LINE乗っ取り「PCでLINEにログインできませんでした」の手口・対処・防止策

最終更新日: 公開日:

記事の情報は2018-09-20時点のものです。

LINE(ライン)で「PCでLINEにログインできませんでした。」といきなりLINEからメッセージが届いて驚いたことはありませんか?LINEアカウントを乗っ取ろうと不正アクセスした可能性があるため、このメッセージには注意が必要です。LINEアカウントを乗っ取る手口と目的、また被害を未然に防ぐ対策や対処法を解説します。
LINE乗っ取り「PCでLINEにログインできませんでした」の手口・対処・防止策

LINE乗っ取りとは?

この記事では、コミュニケーションアプリLINEでひんぱんに発生しているLINE乗っ取り被害の手口、起こってしまったときの対処、防止策などを解説します。

「PCでLINEにログインできませんでした」とは

LINEで「PCでLINEにログインできませんでした。」というメッセージがくる場合があります。

第三者に不正アクセスされている

もともとLINEはスマホで電話番号を認証してアカウントを作成するので、1つのスマホにつき1つのアカウントしかもてません。しかし、スマホ以外の端末(iPadなど)やPCを使えば、同じアカウントに同時にログインが可能です。

つまり、下画像のようにLINEで「PCでLINEにログインできませんでした。」と身に覚えのない通知が来た場合、第三者がPCやほかのデバイスを使って、あなたのLINEアカウントを乗っ取ろうと試みた可能性があります。

実際にアカウントを乗っ取られた訳ではありませんが、不正ログインの被害を受ける可能性があります。すぐにパスワードを変更すれば、LINE乗っ取りを未然に防げます。

LINE乗っ取りの手口と目的

LINEアカウントのログイン時に必要なIDとパスワードが第三者に不正に搾取され、持ち主になりすましてLINEが悪用されることを「LINE乗っ取り」といいます。

LINE社の公開したデータによれば、LINEの月間アクティブユーザー数(MAU)は8400万人(2020年7月時点)以上。多くのユーザーが使っているため乗っ取り攻撃の標的となっています。

LINE乗っ取りの目的は、多くの場合金銭の搾取で、被害の大半はiTunesカードやWeb Moneyなどのプリペイドカードの特性を悪用した詐欺です。

持ち主になりすまし、「LINEの友だちリスト内にある知り合いにプリペイドカードを購入してほしい。購入したら番号を教えてほしい」と依頼し、番号情報を得て現金を奪おうとします。

連絡を受けた側も、他人がなりすましているとは判断できず、残念ながらLINEが詐欺の温床になっています。

LINE乗っ取りされている?確認方法

確認方法

LINE画面ではログイン中の端末が表示されるので、第三者に使用されていないかアプリ上で確認できます。

設定の【アカウント】画面を開きます。

下の方にある【ログイン中の端末】をタップします。

現在ログイン中の他の端末がありません」と表示されたら、不正ログインはされていないということになります。不正ログインをされている場合は、ここに端末が表示されます。

LINE乗っ取りへの対処方法

自分のLINEアカウントにログインできない場合、アカウントを乗っ取られている可能性が高いです。

その際には、LINE問題報告フォームから報告をします。端末のOS、サービス、報告したい内容の種別を選んだ上で、「自分のアカウントが盗まれた」を選択するとLINE乗っ取りの報告が可能です。

また、モバイルアプリからも報告可能です。対応時間に差があるようですが、報告後にLINE側でアカウントを無効にしてくれるようです。

ホーム画面左上の「設定」をタップし「ヘルプセンター」をタップ

「安全に使うために」に進む

「アカウント不正ログイン(乗っ取り)をされた」をタップ

問い合わせフォームに遷移できる

LINE乗っ取りかも?見分ける4つの特徴

LINEのなりすましから連絡を受けた被害者の中には「いつもと違う」と感じるほど、不審な言い回し・内容の場合があります。

見分けるための特徴は、次の4つです。

  • 外国人が攻撃者の場合、不自然な日本語を使っている
  • 普段の関係性とは違う接し方や話し方をする
  • 脈略もなく、いきなり金銭の話をする
  • プリペイドカード情報など、重要情報を執拗に要求する

少しでも不審に感じたら、本人確認できるまでは相手の要求は受けないようにしましょう。

LINE乗っ取りされて起こる問題

自分のアカウントが使用できなくなる

多くの場合、攻撃者はLINEを乗っ取るとすぐにパスワードを変更してしまいます。パスワードを変更されると、本人は自分のアカウントを取り戻せません。

LINE友だちに詐欺メッセージが送信される

LINE乗っ取りをした第三者の目的は、本人になりすましてその友だちにプリペイドカードを購入させて、番号情報を得ること。

被害に遭うのは本人だけでなく、その友だちです。彼らに金銭的な負担を追わせるのは、人間関係の悪化にもつながりかねません。

LINEアカウントが削除される

第三者は乗っ取ったLINEアカウントを最終的に削除します。削除されると、それまでのトークやLINEポイントだけでなく、友だちリストもすべて削除されます。

LINEが普及したことで、電話番号は知らないがLINEでつながっている友だちが増えた方にとっては非常に不便です。

LINE乗っ取りされて起こる被害

警視庁が把握しているLINEの乗っ取り被害額は、乗っ取り被害のピークだった2014年の5か月間で2,800万円にのぼります。またLINEを乗っ取られた件数は、657件ありました。

LINE乗っ取りの実例(1)

LINE乗っ取りには、友人のフリをして直接ログイン情報を聞き出す手口もあります。

友だちになりすました加害者からLINEが凍結されてしまい、友だちリストの中の何名かの電話番号で認証しなければいけないと連絡があり、だから電話番号を教えて欲しいと被害者はお願いされました。

よく考えれば不審に思う理由も、ついさっきもLINEトークをしていた仲だったので疑いませんでした。

また、最近はLINEでしかやり取りをしない関係も多く、電話番号やメールアドレスを知らないことを利用した点は非常に巧妙です。

この後、加害者はLINEに電話番号を入力し、「検証コードを送信したから4桁の認証コードが届いたら教えて欲しい」と言ってきています。ここで認証コードを教えてしまい、LINEアカウントを乗っ取られてしまいました。

そして乗っ取った加害者は別の友だちに、「プリペイドカードを買ってきてほしい」と詐欺の連絡をし、被害にあったLINEアカウントは凍結されてしまいました。

LINE乗っ取りの実例(2)

2回乗っ取り被害に会ったという報告もあります。

知らないうちにLINEアカウントを乗っ取られ、FacebookやSMSで友人からたくさんの指摘や確認連絡があって乗っ取りに気付きましたが、結局アカウントは凍結されてしまいました。

しかしLINEに問い合わせをして、貯めたポイントや購入したスタンプは新しいアカウントに移せました。

その後パスワードの変更をしなかったので、再度乗っ取られてしまい、友人への被害はなかったものの、購入したスタンプは失い、友だちへの説明や連絡に膨大な時間を使うことになってしまいました。

LINEを乗っ取りされないための対策・防止策

パスワードを時々変更する

パスワードを変更することで、パスワードが流出したとしても被害を未然に防げます。
変更は、LINEの設定画面から簡単にできるので、定期的に変更するようにした方がよいでしょう。

LINEの設定からアカウント画面に入ります。

【パスワード】画面で新しいパスワードを登録します。

パスワード変更が完了すると、LINEから変更したとの通知が届きます。

パスワードの使いまわしをしない

さまざまなサービスでパスワードが必要なので、ひとつのパスワードを使いまわしている方が多くいます。

利便性とのバランスが難しいですが、自分のLINEが犯罪に使われないためにも、パスワードを使いまわすのは止めましょう

他のデバイスのログインを不許可にする

LINEの使用はスマホのみという方は、他のデバイスのログインを不許可にしましょう。

他の端末からはログインできなくなるので、乗っ取られないためには有効な対策です。ただし【ログイン許可】をオフにしてしまうと、パソコンからログインができなくなるので気を付けてください。

設定からアカウント画面に入ります。

【ログイン許可】をオフにします。

【ログイン許可】を左側にタップすれば完了です。

LINEアプリにロックをかける

LINEにロックがかかっていれば、第三者がアプリを起動できません。万が一LINEが乗っ取られたとしても、情報流出などの被害を未然に防げます。

設定から【プライバシー管理】に入ります。

【パスコードロック】をオンにします。

数字4桁のパスコードを登録すれば完了です。

使わないときはPCログインをオフにする

LINE乗っ取りはパソコンから不正アクセスをしてきます。乗っ取られないためにも、前述の【他のデバイスのログインを不許可にする】ことが、一番の有効策です。そうすることで、IDやパスワードが流出しても他の端末からログインされることはありません。

LINE乗っ取りの攻撃手法とは?

そもそも、なぜ、どのようにしてLINE乗っ取りが行われるのでしょうか。代表的なのは次のような手口です。

総当たり攻撃

ブルートフォースアタックとも言い、文字列の組み合わせを総当たりで高速入力し、ログインできるパスワードを探し当てます。

総当たり攻撃は専用のプログラムツールを使うので、短いパスワードは簡単に見破られてしまいます

パスワードリスト攻撃

IDやパスワードは、セキュリティが脆弱なサイトや悪質なサイト管理者の売買などから流出することがあります。流出したID・パスワードのリストをもとにして不正アクセスが行われます。

多くのネットユーザーは、複数のサイトで、共通のパスワードを使用しています。そのため、一度どれかの情報が流出してしまうと、LINEでも悪用される可能性があります。

パスワードリスト攻撃の被害に会わないためにも、面倒でもLINEのパスワードは他のサービスと変えるようにしましょう。

辞書攻撃

パスワードは単語・地名・人名であることが多いので、辞書に載っている言葉すべてを試してパスワードを見つけ出す攻撃です。

この攻撃を防ぐには、簡単な単語だけのパスワードにはしないことです。パスワードを一定回数間違えると凍結してつかえなくなるサイトがありますが、これは辞書攻撃を回避するための対策です。

LINE乗っ取り、不審な動きに正しく対応

「PCでLINEにログインできませんでした」という通知は、第三者が不正ログインを試みたということです。

少しでも不審に感じることがあったら、不正ログインやなりすましを疑って確認するべきです。

LINEへの問い合わせもできますが、返答を待っているよりもできる限り多くの友だちに確認した方が早いでしょう。

LINEアカウントを乗っ取られるとアカウントが凍結され、大事な記録や人間関係を失うことになるかもしれません。

しかし、不正ログインへの対策を適切にすれば、LINEは楽しく利用できます。対策はいくつか紹介しましたので、ぜひ試してみてください。そして不正ログインをされることなく、安全にLINEを利用してください。