自分は読まないけど子どもには読ませたい「新聞離れ世代」親たちの本音

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アクトインディは10月9日、同社が企画運営する国内最大級の子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」が実施した「新聞に関するアンケート」の結果を発表した。12歳以下の子どもを持つ全国の保護者366名を対象にした調査結果によると、保護者の62%が現在新聞を購読していないことがわかった。10月15日からは、毎年1週間の「新聞週間」がスタートする。この機会に「新聞」の意義について、考えてみよう。
自分は読まないけど子どもには読ませたい「新聞離れ世代」親たちの本音

減少の一途をたどる新聞購読率

ひと昔前までは、お父さんが新聞を読んでいる光景は、当たり前のようにあった。新聞を学習に使う人も多かった。しかし今やネット時代、新聞は家庭の中から姿を消しつつある。

インターネットや電子媒体の進化で、紙媒体は存続の危機に瀕している。新聞も例外ではなく、日本新聞協会によると、2004年以降、全国の新聞の発行部数は減少傾向である。2004年に約5,302万1,564部だったが、2017年には4,212万8,189部まで減少している

そこで、アクトインディが企画運営する子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」( https://iko-yo.net )は、新聞購読の実態をつかむべく、12歳以下の子どもを持つ全国の保護者366名を対象にした「新聞に関するアンケート」を実施した。

それによると、保護者の3分の2が現在新聞を購読していないことがわかった。

紙だけでなく電子版も読まない「新聞離れ」世代

まず、調査対象者全員に新聞を購読しているかを聞いた。その結果、新聞を現在定期購読してしている人は37%であるのに対し、していない人は全体の3分の2にあたる62%にも上った。

出典:プレスリリース

さらに、現在定期購読していない人の半数以上は、「今までに新聞を定期購読したことがない」と回答している。多くの人が、今までに新聞を読むという習慣自体を全く経験していないようだ。

この結果に対し、同社ではアンケートの対象が12才以下の子どもがいる保護者であること。つまり、大学生もしくは社会人になった時にはすでにインターネットが普及し、ニュースなどの情報はネットで見ていたと世代であることが影響していると、分析している。

また電子版の購読率も4%であることから、紙媒体のみならず「新聞離れ」が進んでいることがうかがえる。

新聞を読む理由は「昔からの習慣だから」が約5割

購読者に新聞を読む理由を尋ねたところ、その理由のトップは「昔からの習慣」だった。

出典:プレスリリース

しかし、前述のとおり、今までに新聞を購読したことがない人の割合が増えており、今後「昔からの習慣」自体もなくなり、新聞を読む人がますます減っていくことを表していると同社は指摘する。

一方、テレビやネットの情報より新聞の方がいいという理由もある。これは「テレビやネットより詳しい情報を知りたいから」という人が多く、「テレビやネットの情報より信頼できるから」という理由を上回る。

この結果に対しユーザーは「信頼性」そのものよりも「情報の詳細さ」に重点を置いていると推測している。

新聞を読まない理由は「ニュースアプリで充分」

対して、新聞を読まない理由は「ニュースアプリの情報で充分だから」がトップだった。また、「新聞を取るとお金がかかるから」、「テレビの情報で充分だから」という声も多く、情報を得るのに「お金を払う」という考え方が減っていると、同社は推測している。

出典:プレスリリース

その傾向は、購読経験がある人に絞っても同様だという。グラフを見ると、むしろ新聞を読んだことがある人の方が「ニュースアプリで充分」、「新聞を取るとお金がかかる」という理由が高いことがわかる。

新聞を読んだことがある人も元々読んでいなかった人も、新聞離れが進んでいる状況だ。

そもそもニュースなどを子どもと会話していない

子どもたちについては、新聞とどう接触しているのだろうか。

回答者のうち、子どもが新聞を読んでいるという家庭は17%だった。大人用の新聞を子どもがついでに読んでいるケースと子供用の新聞を読んでいるケースとが半々となっている。

出典:プレスリリース

子どもが読み始める時期は小学生からが合計83%と圧倒的に多く、内訳は小学生低学年からが39%、高学年からが44%となっている。

出典:プレスリリース

また、ニュースや新聞で話題になったことを家庭で子どもと話すことがあるかという質問には、実に46%と半数弱が「全く話すことはない」と回答した。

出典:プレスリリース

これについて同社では、小学校高学年になっても「全く話すことはない」という回答が20%程度あることをみると、話されないのは子どもの年齢に関係なく、そもそもニュースなどを子どもと話題にしていない家庭が一定量いるということだと同社では分析している。

7割弱の保護者が子どもに新聞を読んでほしい

そして、「子どもに新聞を読んでほしいと思うか」という質問をしたところ、保護者自身は4割弱しか読んでいないにも関わらず、「とても読んでほしい」「できれば読んでほしい」と合わせて68%の保護者が子どもに新聞を読んでほしいと回答した。

出典:プレスリリース

新聞を読んでほしいと思っている理由は、「読解力や語彙力、漢字の学習に役に立つから」などの「国語」的スキルの向上がトップだった。

出典:プレスリリース

同社では、世の中の動きを知るためには新聞でなくてもよいと思われているのではないかとしている。そして、新聞に期待することは、テレビにはない「活字」であるのはないかと推測している。

出典:プレスリリース

また、どんな新聞なら子どもと読みたいかという質問では、「短い文章でわかりやすく記事を書いてある」、「子どもと一緒に楽しめるクイズやパズルが載っている」、「イラストや漫画が載っていて親しみやすい」などが挙がった。

これは、従来の子ども新聞の工夫要素のほか、子どもと一緒に参加できる地域イベントの情報などへのニーズが意外に高く、ファミリーならではの情報ニーズが垣間見られた結果だ。

メディアとしての存在意義が問われている

今やネットで多数のメディアが存在し、検索すればたいていの答えは出てくる時代だ。しかしネット検索での結果は、真意はわからないが「正しそうな答え」である場合も多いものである。逆に「新聞に載っているのだから正しいだろう」と考える人も、いまだ多い。

また、無料で情報が手に入れられる今、読者がお金を払ってでも読みたい情報とは、一体何なのだろうか。ちまたでは、オンラインサロンなど「視点やナレッジ」を共有するコミニティが話題である。

新聞の購読率は下がる一方である。一方的な情報発信で読まれる時代は終わった。すべての企業と同じく、新聞にも「ユーザーファースト」を追求する姿勢が必要なのだ。