平均寿命と健康寿命のギャップを埋める「予防医療」最前線

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高齢化にともない、医療費は増大し続けている。「平均寿命」に対し、日常生活に制限のない期間の平均である「健康寿命」、その差がの健康寿命を少しでも伸ばしていくことで、病院でのそこで、注目されているのが「予防医療」という考え方だ。これを受けたNECとメドピアグループ2つの取り組み事例を取り上げ、その後の展開を紹介する。

生活習慣病改善に取り組むメドピアグループ

メドピアの連結子会社であるフィッツプラスは、健康保険組合向けに名古屋大学医学部発のベンチャーPREVENTが展開する重症化予防プログラムの提供を開始する。

メドピアグループは、医師会員数10万人を保有する医師プラットフォーム「MedPeer」を基盤に、医師向けの臨床支援事業に加えて、一般向けに医師および管理栄養士の専門家ネットワークを活用した予防医療事業を展開している。

健康保険組合向けには、フィッツプラスにおいて管理栄養士が食生活改善を中心に生活習慣病予防・行動変容を支援する特定保健指導サービス「ダイエットプラス」を、Mediplatにおいて、チャット形式などでの相談に医師が実名で回答するオンライン健康相談「first call」による健康増進・予防サービスを提供している。

一方、PREVENTは、名古屋大学大学院医学系研究科(保健学)山田研究室での研究成果をもとにした重症化予防技術を活用し、生活習慣病既往者を対象にした事業を展開している。健康保険組合向けには、レセプトや健診データを活用して疾患の発症予測などを行う医療データ解析事業「Myscope」、アプリとライフログのモニタリング・デバイスを活用した生活習慣改善指導による重症化予防支援事業「Mystar」を提供している。

出典:「メドピアグループが今後提供する予防サービス」メドピア

この協業により、メドピアグループは、従来の健康もしくは生活習慣病予備群の対象者を中心とした支援に加えて、生活習慣病・疾病の既往者に対する重症化予防も支援していく。

今後、医師と管理栄養士の専門家ネットワーク、およびレセプトや健診データ、ライフログなどのデータと研究にもとづくエビデンスといった両者の強みを活かしながら、健康増進・予防を一気通貫で支援するサービスを検討していく。

そして、これにより、健康寿命の延伸および医療費の適正化を目指す方針だ。

必要なのは一人ひとりの「健康への意志」

厚労省は2013年8月、「国民の健康寿命が延伸する社会」に向けた予防・健康管理に関する取り組みの推進を発表し、施策を進めてきた。

そして2018年7月には、あらたに「保険者の予防健康づくり、保険者インセンティブ」についての中で、2018~2023年度の5年間、予防・健康づくりの推進と医療費適正化へ取り組む方針を発表している。

ここでは、特定健診・保健指導(メタボ健診)の強化や、データ活用などが重要であること、それを進めるために、個人への「インセンティブ」についても考察されている。

保険者によっては、すでに個人の健康づくりに対する評価を、表彰やヘルスケアポイント(物品などと交換できるポイント)を付与するなどという取り組みが行われているという。

厚労省では、これらに加えて、例えばヘルスケアポイントを提供するタイミングを事業主の給与支払と同時に行うことなどの工夫で、これを保険者が「保険料への支援」として呼称することも考えられるとしている。

医療費の増大は、日本が抱える大きな課題だ。高齢者だけではなく、すべての世代が「自らの健康は自らがつくる」という意志を持ち、健康管理への努力を進めていかなくてはならない。