十六夜の読み方や意味
十六夜とは、新月から数えて16日目の夜、またはその夜の月のことを指し、「いざよい」または「じゅうろくや」と読みます。月は、新月から満月までおよそ15日周期で満ち欠けするため、1か月のなかでもっとも月が満ちる日を「十五夜」とし、十六夜はその翌日にあたります。
「いざよい」の由来
では、なぜ十六夜を「いざよい」と読むのでしょうか。
いざよいとは、ためらう・進めないという意味の「いざよう」が名詞化したものです。月の出が遅くなり、十六夜は十五夜の月よりもためらっているように見えたため「いざよい」と呼ばれたといわれています。
旧暦の基準は月の満ち欠けだった
旧暦(陰暦・太陰暦とも)では、新月から満月までおよそ15日間、そして満月から新月までおよそ15日間という月の満ち欠けが基準となっていました。新月が毎月1日とされていたのです。
2022年の十六夜はいつ?
十六夜は現代の暦(新暦)だと2022年は9月11日です。必ずしも毎年同じ日が十六夜になるわけではありません。
一般的に十六夜は旧暦の8月16日です。しかし、新月から数えて16日目の月という意味でいえば、十六夜、十五夜ともに毎月あります。十六夜が8月16日となったのは、8月15日が「中秋の名月」として名をはせたためだといわれています。
旧暦の秋にあたる7月〜9月のなかでも、8月の十五夜が非常に美しく、月見をするのに最適でした。その翌日である十六夜の月も負けず劣らず美しく、十五夜とともに秋の季語となるほど定着したのです。
十六夜も満月?
天文学的には十五夜が必ずしも満月であるとは限りません。実際の満月は旧暦14日〜17日のいずれかであり、十六夜が満月となることもあります。
「月待ち講」というお月見の風習
十五夜のお月見は有名です。しかし、十六夜はもちろん、特定の月齢を待ちながら飲食を楽しむ風習は古くから行われており、こうしたお月見を月待ち講(つきまちこう)といったそうです。
講という言葉には、同じ信仰を持つという意味があり、当時の人々が暦と密接に関わっていた月に対する信仰心を抱いていたのかもしれません。
十六夜のまとめ
十六夜は、月の満ち欠けを基準としていた旧暦の16日。もっとも満月に近くなる十五夜の翌日にあたります。
毎月あるものの、とりわけ美しい旧暦8月15日の十五夜が中秋の名月として知られるようになったため、十六夜も旧暦8月16日として定着しました。十六夜、十五夜ともに秋の季語となっています。
十六夜は現代の暦に変換すると毎年変わります。2022年は9月11日。夜空を見上げて季節の移ろいを感じてみるのもよいかもしれません。