農業はフリマアプリに活路、楽天「ラクマ」の農産物取引額は1年で6倍に

楽天は9月19日、同社が運営するフリマアプリ「ラクマ」が実施した「ラクマ」で急速に拡大している米や野菜などの農産物取引についての調査結果を発表した。それによると、「ラクマ」の農産物の取引流通額が1年で6倍に拡大したという。

農業はフリマアプリに活路、楽天「ラクマ」の農産物取引額は1年で6倍に

ネットの進化で全国各地の特産農作物が気軽に手元に

EC需要の拡大により、全国各地、いや世界中のモノが手軽に買える時代である。中でもEC市場拡大の立役者が「フリマアプリ」の存在である。

スマートフォンで自宅にあった「いらないもの」をすぐに売り買いができる手軽さ、店舗には売っていないものがある掘り出し物感などが人気で、メルカリが最大手だ。

2番手を行くのが楽天が運営するフリマアプリ「ラクマ」である。ラクマは販売手数料の安さと、楽天ポイントやキャッシュレス決済など、楽天経済圏の一員として存在感を示し始めている。

そして楽天はこのたび、ラクマでの農産物取引についての調査結果を発表した。

出典:プレスリリース

「ラクマ」では、農林水産省が推進する女性就農者の地位向上や活躍の場をサポートする農業女子プロジェクト参加メンバーととともに、「ラクマ ファーマーズマーケット」の運営を行っている。

このサイトは、農業女子プロジェクトメンバーが販売する農産物だけでなく、就農のきっかけや栽培のこだわりなど、生産者の顔や農業にまつわるストーリーが見える点がウリである。また、米や果物、野菜だけでなく、六次産業化にまつわる加工品の販売もされている。

「ラクマ」によれば、農産物における取引流通額は昨年同月対比で6倍になったという。

1年間で取引流通額が6倍になった「農産物」

出典:プレスリリース

まず、「ラクマ」の1年間の農産物取引流通額をみてみよう。グラフを見ると、2017年3月と2018年3月の同月対比で6倍になっていることがわかる。

もっとも活発になる時期は、年末の11~12月で、米やみかんが多く出品されているという。その他の月も順調に成長しており、主要農産物の総流通額は、品目の多様化とともに今後も拡大するとみられている。

同社では、不用品の売買だけでなく、生産者との直接取引の場としての需要も高まっていると分析している。

出典:プレスリリース

米がもっとも売れている、B級品も人気

次に、カテゴリ別に2017年3月と2018年3月の同月対比を見ると、米が4.8倍、果物が5.9倍、野菜が11.9倍となっている。米や果物は単一商材の箱買いが多いのに対し、野菜は多品目を詰合わせたセットが多く取引されている。

さらに、正規品として市場に卸すことのできないB級品にも、人気が集まっているという。

出典:プレスリリース

この中で、もっとも取引流通額が大きい品目は「米」である。米は年間を通して消費するため、購入者数や購入頻度が多くなる。ラクマの調べによると、平均購入価格で、ラクマと一般小売を比較すると、ラクマが1kgあたり75円安くなったという。(ラクマ調べ)

また、 米穀安定供給確保支援機構によると、1人あたりの年間米消費量は55.2kgだという。このため、ラクマで年間を通して米を購入することで、一般小売価格での購入と比較し1人あたり年間4,140円の節約になるのだ。この場合、4人家族では年間で16,560円もの差が出る結果となるとしている。(算出方法:米の平均購入単価×年間米消費量×人数)

フリマでは、生産者と消費者が直接取引することにより仲介マージンが発生しない分、販売側は割安に値付けをでき、消費者も割安に購入できることが、フリマアプリで農産物を取引する大きなメリットだとしている。

メルカリのフォロワー数トップも実は農家

2018年7月にメルカリが発表した調査によれば、メルカリ内でもっともフォロワー数が多いのは農産物の販売者だという。佐賀県武雄意市の「ミヤハラ農園」さんだ。発芽にんにく「スプラウトにんにく鉄子」を栽培し、農産物の委託販売も請け負っている。

農協で取扱のない野菜や認知度の低い農作物でも、消費者へダイレクトにアピールできるからと「メルカリ」内にあるライブコマース機能「メルカリチャンネル」をご利用いただき、現在フォロワー数約6,000人とメルカリ内で1番多くフォローされる人気の出品者さまになります。
(出典:メルカリプレスリリースより)

消費者の安心・安全意識が高くなり「顔が見える農産物」へのニーズは高まっている。そして直接取引により、安く買えるという点も、消費者にとっても大きなメリットだ。

そしてこの消費者ニーズに、農業は活路を見出すべきではないか。

零細農家は高齢化による担い手不足が深刻で、法人組織の経営体が増えているのも事実。しかし個人の農家だからこそ、大規模販売ではできないような、消費者との深いコミニケーションが可能になるのだ。

またそもそもフリマアプリの使い方すら知らない高齢農家や農村のために、誰がどう支援を行うかは課題だ。自治体だけでなく、農業系スタートアップなどの動きにも期待したい。