紅葉の見ごろ予想やメカニズムとは?2020年人気スポット・種類も紹介 - 世界一と言われるワケ

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世界一美しいと言われる日本の紅葉。植物の種類が多いのでさまざまな色の紅葉が楽しめ、秋の風物詩として定着しています。そんな紅葉について、なぜ色が変わるのか、2020年の紅葉の見ごろや時期、おすすめの名所とともに説明します。
紅葉の見ごろ予想やメカニズムとは?2020年人気スポット・種類も紹介 - 世界一と言われるワケ

平安時代にはすでに文化としてあった紅葉狩り。北から色づき始める紅葉は、日本の四季を代表する秋の風物詩です。千年以上前から私たちを楽しませてくれる紅葉は、外国人にも人気で、紅葉スポットは見物客で渋滞が起こるほどです。

紅葉の魅力について、なぜ色が変わるのか、どんな種類があるのか、また2020年の紅葉の見ごろや人気スポットを詳しく解説します。

そもそも紅葉とは

そもそも紅葉とはどの現象を指すのでしょうか。その定義と語源、紅葉の詳細について説明します。

定義

紅葉とは、秋になり草木の葉が落葉の前に色が変わる現象、また色づいた葉のことを言います。カエデの葉であることが多いため、カエデの別称として使われることもあります。

語源

元々は「もみつ(紅葉つ・黄葉つ)」や「もみづ(紅葉づ・黄葉づ)」という動詞が、名詞化された言葉です。名詞化までの過程で、平安時代以降に濁音化され「もみじ(紅葉)じ」と変化したとされています。

もみじと楓の違い

植物学的には、もみじも楓もカエデ科カエデ属の植物です。そのため植物分類上は区別しませんが、園芸の分野では区別されます。

特徴的なところでは葉の形に違いがあり、葉の切れ込みが多く深いものはもみじ、切れ込みが浅いものは楓と区別されます。また楓の中でも、赤く色づくものは紅葉(こうよう)、黄色く色づくものは黄葉(おうよう)と呼ばれます。

紅葉が色づくメカニズム

葉には、緑色の「クロロフィル」と黄色の「カロチノイド」いう色素が含まれています。秋になって気温が下がってくると、クロロフィルが分解されカロチノイドが表面に出てきて葉が黄色になります。これが黄葉です。

さらに気温が下がると分解されたクロロフィルと葉に中に残っていた糖分が合わさり、「アントシアン」に変わり赤い色素が作られます。アントシアンが増えれば増えるほど葉は赤くなり、綺麗な紅葉になります。

日本が世界で一番美しい紅葉と呼ばれるワケ

日本には多くの紅葉スポットがあり観光名所にもなっています。次に、日本の紅葉が世界で一番美しいと言われる理由を説明します。

日本の紅葉の種類の多様さ

日本には26種類の落葉樹があり、一般的な海外の国々と比べて倍以上の種類があります。そのため赤や緑、黄色やオレンジなど彩り豊かな色彩が紅葉の美しさをより引き立たせています。

日本の落葉樹が多い理由の秘密には氷河期が挙げられます。氷河期には、世界中の落葉樹が氷河に覆われて死滅しました。

しかし、海に囲まれ、急峻な山地形の日本列島にある落葉樹は生き延びたと言われており、長い年月をかけて、日本の紅葉は種類を増やしていったのです。

日本の紅葉と世界の紅葉

寒さの厳しい北欧やカナダにも紅葉の人気スポットがたくさん存在します。種類が多い日本の紅葉と違って海外では単一色が多く、黄色い葉も見られます。

スケールの大きさでいえば海外の紅葉は迫力がありますが、日本の紅葉は、色彩のバリエーションとコントラストが豊富です。

紅葉の種類を色別解説

紅葉といってもさまざまな種類があります。紅葉と呼ばれる主な種類について、色の種類、色のつき方を簡単に説明します。

紅葉(紅く色づく)する植物

イロハモミジ(伊呂波紅葉)
紅葉の代表とも言われるイロハモミジ。別名イロハカエデと呼ばれることもあります。秋になると真っ赤に色づく鮮やかなイロハモミジは葉の切れ込みが深く、5~9つの掌状に分かれます。

コハウチワカエデ(小羽団扇楓)
葉の形が天狗が持っている葉団扇に似ています。黄色から赤に色づくコハウチワカエデは、1本の木に赤や黄色が入り混じるので色が鮮やかで綺麗です。葉柄が有毛であることも特徴です。

オオモミジ(大紅葉)
イロハモミジの変種で、北海道から九州まで日本全国で見られます。イロハモミジよりも大きく、葉の縁にあるギザギザがきれいに揃っています。

コマユミ(小真弓)
日本以外にも中国やアジア北東部に分布しています。早ければ8月上旬から紅葉し始める場所もあり、色合いが鮮明なので美しい紅葉が見られます。

黄葉(黄色く色づく)する植物

イチョウ(銀杏)
イチョウ科の唯一の木イチョウ。仲間が絶滅する中で生き残った生命力のある木です。葉は切れ込みのある葉と切れ込みのない葉があり、そのどちらも秋になると黄色く色づきます。街路樹としてもなじみのあるイチョウには、葉が色づく前に熟す銀杏の実があります。

カイノキ(楷樹)
中国などから大正初期に渡来したカイノキ。日照の量によって赤にも黄色にも色づきます。羽根状の葉は、クシノキ(櫛の木)との別名があります。
偶数羽状複葉の葉が特徴で、秋になると黄色く色づき始めます。中国では孔子の墓所にも植えられており、日本でも「学問の木」と呼ばれています。

ブナ(橅)
ブナは湿気のある土質を好みます。葉は卵型で縁が丸く波打っています。無毛でツルツルした葉は黄葉したあと枯れて褐色になりますが、落下せずに春まで枝に残ります。

紅葉が綺麗に色づく時期

毎年私たちの目を楽しませてくれる紅葉。綺麗に色づくには条件が揃わなければなりません。ここからは、色づく条件と例年の見ごろを説明します。

綺麗な紅葉となるための条件

紅葉には果物やワインのように「当たり年」があります。

毎年10月から12月初旬にかけて北から順番に見ごろを迎える紅葉。鮮やかで綺麗な紅葉になるには、夏には日光に十分に当たり、少しずつ日照時間が短くなって一気に冷え込むことが必要です。そのための条件は以下の3つです。

  • 夏は高温で日照時間が長い
  • 最低気温が8℃以下の日が続き、日中の寒暖差が大きくなる
  • 適度な湿気がある

地域別例年の紅葉見ごろ

紅葉は最低気温が8℃以下になることが条件なので地域や標高によって違います。地域別の例年見ごろや時期はおおよそ以下のとおりです。

  • 北海道:10月中旬~下旬
  • 東北地方:11月中旬
  • 関東地方:11月下旬
  • 中部・北陸地方:11月下旬
  • 関西地方:12月上旬
  • 中国・四国地方:11月中旬
  • 九州地方:11月下旬

2020年秋の紅葉見ごろ予想

今年は例年に比べて気温が高く、紅葉の見ごろも少し早めと予想されています。現に北海道ではすでに始まっているところもあるとか。ただし場所によっては例年どおりというエリアもあります。

紅葉の見ごろ予想や気象条件を踏まえて今年の紅葉の見ごろを予想し、解説します。

東日本紅葉見ごろ予想

今年は猛暑だったので十分な日照があり、11月にかけては例年とおり気温の低下が見込めるので、綺麗な紅葉が期待できそうです。

北陸・甲信エリアには9月下旬に寒気が流れ込んだので、標高が高い山々では10月下旬には紅葉が見られる場所が多そうです。

西日本紅葉見ごろ予想

西日本の10月~11月の気温は平年並みの予想なので、見ごろな時期も平年並みとなるところが多いようです。今のところ近畿は11月下旬~12月上旬にかけて、四国は11月中旬、九州は11月下旬から見ごろとなる予想です。

また、今年西日本で多かった豪雨や台風による影響は、報告されていません

日本全国紅葉人気スポット・名所

世界一美しいと言われる日本の紅葉。ここからは全国の紅葉スポットや名所を紹介します。

北海道・東北地方

旭岳(北海道)
日本一早い紅葉として有名な旭岳。8月下旬から色づき始めて、9月中旬には見ごろを迎えます。雄大な北海道の山で味わう紅葉は迫力があります。また樹木よりも早く紅くなる「草紅葉」も楽しめます。

奥入瀬渓流(秋田県)
十和田湖から流れる奥入瀬渓流は上流では10月中旬に、下流部では11月上旬に見ごろを迎えます。渓流沿いの距離が長いので、散策するとさまざまな色合いの紅葉を見られます

八甲田山(青森県)
9月下旬から色づき始め、10月上旬には見ごろを迎えます。山頂までは八甲田ロープウェーの利用がおすすめです。上から見る美しい紅葉は絶景で、津軽平野、陸奥湾、天気がよければ北海道まで見渡せます。山頂は10月でも非常に寒いので防寒対策をした方がいいでしょう。

関東地方

養老渓谷(千葉県)
今年は12月上旬~中旬が見ごろの予定です。川沿いの遊歩道を歩きながら紅葉を楽しめ、見ごろの時期には「養老渓谷紅葉まつり」が開催されます。また紅葉の時期限定のライトアップも人気です。

平林寺(埼玉県)
禅僧の修行場所である平林寺。境内は東京ドーム9個分の広さがあり、雑木林からは四季折々の風景を味わえます。紅葉は11月中旬~12月上旬に見ごろを迎え、境内西側から楽しめます。

高尾山(東京都)
ミシュランのガイドブックで三ツ星を獲得した高尾山でも、紅葉を楽しめます。ケーブルカーや山頂から見渡す紅葉は人気で、外国人も多く見かけます。11月中旬~下旬に見ごろを迎え、多くの観光客で賑わいます。

中部地方

上高地(長野県)
標高1,500mの穂高連峰の麓にある上高地は、10月中旬~下旬に紅葉の見ごろを迎えます。上高地は芥川龍之介の小説「河童」に登場した河童橋が有名で、河童橋のある大正池から見る紅葉が人気です。

乗鞍岳(長野県・岐阜県)
23の峰が連なった乗鞍岳は、標高3026mの剣ヶ峰が主峰です。9月下旬~10月上旬には見ごろを迎え、10月下旬まで山を紅く染め上げていきます。登山初心者でも登れるので、紅葉を楽しみながらの登山としても人気です。

伊勢神宮(三重県)
天照大神が御祭神として祀られている伊勢神宮でも紅葉が楽しめます。11月下旬~12月上旬に紅葉の見ごろを迎え、五十鈴川の水面に映る紅葉や参道から見渡せる紅葉を堪能できます。

近畿・中国地方

延暦寺(京都府)
延暦寺は標高が高いので11月上旬に見ごろを迎えます。約2,000本のモミジが植えられた横川中堂付近が紅葉の人気スポットです。

温井ダム(広島県)
10月下旬から11月中旬に見ごろを迎える温井ダム付近は、ダムの展望デッキだけでなく、温井自然生態公園や滝山峡からも龍姫湖(温井ダム湖)の水面に映える紅葉を楽しめます。

四国・九州地方

宝満宮竈門神社(福岡県)
太宰府にある縁結びの神社として有名な宝満宮竈門神社は、11月中旬には紅葉の見ごろを迎えます。境内からはモミジやイチョウなど、彩り豊かな木々を楽しめます

寒霞渓(香川県)
小豆島にある国立公園「寒霞渓」は、自然が作り出した渓谷一面に広がる紅葉を楽しめます。11月中旬~下旬に紅葉の見ごろを迎え、奇岩にそった紅葉は迫力があります。

剣山(徳島県)
徳島県の最高峰剣山は四国で2番名に高い山です。10月中旬から色づき始めて、11月上旬までに見ごろを迎えます。リフトが通っていますが、平坦な草原のような山なので、紅葉を楽しみながらの登山も人気です。

紅葉で秋を楽しもう

紅葉は秋の風物詩です。9月に入り空気が冷たくなってくると、北から順番に色づき始めます。一日の寒暖の差が大きければ大きいほど、色が変わります。

この記事では、紅葉についての基本的な情報や見ごろな時期、人気スポットについて説明しました。紅葉が色づくメカニズムや、紅葉の種類がわかると、より楽しめるのではないでしょうか。

世界一美しいと言われる日本の紅葉は種類も多く、彩り豊かな紅葉を味わえます。木々が黄色や赤色、オレンジ色に染まっていく様子を、自然の中でぜひ楽しんでください。