2023年は4月20日に金環皆既日食 | 仕組みや種類を解説

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記事の情報は2022-12-13時点のものです。

日食とは、太陽と地球の間に月が入り、その影で太陽が欠けたように見える現象です。日食は2023年には起こるのか?皆既日食、金環日食など日食の種類やその仕組み、日食時に話題になるダイヤモンドリングなどを解説します。
2023年は4月20日に金環皆既日食 | 仕組みや種類を解説

日食(日蝕)とは?

日食とは、太陽ー月ー地球の順番で天体が一直線に並んだときに、太陽が月によって隠されて、太陽が欠けて見えたり、全く見えなくなる現象です。英語ではSolar Eclipseと呼び、日蝕とも呼ばれます。

2023年の日食はいつ?大本命は2035年?

2023年は4月20日に金環皆既日食を見られます。10月15日にも金環日食はありますが、日本では観測できません。

次に日本で観測できる皆既日食は2035年9月2日です。日本列島の中央部を中心に皆既日食が見られそうです。午前10時頃に食の最大を迎えるこの日食は、東京や金沢で太陽の99%が隠れ、完全な皆既日食ではないものの、壮大な天体ショーが見られそうです。

日食の仕組み

太陽ー月ー地球の順番で天体が一直線に並び、月の影が地球に投影されることによって日食は起こります。

太陽系で自ら光を放つ恒星は太陽だけ。そのほかの惑星・衛星は、太陽の光が当たる部分が昼となり、逆側は夜になります。つまり、太陽を背にした月の夜の部分から「円錐状」の影が伸びます。

地球を公転している月が、太陽と地球の間に入ったとき、この円錐状の影が地球に投影され、それが投影された地域で日食が観測できるのです。

月の影とは

ここまでに解説した、円錐状の月の影を「本影」といい、太陽の光がほぼ遮られた濃い影になります。これに対し、本影の逆円錐状に伸びる「半影」といわれる影があり、本影を取り囲むような薄い影ができるのです。

観測者のいる位置が半影の中に入れば、部分日食が見られ、本影に入ると、金環日食または皆既日食を見ることができます。日食の種類については後述します。

新月のたびに日食にならないのはなぜ?

太陽ー月ー地球が一直線に並ぶことからもわかるように、日食が起こるのは月が「新月のとき」です。月が「新月」となるたびに日食が起こらないのはなぜでしょうか。

これは、太陽の通り道となる黄道に対し、月の公転軌道である白道が約6°傾いているためです。この傾きによって、通常の新月は太陽の北側や南側にそれた場所で起こります。新月のたびに日食になるわけではないのです。

日食の種類

月の影が地球に投影されて観測できる日食は、投影された影の種類によってどのような日食が観測できるかが決まります。

部分日食

半影が地球に投影されている地域では、太陽の一部分が欠ける「部分日食」が観測できます。

太陽が地球の100倍以上の直径を持つのに対し、月の直径は地球の1/4でしかないため、本影よりも半影の範囲が圧倒的に広く、地球全域で部分日食しか観測できないことも珍しくありません。

皆既日食

本影が地球に投影されている地域では、太陽が月に完全に隠される「皆既日食(Total Eclipse)」が観測できます。

皆既日食では、新聞の字が読みにくくなるほど辺りが暗くなる場合もあるものの、太陽の光は膨大なエネルギーを持つため、完全に隠されていても真っ暗になることはありません。

金環日食(金環食)

金環日食とは、太陽が月に完全に隠されず、食の最大時に「影のまわりに指輪のような太陽の光」が見える現象です。

太陽と月の視直径(地球からの見た目の大きさ)はほぼ同じです。しかし、月と地球の距離は常に変動しているため、月の視直径もその都度変わります。このため、太陽と同じ視直径のときに日食が起これば「皆既日食」に、太陽よりも月の視直径が小さければ「金環日食(Annular Eclipse)」になります。

金環皆既日食

月と地球の距離が変動するのに起因して、非常に珍しい日食を観測できる場合もあります。それが「金環皆既日食(Hybrid Eclipse)」です。

ある地点では皆既日食が見られ、また別のある地点では金環日食が見られる、というとても珍しい現象です。別名、「ハイブリッド金環日食」とも呼ばれるようです。

ダイヤモンドリングとは?

日食の際に話題になるのが、ダイヤモンドリングと呼ばれる現象です。

これは皆既日食の際、太陽が月に完全に隠れているにもかかわらず、山や谷などの月の凹凸の隙間から、一か所だけ光が漏れて輝く現象を指します。これがリングにダイヤモンドが付いているように見えることで「ダイヤモンドリング」といわれるようになったのです。

日食のまとめ

珍しい日食ですが、観賞用の適切な眼鏡なしに直接、太陽を直視すると目を痛めてしまう可能性があるので、鑑賞する際は事前準備を怠らないように注意が必要です。