IoT市場拡大はソフトウェアとサービスがけん引、2022年11兆7,010億円へ

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IT専門調査会社 IDC Japan は9月12日、国内IoT市場におけるテクノロジー別の支出額予測を発表した。それによると、国内IoT市場において、2017年の支出額は5兆8,160億円であり、2022年の支出額は11兆7,010億円になると予測している。
IoT市場拡大はソフトウェアとサービスがけん引、2022年11兆7,010億円へ

世界各地の企業で増加するIoT投資額

IoTとは Internet of Thingsの略語で、モノのインターネット という意味だ。具体的には、モノに通信機能を持たせたり、インターネット接続を可能にしたりして、我々の生活やビジネスをより便利にしようというものである。

今後の社会やテクノロジー、ビジネスでは欠かせない概念として、世界各地の企業のIoTに対する投資は増加している。これは、日本国内も同じで、今回のIDCの調査では、2017年の国内IoT市場における支出額は5兆8,160億円であり、予測期間内に年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate) 15.0%で成長し、2022年の支出額は11兆7,010億円になると予想している。

IoT支出額を占める4つのテクノロジー

出典:「 国内IoT市場 支出額予測と技術グループ別支出割合推移、2017~2022年」IDC Japan

この調査では、IoT支出額を「ハードウェア」「コネクティビティ」「ソフトウェア」「サービス」の4つの「技術グループ」に分解して2017年から2022年までの予測を行った。その結果、予測対象期間においてソフトウェアとサービスに対する支出割合は継続的に増加し、2022年に両者の合計は61.1%に達するとIDCでは予測している。

一方ハードウェアとコネクティビティはIoTに関わる製品/サービスのコモディティ化に伴うユニット単価の下落によって、支出額の割合は徐々に低下していき、2022年にはハードウェアは支出額の29.2%、コネクティビティは9.7%を占めるに過ぎなくなるという。

現在、支出額割合がもっとも大きいのはハードウェア

また、IDCではこの4つのテクノロジーの動向も分析している。

まず、ハードウェアは予測期間前半における支出額割合がもっとも大きく、2017年には36.4%を占めている。IDCでは、この要因の一つとして、組立製造業、プロセス製造業、電力業など大きな設備を保有する企業が、信頼性や耐久性を備え、かつ多様な機能を持ったセンサー/モジュールを伝統的に数多く活用してきていることを挙げている。

コネクティビティについては、流通業やサービス業による支出割合が大きい傾向だという。国内外に出荷する貨物のするために、モバイル通信、固定通信、近距離無線通信、衛星通信など多様なタイプの通信サービスを組み合わせることが多い、輸送貨物管理のユースケースが関係していると分析している。

ソフトウェアは4つの技術グループのうちもっとも早いスピードで支出額が増加するという。これは製造業において、IoTの利用環境がオンプレミスからクラウドへの移行が進むことや、新規にIoTクラウドプラットフォームを導入するケースが増加することに起因するという。

また、個人消費者のスマートホームを実現するアプリケーションへの需要が高まることが見込まれ、ソフトウェアへの支出が加速することも背景にあるという。

サービスについても、ソフトウェア支出の急速な拡大に伴い高い成長性が期待されるという。たとえば、公共交通/情報システムや公共安全システムにおける付加価値創出を目的として、IoTシステムの導入/運用サービスへの支出が増大する。

また、スマートグリッドにおける電力利用量の予測分析や、電力供給の最適化を目的としたサービスに対する支出も今後急速に拡大することが見込まれるとしている。

この結果について、IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストである鳥巣悠太氏は、次のように述べている。

「ベンダーは企業とともに、IoT向けのKPI(Key Performance Indicator)のあり方やセキュリティ対策のメソッドなどを根本的に見直す必要がある。ベンダーは企業のIT部門とLOB(Line of Business)部門の双方へのアプローチ力を強化すると同時に、両部門の相互理解を深める取り組みが必須になる」(鳥巣氏)