組み込むことで、機械工業・精密機械工業分野のエッジデバイスへの適用が考えられ、今後「ものづくり」を支える企業として期待されている。

世界初の実用化に成功、銅ペースト

文部科学大臣賞を受賞したマテリアル・コンセプトは、銅(Cu)ペーストの参加を防ぐ焼成条件を見つけたし、世界ではじめて実用化に成功した。

持続可能な社会実現にむけ、太陽光エネルギーへの需要は拡大している。しかしその導入コストは大きな課題だという。

同社は、これまで太陽電池セル表面の配線・電極形成に使われてきたAgペースト、原料コストが1/100というCuで代替するための研究を続けてきた。今後、メガソーラー、個々の家庭など普及加速にむけ、同社の活躍が期待されている。

表彰式は8月30日(木)、イノベーションジャパン2018の中で行われる。