若者たちよ手を伸ばせ、ドラえもんの未来はすぐそこにある

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経産省は8月24日、「空の移動革命に向けた官民協議会」設立を発表した。いわゆる「空飛ぶ車」の実現に向け、ついに政府が本腰をあげたのだ。任天堂ゲームボーイが発売された平成元年、その30年後に仮想現実でゲームする日が来ると、考えた人はどのくらいいたか。空飛ぶ車はアニメや映画の世界の夢物語でしかないと、だれもが思っていただろう。しかしイノベーションはおきている。平成最後の夏、ドラえもんの住む未来は、進化を諦めない人々のすぐ目の前にある。
若者たちよ手を伸ばせ、ドラえもんの未来はすぐそこにある

平成元年はどんな時代だったのか

まずは1989年・平成元年がどんな時代だったのか、振り返ってみよう。

1989年の新語・流行語大賞では、以下のような言葉がランクインした。

●セクシャル・ハラスメント ●Hanako(雑誌) ●DODA/デューダ(する) ●まじめ×ゆかい ●濡れ落葉 ●オバタリアン/オバタリアン(旋風)
●ケジメ ●24時間タタカエマスカ ●イカ天 ●こんなん出ましたけど~
●「壁」開放 ●平成 ●NOと言える日本

セクハラという言葉が話題となり、はじめて広く認知されはじめたのが平成元年。マガジンハウスのHanakoでは趣味や仕事を楽しむ新しい女性像が示され反響を呼んだ。

日本経済はバブルで空前の売り手市場。若者たちは「転職」に意識を向けはじめ、転職情報誌DODAがブームになった。

また働くという点で象徴的なのは「24時間タタカエマスカ」だ。第一三共ヘルスケアが発売した栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングであり、この時代に一世を風靡したフレーズである。ビジネスマンのための応援ドリンクという位置づけで売り出されていたこの商品。24時間戦うなど、働き方改革が進む現代ではありえない!と思われるだろうが、当時のビジネスマンたちには響いた。

働けば働くほど稼げる、儲かる。そんなことが現実におきる時代であり、女性の活躍が目立ちはじめた年であったともいえよう。

「平成最後の夏」の閉塞感

それでは、今の時代を平成元年と比較し、あらためて考えていきたい。

2017年の新語・流行語大賞にも選ばれた「インスタ映え」が象徴するように、SNSが時代を動かすといっても過言ではなくなった。2018年、世界のデジタル広告費はテレビを上回り、国内のネット広告市場は2022年度には約2.4兆円規模へ拡大するという試算もある。

雑誌ではなくSNSから情報を得て、メルカリなどのフリマアプリで購入する。シェアリングエコノミーは、フリマアプリだけにとどまらず、民泊カーシェアリング介護などさまざまな分野で広がっている。

働き方改革関連法案が可決し、長時間労働の是正、正規と非正規雇用の待遇改善など、企業が取り組むべき課題が示された。会社のためではなく自分のために働く、自分のライフスタイルに合わせて働く、副業・複業フリーランスなど働き方も多様化している。

平成元年と比べて、より「個人」を尊重し、成熟した社会がここにある。しかし経済の先行き不透明感などから、どこか閉塞感を抱えている人が多いのも事実。「とにかく進め!」という号令に何の疑問も抱かずに進めたバブルの時代とは違い、人々は迷いや混沌の中で、必死に浮上する道を模索しているように見える。

閉塞感を打ち破るのは「イノベーション」

そんな現代の閉塞感を突き抜けるのが「イノベーション」である。

SaaS業界の市場規模は拡大し、あらゆるサービスをクラウド経由で利用できるようになってきている。AIの進化は目覚ましく、スマートスピーカーなど生活の身近なところにも普及は進んでいる。

そしてキャッシュレス元年ともいわれる2018年。Amazon、LINE、楽天、ソフトバンクなど大手ベンダーがキャッシュレス市場を制するべく、自社端末や手数料無料などの施策で今まさに攻防中だ。

また、経産省は8月24日、「空飛ぶ車」の具体化に向け、「空の移動革命に向けた官民協議会」を発足した。映画やアニメでしか見たことのない「空飛ぶ車」を現実のものとして、官民一体となり進めていくためのものである。

経産省:プレスリリース

任天堂ゲームボーイが発売された平成元年に、VR・ARを利用したゲームが現実になることを、多くの人は考えもしなかっただろう。今や生活に欠かせない現在の形のスマートフォンは、存在すらしなかった。

進化のスピードはここから30年、さらに加速するだろう。目を閉じて、その30年を思い描いてほしい。ドラえもんの世界を見る子どものように、ワクワクした気持ちにならないだろうか。

それこそが、現代の閉塞感を打ち破るための力になる。

教育も変わる「ホリエモン・ゼロ高」

教育の現場も、変革の時を迎えている。ホリエモンこと堀江貴文氏は、10月に「ゼロ高等学院」を開校する。

今の学校教育は、こどもたちが自分で学びたいと思うことを奪ってしまう教育である。進学のためではなく、やりたいことのために進路を自ら選ぶ力が必要だという考えのもとに、「学校教育を壊す」ために堀江氏は立ち上がったという。

さらに、「現代の魔法使い」「平成のダ・ヴィンチ」などとよばれる落合陽一氏もまた、現代教育には否定的な見解を各メディアやTwitterなどで発信している。

こどもたちが夢を見つけ、実現する道を自ら選ぶ力は、間違いなく日本の未来をけん引する。ビジネス、研究者などさまざまな分野から教育問題を論じ、変えようという流れは大きな変革の波となりそうだ。

ドラえもんの未来は、すぐそこにある

「どこでもドアがあったら」「竹コプターで空を飛びたい」「原始人と話してみたい」そんな課題やワクワク感の中から、イノベーションは生まれてきた。

スタートアップが続々と誕生し、課題解決型のサービスが増えているのは、まさにそれを具現化したものだろう。誰もが起業できる時代だが、起業して成功できるのは限られた人だけ。進化を諦めない人の前にのみ、ドラえもんの未来はやってくるのかもしれない。

「若者たちよ手を伸ばそう。叶えたい未来は、すぐそこにあるよ!」