夏至(げし)とは
日本には一年間を24分割し、それぞれに季節を表す言葉をつけた「二十四節気」があります。夏至は、二十四節気で10番目に当たります。
この日になると北半球では1年のうちでもっとも昼の時間が短くなります。または南半球では北半球の夏至の日にもっとも昼の時間が短くなり、北半球とは逆の日照時間になります。
夏至の前は芒種、後は小暑、夏至の頃はまだ梅雨があけていないことが多く、夏の陽ざしが待ち遠しい季節となります。
夏至の意味と由来
夏至は、北半球では1年でもっとも昼が長く、夜が短い日を意味しています。ただ、梅雨の時期と重なることが多いため、さほど日が長く感じられないことも多いでしょう。
江戸時代に太玄斎(常陸宍戸藩の第5代藩主松平頼救)が記した暦についての解説書「暦便覧」において「陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以てなり」と記されています。このことからも、江戸時代からすでに夏至が日が一番長い日であったことが伺えます 。
2023年の夏至はいつ?
2023年の夏至は6月21日(水)です。 二十四節気は毎年日付が異なりますが、夏至は例年、6月21日〜6月22日となります。ちなみに2022年の夏至も6月21日(火)でした。
1年でもっとも昼が長い1日。日本各地で記念行事やイベントが開催されます。
夏至に行われる風習
夏至の日は日本に限らず世界でもさまざまな風習が行われます。以下では夏至に行われさまざまな風習について詳しく解説していきます。
ギリシャ
ギリシャでは未婚の女性がイチジクの木の下に自分の持ち物を置いておくと、夏至の魔法で将来の夫を夢に見られるという言い伝えがあるそうです。ちょっとロマンチックですね。
ポーランド
ポーランドでは夏至の日は「イワン・クパラの日」といってスラブ民族の祝日とされています。「パクラ」は「キューピット」と同じ語源を持つ言葉だそう。この日には人々が恋に落ちるという言い伝えがあります。
イギリス
イギリスの有名な世界遺産・ストーンヘンジでは、中心の祭壇石とまわりにある主な石の直線上に夏至の太陽が昇ることから、かつては神殿の役割を担っていたと考えられています。紀元前3000年〜2500年もの昔から、夏至が祝われていたと考えると神秘的ですね。
スウェーデン
日照時間の短い北欧では、夏至は重要な日とされています。夏至を祝う「ミッドサマーの祝日」は、クリスマスの次に大切な祝日とも言われています。短い夏を楽しむべく、夏至近辺から長期休暇を取得する人も多いそうです。
日本で有名なのは二見興玉神社
日本では、夏至祭のような風習はあまりないのですが、数少ない夏至祭として「夫婦岩」で有名な伊勢の二見興玉(ふたみおきたま)神社が有名です。
夏至の前後だけ、岩と岩の間から朝日が昇る夫婦岩に向かって海に入り、身を清めるという行事です。岩と岩の間に太陽が見えるなんて、ストーンヘンジの古代遺跡とも似ていて神秘的ですね。
二十四節気一覧
※2019年6月21日:2019年の夏至の日付が誤っていたため修正しました。心よりお詫びし訂正いたします。(Beyond編集部)