カミングアウトとは?意味・注意事項・10月11日、LGBTを公表した有名人と実際のエピソード

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カミングアウトとは、自分の意志でセクシャルマイノリティであることを公表することです。 自分のことを相手に話すことで相手との関係を良いものに変えようという意味があります。 10月11日は「カミングアウト・デー」。1988年、アメリカで初めて呼びかけられてから今年で31回目を迎えます。本記事では、カミングアウトをしたことで有名な人物や、カミングアウトをする立場、受ける立場の双方の視点での重要なことなどを説明します。
カミングアウトとは?意味・注意事項・10月11日、LGBTを公表した有名人と実際のエピソード

カミングアウトとは

カミングアウトとは、「coming out of the closet」という言葉が短縮された言葉で、クローゼットの中から出ようという意味でした。ここでいうクローゼットとは、自分がセクシャルマイノリティであることを隠して生きていかなければならない社会状況のことを意味しています。

10月11日はカミングアウト・デー

10月11日は、日本ではまだあまり知られていませんが「カミングアウト・デー」です。発祥である米国時間11日には、ソーシャルメディアでも「#NationalComingOutDay」「#ComingOut」といったハッシュタグが多く見られます。

日本でも任意団体「work with Pride」が、職場におけるLGBTの働きやすさを考えるカンファレンス『work with Pride 2018』を10月11日(木)に東京ミッドタウン日比谷内の「BASE Q」で開催する予定で、2018年5月に自らがLGBTであることをカミングアウトしたばかりの経済評論家 勝間和代氏も登壇するとのことです。

近年よく耳にするLGBTQというワード。これは、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、クエスチョニングを指す言葉。カミングアウトとは、こうしたセクシャルマイノリティ(性的少数派)の当事者が自らの意志でセクシャルマイノリティだと公表することを指します。

カミングアウトとアウティングとの違い

アウティングという言葉も近年よく耳にする言葉のひとつです。カミングアウトとアウティングの違いを中心に、実際にアウティングが原因で起こったエピソードも交えて説明します。

アウティングとは

前述でカミングアウトとは自らの意志でと書きました。アウティングとは、本人の了承なしにその人のセクシャリティを第三者に暴露するということです。

事実を公表するという点で、大きな違いはないように思われる方もいるかもしれません。けれども、自分の意志ではない公表は、セクシャルマイノリティの人にとって望まない状況を作りかねない危険を伴うのです。

特に、LGBTQに対する偏見や差別が依然として残っている社会においてアウティングを行うというとは、その人へのいじめ、差別そのものであるといえます。

アウティングの実際のエピソード

「一橋大アウティング事件」と聞くとまだ記憶に新しい人もいるかもしれません。ある男性が自らのセクシャリティをアウティングされたことなどがきっかけで、校舎から転落死してしまった事件です。

もちろん、アウティングだけが原因であるとは言い難いですが、アウティングは想像をはるかに超える意味を持つ行動です。人の命を奪ってしまう可能性もあるのです。アウティングは、絶対にしないよう<にしましょう。

カミングアウトをしている著名な人物

アウティングが人の命を奪ってしまう危険をはらむほどに、セクシャルマイノリティの当事者が自らの意志でセクシャルマイノリティだと公表する「カミングアウト」は心理的ハードルが極めて高いことが伺えます。

実際にカミングアウトをしている有名人について、彼らの言葉や考え方を交えて解説します。

勝間和代さん

経済評論家の勝間和代さんが、女性と付き合っていることを公表しました。

彼女は、カミングアウトをすることにした理由をブログでこう語っています。

「同性を好きになることはずっと悩んでいたことですし、また、お付き合いが始まってからも、人にそのことを言えないことを悩んでいましたが、その二つの事実を公開することで、私も楽になるし、周りにも同じような悩みの人のヒントになる可能性があると思ったからです。」

最上もがさん

過去にブログでバイセクシャルであることを公表していた彼女。10歳くらいから女の子のほうが好きだったとあらためて公表しました。

また、名前は公表されませんでしたが、本気で付き合いたい女性芸能人の存在も告白しました。

カズレーザーさん

カズレーザーさんも、バイセクシャルであることを以前から公表しています。

きっかけは、高校三年生のころ、担任の先生がバイセクシャルであることをカミングアウトしたことだと言います。また、「僕は普通のバイセクシャル。真っすぐに二車線あるだけです。」と胸を張って語っています。

マット・ボマーさん

アメリカ出身の俳優、マット・ボマーさんは、ゲイであることを公表し結婚して子どももいます。

お相手はサイモン・ホールズという広報・PRのお仕事に携わっているという男性。お子さんとは血縁関係はないようですが、パートナーの男性と子どもたちと、幸せに暮らしているそうです。

エレン・デジェネレスさん

アメリカの人気番組で司会を務めるエレン・デジェネレスさんは、1997年にカミングアウト。

AP通信にカミングアウトした時の心境を「真実を話すことはキャリアよりも大切」と語る彼女からは、とても大きな自信に満ち溢れていることが感じられます。時には、悪意に満ちた手紙や脅迫が届くときもあったそうですが、「理解していないから恐れる。恐れるから憎むのよ。」と語りました。この言葉は、あらゆる差別に対して勇気づけとなる言葉であるでしょう。

カミングアウトにおいて3つの重要なこと

カミングアウトをしようとしている人へ。あらためてカミングアウトにおいて重要な点を3つ紹介します。ぜひ、カミングアウトの際に参考にしてみてください。

性的指向がすべてだと思い込まない

自分のセクシャリティが自分のすべてだと思い込まないことが重要です。

ある人がこんな言葉を言いました。
「私の性的指向は、私についてあなたが知っているたくさんのことのひとつに過ぎない。それは私のすべてではない。」

この言葉が意味するように、自分の個性のひとつだと捉え、自分で自分のセクシャリティを大きな問題にしないことが重要です。

人の反応を気にしすぎない

やはり、LGBTQに対する差別や偏見の目は依然として存在します。受け入れられる人もいれば、受け入れられない人もいるでしょう。

しかし、受け入れられなかった場合に悲観するのではなく、そういう人もいる程度で考えることがなによりも重要です。あなたにとって重要なのは他人の意見や見方ではなく、自分自身であることをしっかりと意識しましょう。

カミングアウトはゴールではない

カミングアウトは、それ自体ががゴールではありません。カミングアウトは第一歩であり、それを踏み出してからまた新たに生活がスタートします。

なにも大声でカミングアウトをする必要はないのです。日常の会話の中で言っても何ら問題はないでしょう。

自分のセクシャリティを受け入れてくれる人、愛してくれるひとは必ず存在します。
恐れることをやめ、ゆっくりと受け入れてくれる人々を探していけばよいのです。

カミングアウトを受けた人が気をつけるべきこと

カミングアウトを実際に受けた人へ、どのように行動すればいいかをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

まずは自分の中でしっかりと考える

カミングアウトを受けたときに、一時の感情で話さないことが重要です。

相手がなぜ自分にカミングアウトしたのか、セクシャルマイノリティとはどういったものなのかなど、しっかりと自分の中で考えることが何よりも大切なことです。

自分の中で考えてから相手に声をかけることを意識しましょう。

気持ちを受け入れる姿勢をとる

直後にはLGBTに関する知識がない場合があります。そういった場合には、相手の気持ちや意図をしっかりとわかろうとする姿勢が大事だと説明する。

カミングアウトをすることが、セクシャルマイノリティの人にとって大きな意味を持つことは明白です。カミングアウトをするまでにとても悩んだ人もいるでしょう。

そういった人の想いを台無しにしないためにも、はじめは受け入れられなくても受け入れようとする姿勢を見せることが大切です。それだけで、カミングアウトをした人々にとってはうれしいことです。

アウティングは絶対にしない

上記でも説明したとおり、アウティングは絶対にしないようにしましょう。告白の内容をひとりでは抱えきれず、つい誰かに話してしまいたくなるのも人情です。

しかしアウティングはカミングアウトした本人に対するひどい裏切りです。彼らの意志や想いを無駄にしてしまう行為であるだけではなく、以前あったような事件の引き金にもなり得るのです。

勇気を出して行なったカミングアウトによる痛ましい事件が再び起こらないようにするためにも、アウティングはしてはいけません。また、複数人でカミングアウトを受けた場合には、アウティングの危険性を共有することも有効です。

みんながみんなのための社会を作ろう

カミングアウトの持つ意味は想像をはるかに超えることであり、カミングアウトを軽視してはいけないことを理解することが大切です。

アウティングの持つ危険性や、自分の取るべき行動などもし自分の知らないことがあった、参考になることがあったという方は、ぜひ見返しなどをして理解を深めてもらえたらうれしいです。