建設業「働きやすい企業ランキング」から見えた、働き方改革のヒント

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グローバルウェイが運営する企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は8月23日、「建設業界の働きやすい企業ランキング」を発表した。それによると、竹中工務店、鹿島建設、大林組らが上位にランキングした。働き方改革が進まないといわれる建設業界で、上位企業は一体どんな取り組みで支持を集めているのか。
建設業「働きやすい企業ランキング」から見えた、働き方改革のヒント

浸透しない「建設業の働き方改革」

「働き方改革」が叫ばれる中、とくに建設業では取り組みの遅れが指摘されている。国土交通省が2018年3月に発表した「建設業働き方改革加速化プログラム」によると、2016年度年間労働時間は建設業で2,056時間で、他産業は1,720時間と圧倒的に長い。

さらに休日の取得状況を、建設・土木工事など工事別で算出した厚労省のグラフによれば「建設工事全体」の休日取得率は、65%が4週4休以下となっている現状だ。

これをうけ、国土交通省の森昌文事務次官は8月22日の就任会見で、建設業の働き方改革や生産性向上に関する施策を着実に推進する考えを表明した。

日刊建設工業新聞によれば、現場での実効性を高めるため各種施策の改善、自然災害からの復旧・復興とともに、防災・減災対策やインフラ老朽化対策、社会資本の計画的な整備・維持管理に必要な公共事業予算を安定的・持続的に確保していく考えを示したという。

制度面での改革がようやく動きはじめた状況、現場の期待値は薄いようである。週休2日は必要と感じていながらも、実現は難しいだろうと考える人が多いのが実態だ。

どうすれば、建設業の働き方は変わるのか。そこで本記事では、グローバルウェイが発表した「建設業界の働きやすい企業ランキング」に注目する。上位企業の取り組みや口コミなどから、各企業・業界全体の取り組みのヒントを探っていきたい。

もっとも働きやすい企業は「竹中工務店」

今回のランキングは、「キャリコネ」のユーザーによる「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目の評価の平均点(総合評価)が高い建設業界に属する企業をまとめたもの。

出典:プレスリリース

その結果、1位は竹中工務店で総合評価は3.36、2位は鹿島建設で同3.21、3位は大林組で同3.08、4位は清水建設で同3.04、5位は大成建設で同3.01となった。以下、5社の取り組みについて紹介する。

上位5社の「働き方改革」への取り組み

1位:竹中工務店 2020年までに男性従業員の「育休取得者」倍増計画

竹中工務店は、ICTを活用して生産性向上を目指す「竹中スマートワーク」を2014年から推進しており、現場の各部門でモバイル端末の活用を進めている。またロボット台車の導入、ペーパーレス化、WEB会議などで積極的に効率化をはかっている。

また休暇取得も推進しており、目標は2019年の年間平均有休取得率55%以上、2020年までに男性従業員の育休取得者を2017年比で倍増することだという。

また、同社は2018年4月に同社のCSRビジョンを示す「竹中コーポレートレポート2018」の冊子とWEBサイトを発表した。この中で、「ワークバランス向上委員会」を設置し以下のような施策を決定している。

1.人制度の改正
2.組織・制度、業務フローおよび人員配分の再構築
3.作業所の「新しい働き方」の構築
4.各部門の業務上の個別課題の解決
5.「働く場」の再構築
6.「生産性指標」の設定
7.マネジメント力の強化
8.社内外発信と機運醸成
9.ユーザーへの説明と協力要請
10.技能労働者の多様な働き方を実現する方策の立案、支援
11.従業員の自律心とチームワークの醸成

また、アンケートには「やりがい」を感じられる仕事環境などを支持する声があがっている。

「(仕事の面白味、やりがいについて)担当した物件が完成して、後世に残るところ。サブコンも幅広く抱えており、さまざまな工事現場で非常に多様な建設現場を経験することができる。完成した物件を、作品ととらえ愛着をもって仕事ができる。顧客の思いを形にすることを非常に大事にとらえており、顧客からも感謝の気持ちを示されることが多い」
(土木設計 30代後半 男性 年収700万円)

「非常にやりがいがあり、素晴らしい会社であり 報酬形態についても満足していた。優秀な人間も多く、人間的な成長を得るためには非常に良い職場である。女性に対してもキャリアの扉が開かれていることも特徴のひとつであるといえる」
(コンサルティング営業 30代前半 男性 年収450万円)
などが挙がっている。