グーグルの目指す「垂直統合のIoT戦略」とは?自社開発チップを外販する意味

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2018年7月、米グーグルはスマート機器対応の集積回路チップ「Edge TPU」を、ディベロッパー向けに10月から提供開始すると発表した。IoT分野の注目技術であるエッジ・コンピューティング市場で、グーグルは着々と「垂直統合」を進めている。

なぜグーグルは社内利用していたTPUを公開したのか?

マイクロソフトやアマゾンと比べても、グーグルがエッジ側のチップにまで垂直統合を進めたのは特徴的だ。機械学習に最適化された先進的なチップの開発により、半導体メーカーとの競合が始まる。

たとえば、ソフトバンクが買収したARMは、機械学習に特化した実行環境としてプロジェクト・トリリウムを開始した。ARMは小さな電子機器から電気自動車や巨大なデータセンターまで、どの規模でも最適なチップを開発できるのを強みとしている。

グーグルのIaaS「Google Cloud Platform(GCP)」上でTPUを使える「Cloud TPU」の正式提供を始めたのが2018年6月27日。そして、エッジ・コンピューティング向けのチップ「Edge TPU」を提供するのが2018年10月。そもそもTPUは「Google Search」「Google Translate」「Google Photos」といったグーグルの自社サービスに使われていた技術を、社外向けに公開したもの。優れた技術であれば社内に留めて置き、独占的に使用していても構わない。

なぜグーグルは、これまで社内でしか使われてこなかった技術を公開したのか。言うまでもなく、グーグルの技術で囲い込みを行い、機械学習やエッジ・コンピューティングにまつわるエコシステムを構築していく意思の表れだろう。

クラウドからエッジ、ハードウェアからソフトウェアまでグーグルの技術によって実現されたサービスの登場が期待される。