ブロックチェーン関連市場2022年世界支出額117億ドルへ、最大の投資は米国

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IT専門調査会社IDC Japanは9月5日、ブロックチェーン関連市場予測を発表した。それによると、ブロックチェーンに関連する世界の支出額は2018年の15億ドルから2022年には117億ドルに拡大する見込みだという。

ブロックチェーン関連市場2022年世界支出額117億ドルへ、最大の投資は米国

新しい時代の基盤技術ブロックチェーン

仮想通貨の根幹であるブロックチェーンは、分散型のネットワークシステムで、世界中のコンピュータにデータを分散するもの。従来のように中央集権型ではないため、データの改ざんや破壊が難しく、新しい時代のセキュアな基盤技術として注目を集めている。

IDCではブロックチェーンについて、世界/国内ブロックチェーン関連市場予測を実施し、「Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guide」にまとめた。

それによると、ブロックチェーンへの支出は、2017年~2022年の予測期間を通じて順調に増加し、2022年に117億ドルに達する見込みだという。

世界のプロックチェーン関連支出は2022年には117億ドルに

まず、ブロックチェーンに関連する世界の2018年の支出額は15億ドルと見込んでいる。これは2017年の支出額の約2倍となる。

また、今後は、2017年~2022年の予測期間を通じて順調に増加すると予測している。5年間の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は73.2%となり、その結果、2022年に117億ドルに達すると予測している。

出典:「ブロックチェーン市場 支出額予測 (主要地域別)、2017年~2022年」IDC Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guide

また、ブロックチェーンへの支出額を主要地域別にみると、最大のブロックチェーン投資が見込まれる地域は米国だ。IDCではその支出額は予測期間を通じて全世界の支出額の36%以上を占めると予測している。

そして、西ヨーロッパ、中国、および日本と中国を除くアジア太平洋地域(APeJC:Asia Pacific excluding Japan and China)がこれに続く。IDCでは、Spending Guideで取り上げている9つのすべての地域で、2018年~2022年の予測期間にブロックチェーン支出額の大幅な増加を見込んでいる。中でも日本とカナダの成長がめざましいという。それぞれCAGRは日本108.7%、カナダ86.7%ともっとも大きく成長すると予測している。

日本のブロックチェーン市場は2022年545億円に成長

出典:「国内ブロックチェーン市場 支出額予測、2017年~2022年」IDC Worldwide Semiannual Blockchain Spending Guide

日本国内の支出額は2018年は49億円で、2022年に545億円へと急速に成長する見込みだという。

IDCによると、日本は高信頼社会であり社会基盤の整備も進んでいることから、海外と比べてブロックチェーンの必要性に対する意識の高まりはやや遅い。このため、国内の2018年のブロックチェーン関連支出額は世界の2.9%に留まると予測している。

しかし今後、サプライチェーンへのブロックチェーン導入を始めグローバルな取り組みの拡大などを受けて、国内でのブロックチェーンへの投資も急速に増加すると予測している。

金融セクターが支出をリード

産業分野/セクター別の支出額では、銀行での急速な採用が要因となり金融セクター(2018年に5億5,200万ドル)が主導すると見込んでいる。

金融セクターでは、ブロックチェーンは、クロスボーダー決済、貿易金融/ポストトレード決済、コンプライアンス対応、カストディ(有価証券の管理など)/資産管理をはじめ、多数の一般的なユースケースに適用されるとみている。

また流通/サービスセクター(2018年に3億7,900万ドル)で、小売および専門サービスによる手堅い投資が見込まれる。その一方で、製造/資源セクター(2018年に3億3,400万ドル)では、組立製造およびプロセス製造が投資をけん引すると予測している。

また、流通/サービスおよび製造/資源セクターの有力なユースケースとしては、資産/商品管理、来歴管理などが挙げられる。

世界市場全体では、クロスボーダー決済が、2018年に最大の支出(1億9,300万ドル)が見込まれ、来歴管理(1億6,000万ドル)、貿易金融/ポストトレード決済(1億4,800万ドル)がこれに続く。この3つのユースケースへの支出額は、2022年においてもすべてのユースケースの中で上位3位であり続けると予測している。