いよいよ日本で「信用スコア」をめぐる覇権争いの幕開けか?ヤフーが参入を発表

公開日:

ヤフーは10月10日、同社が所有するビックデータをもとに独自のスコアを開発し、これを利用した実証実験を開始すると発表した。同スコアにもとづき、Yahoo! JAPAN IDユーザーに対する特典プログラムを実施するほか、パートナー企業のサービス利便性向上や課題解決などについて検証するという。中国ではすでに芝麻信用(ジーマ信用)という信用スコアが普及しており、日本でも今後この流れは進む可能性がある。

いよいよ日本で「信用スコア」をめぐる覇権争いの幕開けか?ヤフーが参入を発表

個人の信用度を数値化「信用スコア」とは?

信用スコアとは、簡単に言えば、「個人の信用」を数値化したものである。中国ではすでに「芝麻信用(ジーマ信用)」が爆発的に普及しており、人々の行動様式にまで変化をもたらしているという。

芝麻信用の場合は、信用スコアが良くなるとアリババグループや提携企業、団体が提供するサービスを利用する際に特典が受けられる。

たとえば、賃貸サイトでの敷金、旅行サイトでホテルを予約する際のデポジット、レンタカーサービスのデポジットなどがスコアに応じて不要になるという。

また、スコアが高いほうが就職面接で有利になる、物件を借りやすくなる、婚活でモテるなどのメリットも存在するというから驚きだ。

【芝麻信用スコアについてはこちらを参照】

芝麻信用の評価軸は「個人特性」「支払い能力」「返済履歴」「人脈」「素行」で設定されているというが、日本での運用については個人情報保護の観点から、懸念する声も多い。

今回の実証実験で、安全面での課題をクリアし、利用者メリットを十分に示せるかが同社にとっては課題だ。

ビックデータから算出される独自スコア

実証実験では、Yahoo! JAPAN ID連携パートナー企業に、IDに紐づくビッグデータから機械的に算出したスコアを、統計情報として提供する。

このスコアを活用し、ユーザーにどのようなメリットをもたらせるか、また企業課題をどのように解決できるかなどをパートナー企業とともに検証するという。

プレスリリース

実証実験への参加企業や団体は以下のとおり。

【参加企業・団体】
アスクル・イーブックイニシアティブジャパン・一休・OpenStreet(HELLO CYCLING)・カービュー・ガイアックス・コスモ石油マーケティング・シェアリングエコノミー協会・ソフトバンク(BLUU Smart Parking)・TableCheck・パスレボ・バリューコマース・福岡ソフトバンクホークス
※五十音順 ※2018年10月10日現在

同社は、2018年内の本格開始に向け、まずパートナー企業との実証実験をしながら、サービスとしての可能性をはかっていく考えだ。

Yahoo! JAPAN ID利用者で「同意」した人が対象

ここで気になるのが、プライバシー保護の観点だ。自分のデータが勝手に利用される、勝手にスコア化されることはないのだろうか?

同社によれば、プライバシーへ保護には、十分な配慮を行ったうえで実験を進めるという。

具体的には、スコアは、Yahoo! JAPAN IDごとに算出される。パートナー企業への実際のスコア提供は、ID連携時に掲出される「同意画面」において、同意を得たユーザーのみだという。

また、スコアの作成を希望しないユーザーにおいては、算出を拒否できる仕組みを用意しているという。

スコア算出についての問い合わせは、「Yahoo! JAPANプライバシーガイド」の「パーソナライズ」項の「問い合わせフォーム」より行える。

「PayPay」と「AliPay(アリペイ)」提携は伏線だった?

中国で、芝麻信用が爆発的に普及したワケは、AliPayだったといわれている。そもそもAliPayの付帯サービスとして提供されたもので、Alipayの利用履歴が反映され、AliPayユーザーは気軽に自分の信用スコアを把握できるようになったのだ。

ヤフーはソフトバンクとの合弁会社「PayPay」を設立、10月からいよいよアプリ利用をスタートさせ、スマホ決済市場でもNo.1を目指すと宣言している。

またPayPayは9月に、AliPayとの提携を発表している。この提携は、キャッシュレス化促進のためだけでなく「信用スコア」普及のためのノウハウを獲得することも大きな狙いのひとつだったのかもしれない。

ソフトバンクも2016年からみずほ銀行と「Jスコア」を設立し、AIレンディングを提供しており、積極的に投資を進めている。

【ソフトバンクのJスコアについてはこちらを参照】

ヤフーの筆頭株主でもあるソフトバンクは、モビリティ、キャッシュレス、そして信用スコアと、次々に次世代社会インフラへ先手を打っているが、メルカリも「メルペイ」で同じく信用スコアの覇権を狙っているものと考えられる。

2019年に向けて、キャッシュレス決済の混戦とともに、信用スコアをめぐる覇権争いも本格化しそうだ。