スマホ・動画広告増加で、ネット広告市場は2022年度約2.4兆円規模へ拡大

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矢野経済研究所は、国内のインターネット広告市場の現況を調査し、8月23日にその結果を発表した。それによると、インターネット広告国内市場規模は拡大を続けており、2022年度には約2.4兆円まで拡大するという。
スマホ・動画広告増加で、ネット広告市場は2022年度約2.4兆円規模へ拡大

爆発的に普及するスマートフォン

総務省の「平成29年版 情報通信白書」によると、2016年における個人のスマートフォンの保有率は56.8%、前年比3.7ポイント増と上昇傾向である。

またモバイル端末全体(携帯電話・PHSおよびスマートフォン)の保有率も83.6%、前年比で2.2ポイント増となっている。

また、同年の世帯における情報通信機器の世帯普及率は「モバイル端末全体」で94.7%、「パソコン」73.0%、「スマートフォン」は、71.8%。「パソコン」の普及率が下がったことによりその差は前年の4.8ポイントから1.2ポイントに縮小した。

そしてこの「スマートフォン普及率の拡大」が、インターネット広告市場の拡大に大きな影響を与えているという。矢野経済研究所の分析を紹介しよう。

スマホ広告がネット広告市場をけん引

出典:プレスリリース

この調査の結果発表は、市場概況と注目トピックの2つにわかれている。まず、市場概況としては、インターネット広告国内市場規模は、年度には約1.3兆円、2018年度には約1.5兆円を超えると予測されている。

市場は、グラフのとおり、2015年以降は年々拡大傾向にある。これは、PCブラウザ向け広告に比べ、スマートフォン広告が市場をけん引しているようだ。

広告種別では、検索連動型(サーチ)広告やアドネットワークなどが好調だ。運用型広告が拡大しているという。

また、広告フォーマットでは、インフィード広告や動画広告が拡大しており、メディアとしては、ソーシャルメディアが主流であるとしている。

広告ついて詳しく知りたい方はこちらの記事を参照

市場規模は2022年度には約2.4兆円にまで拡大、動画広告が後押し

また、注目トピックとしては、動画広告の拡大の背景に、YouTubeをはじめとした動画プラットフォームにおける動画広告配信の拡大や、インフィード広告における動画フォーマットへの切り替えがあることを挙げている。

動画プラットフォームにおける動画広告の拡大に関しては、動画閲覧者側で、動画コンテンツの充実による動画サイトの利用が進んでいることが要因だという。

そして、このようなインターネットユーザーの行動の変化により、既存の広告主における動画広告の利用が活発化したほか、大手ブランド企業(広告主)においても動画広告の新規利用などが拡大したと分析している。

また、動画フォーマットへの切り替えの増加について、インターネットユーザーの視聴環境の変化により、動画による広告でも負担なく閲覧できるようになっていることが大きいという。これにより、SNSなどのメディアでも、動画フォーマットが増加しているため、広告主の動画広告への需要も拡大していると分析している。

これらのことから、矢野経済研究所では、今後も消費者の動画視聴の増加、広告配信事業者による動画広告枠の拡大、広告主における動画広告需要が続き、市場拡大の原動力になると考えているという。

加えて、今後は動画で表現するメディアのさらなる増加が予測されるという。このため、新たな動画プラットフォームが出現する可能性もあるという。これを背景に、既存のアドネットワークなどにおいても、静止画から動画フォーマットへ移行するだろうと同社は予測している。

これら多くの要因から、インターネット広告国内市場規模は2022年度には約2.4兆円にまで拡大すると予測している。広告種別にみると、​運用型広告が市場全体の拡大をけん引し、AmazonなどのECサイトが新たな広告プラットフォーマーとなり、インターネット広告市場の拡大に大きな影響を与えると予測している。