アプリで防災訓練、ヤフーが大阪府と機能開発 広がるスマホアプリ活用【防災の日】

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ヤフーは8月28日、スマートフォン向け防災通知アプリ「Yahoo!防災速報」の新機能「訓練モード」を大阪府と共同で開発。9月5日に実施する「大阪880万人訓練」と連携して活用すると発表した。自治体の訓練と連携するのは全国初の試みだという。ほか、大阪地震で話題となった「東京都防災」アプリなど、身近なスマートフォンアプリを活用した防災訓練・学習が広まっている。
アプリで防災訓練、ヤフーが大阪府と機能開発 広がるスマホアプリ活用【防災の日】

相次ぐ災害、防災意識も高まる

この夏、日本は大きな自然災害が相次いでいる。6月には大阪北部を震源とする地震が発生。7月には西日本を記録的な豪雨が襲い、多くの死傷者が出た。そして、幾度となく大型台風が通過し、東北や北海道でも豪雨が記録されている。

こういったなかで防災意識が高まっている。9月1日の「防災の日」を前に、自治体や企業による防災への取り組みも活発化。とくに注目したいのがスマートフォンアプリだ。

たとえば、大阪地震の際には、東京都が2015年に発行した防災ブック「東京防災」のアプリ版「東京都防災アプリ」がSNSで話題となった。防災の基礎知識から発災時に活用できるコンテンツまで、さまざまな情報が収録されており、無料でダウンロードできる。

またヤフーは、「Yahoo!防災速報」の新機能「訓練モード」を大阪府と共同で開発したと発表した。9月5日に実施する「大阪880万人訓練」では、全国で初めて自治体の訓練と連動して同機能を活用するという。

南海トラフ巨大地震を想定した訓練に活用

政府の地震調査委員会によると、南海トラフ巨大地震は今後30年で70〜80%の確率で発生するという。そして、大阪府防災会議の「大阪府域の被害想定について」によると、南海トラフ巨大地震が発生した場合、府内だけで死者約13.4万人、全壊棟数約17.9万棟、経済被害は約28.8兆円、帰宅困難者は最大で約146万人になるとされている。

出典:プレスリリース

ヤフーと大阪府は、「災害に係る情報発信等に関する協定」を2014年に締結している。「Yahoo!防災速報」アプリを通じてユーザーに緊急情報を配信する機能を2017年より行うなど、府内の災害情報の発信をともに強化してきた。訓練モードもこの一環として開発したもので、5日の大阪880万人訓練に合わせて、期間限定で展開される。

発災時に取るべき行動をアプリで確認できる

「Yahoo!防災速報」は、緊急地震速報や国民保護情報などを配信、通知するサービスだ。スマートフォンで使用できる「アプリ版」とパソコンやフィーチャーフォン(ガラケー)で使用できる「メール版」を合わせ、約1,400万人(2018年8月時点)が利用している。

共同開発した訓練モードは、5日の訓練で想定している南海トラフ巨大地震や、それにともなう津波が発生したときに取るべき行動がアプリ上で確認できるというもの。

出典:プレスリリース

画面の案内に従って読み進めていく形式で、たとえば、「地震発生!その時、どう動く?」というシーンでは、緊急地震速報受信時にいる場所ごとに取るべき行動を、イラストを交えて解説している。

出典:プレスリリース

また津波発生時の対処を学ぶ「津波発生!その時、どう動く?」もある。大津波警報が発表されたことを想定し、避難する場所を設問形式で問うもので、「Yahoo!天気・災害」で提供している避難場所マップと連携し、自宅や職場、現在地近くの避難場所を確認することもできる。

出典:プレスリリース

訓練モードは2018年8月28日~9月10日の間提供される予定。「Yahoo!防災速報」アプリの「地域の設定」で大阪府内の市区町村を選択するか、「現在地連動通知設定」をオンにしたうえで大阪府内にいる人が、利用できる。ヤフーは、他自治体が開催する訓練でも活用してもらえるよう自治体に呼びかけるとのこと。

同社はさらに、8月30日〜9月5日の防災週間にあわせ、Yahoo! JAPANアプリ内で、台風や豪雨の際に必要な知識や能力を問う「全国統一防災模試 台風・豪雨編」を実施している。9月30日まで。

9月1日は「防災の日」だ。関東大震災にちなんで定めれたもので、改めて防災へと思いを馳せる1日となる。地震大国で台風も多い日本は、これまでも多くの災害に見舞われてきた。一方で防災への知見も蓄積されており、日頃の避難訓練が実を結び難を逃れた事例もある。

日々の生活で利用するスマートフォンのアプリは、身近だからこそ手軽に防災に取り組める。少しでも被害を減らせるよう心がけたい。