【甲子園決勝】球児を全力で応援!でも批判が多いワケとは

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甲子園はいよいよ21日14時より、決勝戦。11年ぶり6回目の出場となる秋田県の金足農業と、2年連続10回目の出場大阪桐蔭の対決だ。常連の有名私立高校が多い中、県立高校である金足農業の躍進ぶりが話題の今大会。一方で、猛暑対策不足、観客の応援について、選手の起用についてなど甲子園をめぐる批判的なニュースも多くみられる。

【甲子園決勝】球児を全力で応援!でも批判が多いワケとは

決勝戦14時~ 金足農業VS大阪桐蔭

金足農業は、秋田県秋田市にある県立農業高校である。登録の18人全員が秋田県出身というチームの大活躍に、地元秋田は熱狂している。さらに、秋田県大会から1人で投げ切っている絶対エースの吉田 輝星君の存在は大きい。連日の完投劇は、秋田県民のみならず多くの甲子園ファンを魅了している。

対する大阪桐蔭は、史上初の2回目の春夏連覇を狙う強豪で、登録18人の中で6人がU-18候補に選出されている。打率が4割を超える4番藤原 恭大君、5番根尾 昂君は、プロ野球スカウト陣が「特A」と評しているという。この二人を中心に、強力打線が金足の吉田君をどう打ち崩すのかは注目だ。

また、今大会では大阪桐蔭の応援団が、試合終了後「喜ぶよりもまっさきに他の観客の応援に対し感謝の意を示した」ことや、大阪桐蔭の選手が「試合中ケガをした相手チーム選手の処置に真っ先に向かった」などの行動が、甲子園ファンを感動させた。

数え切れない熱いプレーと、感動を与えてくれた甲子園だが、批判的な内容のニュースが多いのも事実。なぜ、甲子園批判は多いのか。

体を壊してまでプレーすべきなのか

いくつか、甲子園批判について紹介しよう。まず前半で話題に上ったのは「猛暑対策」である。7月から続く猛暑は、もはや災害レベルといわれるほどであった。甲子園が開幕した初日から、観客など32人が熱中症や日射病の疑いと診断された。

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もはや根性論だけで乗り切れるものではなく、時間や場所、期間の変更など根本対策を求める声が多かった。

また甲子園でのエースの連投は、以前から批判されている話題である。金足農業の吉田君のような絶対エースは、投球数がどんなに増えても「投げない」という選択肢はないのだ。海外メディアでは、こうした日本の高校野球を「虐待だ」とする声もあるという。

この日のためにがんばってきた!という球児の気持ちに、ファンも熱くなる。しかしこれも熱中症対策と同じく、気持ちだけで乗り切るべき問題なのか。甲子園のスケジュール、投球数の制限、登録選手数の増加など大人が検討すべき点は多くある。

さらには、甲子園に華を添える応援についても、ネットでは批判の声が散見される。今年から「タオルをまわす」応援スタイルは大会本部から自粛要請があり行われていないというが、過剰な応援がプレーする選手たちを追い込んでいるのではないか、という論調は多い。

一部では、負けているチームを会場全体が後押しする空気があり、勝っているチームを追い詰めるという批判もあった。応援する人の楽しみ方は人それぞれ。いつもは野球を見ない人も甲子園に足を運んでおり、どちらが勝っても純粋にプレーを楽しみたいという人も多いのだろう。

しかしその結果、球児にプレッシャーを与えてしまうということもあるようだ。

球児たちへの「愛が強い」からこその批判

他にも、甲子園は勝利至上主義だ、甲子園に出場するために中学時代から選手を囲い込む高校がある、など批判は多数あった。

しかしどの批判にも共通して言えることは、それが「誰のためのものなのか」という本質を問うものだ。甲子園は誰のためのものか?それは当たり前だが、球児のためのものだ。

球児が努力し、達成するまでの過程を、私たちは見せていただいているにすぎない。球児の健康を害してまでやるべきか、球児の野球人生を棒にふらせるのか、精神的に追い込むのか。数々の批判は、すべて球児のためにどうすべきか、という視点から生まれているものなのだ。

私たちは、球児たちに多くの感動をもらっている。だからこそ、「球児のための甲子園」を取り戻すべきなのだ。

ビジネスか、テクノロジーか、政治的働きかけか、情報発信か。私たち大人は、持つ知見をフルに活用し、夢を追う若者たちを全力で応援しよう。球児たちがなんの心配もなく、全力でプレーできる環境を整えることこそ、大人としてのこれからの仕事だ。