富士通・NTTデータが自治体と連携、RPA導入で行政改革を加速

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富士通は9月21日、RPAの実証事業に関する連携協定を神奈川県と締結した。RPAの導入でこれから約3か月にわたり、職員の業務負担軽減やミス防止などの効果を実証していく予定だという。また、NTTデータも仙台市との連携を発表。労務、情報システム、財務など6業務に対しRPAツール利活用の有効性を検証するという。
富士通・NTTデータが自治体と連携、RPA導入で行政改革を加速

自治体業務と相性の良いRPAとは

RPAとは、ホワイトカラーの間接業務を自動化するテクノロジーである。海外ではデジタル・ワークフォースとも呼ばれている分野だ。

構造化されたデータを収集・統合し、システムへ入力する、単純なフロント/バックオフィス業務を自動化が可能で、たとえば、Excelのデータ入力や、ネットのデータ収集などに使える。

特に、以下の業務は、RPAと相性が良いとされている。

●一定のルールにしたがって繰り返す
●データが構造化されている
●Windowsやクラウドのアプリを使う
●業務が標準化されている
●プロセスに3人以上のリソースを求められる
●ヒューマンエラーが起こりやすい 
(引用:ボクシルマガジン[「今さら聞けないRPAの基本 | AIとの違いやメリットを解説」]((https://boxil.jp/mag/a2378/))

ホワイトカラーの中でも、定型化された処理や雑務が多いお役所の仕事。RPAとは親和性が高いといえるだろう。働き方改革の推進とともに、RPAの導入を検討する官公庁は増加している。

2018年1月には、つくば市がNTTデータとの連携でRPAの共同研究を発表している。

富士通は神奈川県でRPA実証事業スタート

富士通は9月21日、神奈川県とRPAの実証事業に関する連携協定締結を発表した。同じく連携協定を結んだ大崎コンピュータエンジニアリングとともに、職員の働き方改革と県民サービスの向上にむけ、支援を行っていくという。

神奈川県は2017年2月から、働き方改革推進本部を設置し、行政改革を進めてきたという。今回の連携協定で、職員の業務負担軽減、ミス防止効果などを検証していく予定だ。

具体的には、以下の2つの領域をRPAにより自動化する。

●職員の通勤手当の認定業務で、給与事務センターが実施している約2,000件の通勤手当の認定業務。

●災害時の職員の配備計画作成業務において、約280所属が毎年作成している勤務時間外・休日に災害が発生した場合の配備人員名簿作成業務。

実証期間は~12月31日までの約3か月で、神奈川県は現行業務分析、自動化の効果測定、富士通は、RPAフロー検討、ネットワーク、仮想サーバーなどの実証環境の構築など、大崎コンピュータは、RPAツールの提供やロボットツール作成などを行うという。

NTTデータは仙台市とRPA活用の協定締結

またNTTデータ東北は9月14日、宮城県仙台市と「行政事務におけるRPAツール利活用の有効性」を実証するため、協定を締結したことを発表した。

協定の期間は平成30年度内で、11月までに行政事務にRPAツールを適用し、改善効果を検証するという。

具体的には、以下の6業務に対してNTTデータが販売しているRPAソリューション「WinActor」でシナリオを作成し、利活用の有効性を検証するという。

出典:プレスリリース

また、実際にRPAツールを利用した職員の意見集約を行い、ツール利活用の可能性や適用範囲の検討もあわせて行うという。

官公庁は民間のテクノロジーやサービスを必要としている

今年に入り、LINEやソフトバンクなどの大手も官公庁ビジネスへ参入している。また、官公庁ビジネスの特性上、中小ベンチャーにも参入チャンスはある。

働き方改革推進で、今後民間企業への官公庁需要はますます高まるだろう。また地方も、地域間のサービス格差を生まないために、積極的にアプローチをはじめなくてはならない。先駆けて行われている各自治体の実証実験結果にも、今後注目していきたい。