就活ルール廃止へ | 企業・学生への影響・現状・課題 - 採用で重視すべき10項目

最終更新日: 公開日:

記事の情報は2018-11-19時点のものです。

就活ルールの廃止が決定し、2021年卒の学生からは現行の就活ルールではなくなります。就活ルール廃止で企業・学生に与える影響や、最近の就活事情、一般的な企業が採用基準で重視する項目まで解説していきます。
就活ルール廃止へ | 企業・学生への影響・現状・課題 - 採用で重視すべき10項目

廃止が決定した就活ルール

2021年卒の就職活動から、就活ルールが廃止されることが決まりました。

現行の就活ルールでは、企業の「会社説明会などの採用活動周知は卒業、終了年度に入る直前の3月1日以降」、「採用の選考面接は卒業、修了年度の6月1日以降」となっています。

しかし、就活ルールは経団連の倫理憲章であり、あくまで指針なので背いたとしても罰則がありません。

経団連非加盟企業である外資系やメガベンチャーは、そもそも就活ルールを守る必要がないので、早くから採用活動を始め、就活ルール自体が形骸化している現状です。

就活に与える影響

企業側への営業

就活ルールの廃止によって、企業は採用活動の早期化や通年採用が可能になります。しかし、通年での採用活動は時間もコストもかかるので、採用力の差が出てしまうかもしれません。

学生側への影響

学生への影響としては、留学と就職活動の両立が可能になることでしょう。従来は留学の帰国時期と就職活動の開始時期が被っていました。そのため、留学体験に参加することで遅れを取ってしまいがちでした。

一方で早期囲い込みにより、大学に登校せず、授業も受けずに就職活動に勤しむ学生が増えることも懸念されます。

最近の就活事情

就活事情は、経済状況や世相によって変化します。さまざまな変化を遂げ、超売り手市場と言われる最近の就活事情について紹介します。

よく変わる「就活解禁日」はいつ?

就活解禁日とは採用面接開始の日です。就活解禁日は経団連が決めていますが、今まで毎年、あるいは数年ごとに変わってきました。

経団連の中西宏明会長は、「経団連が採用の日程に関して采配すること自体に極めて違和感がある」と就活ルールについて疑問を呈しています。

今後どうなるか不透明な就活解禁日のため企業側は学生への周知を、学生側は就活スケジュールの把握を今まで以上に徹底する必要があります。

内定状況二極化へ向かう就活

学生優位の売り手市場と言われる現在の就活ですが、内定を多くもらう学生と、内定がもらえず苦戦している学生の二極化が進んでいます。

早くから就活の準備を始めた学生と準備が遅くなってしまった学生の内定数の差が目立ち、就活の早期化はより強まりそうです。

学生のコスト増加も問題に

就活ではスーツなどの服装にお金がかかるほか、会社説明会や面接に行くための交通費もかかります。特に地方から都市部への就職を希望する学生は、交通費や宿泊費を含めた滞在費が必要です。

アルバイトをする余裕もなくなるため収入がなく、支出ばかりが増え学生の負担にもなります。

企業が採用基準で重視する項目10選

企業が学生を採用するうえで、主に採用基準として重視している項目を紹介します。

株式会社リクルートの研究機関「就職みらい研究所」の調査では、重視すると回答が高かった10項目は以下のとおりです。

1 . 人柄(92.1%)
2 . 自社/その企業への熱意(77.6%)
3 . 今後の可能性(65.6%)
4 . 性格適正検査の結果(41.8%)
5 . 基礎学力(38.4%)
6 . 能力適性検査の結果(32.9%)
7 . アルバイト経験(21.2%)
8 . 大学/大学院で身につけた専門性(20.2%)
9 . 学部・学科/研究科(18.5%)
10 . 大学/大学院での成績(15.4%)

出典:就職みらい研究所「就職白書2018 -採用活動・就職活動編」P22

人間性が重視される

就活の選考基準として学力は大事になってくるものの、それ以上に人柄や熱意といった人間性を企業は重視するようです。

社会人は多くの人とやり取りをするので、知識があったり、仕事ができたりする前に人柄が良くなければ、仲間と協力することや顧客対応などが難しいという判断になります。

人柄の良さと仕事への熱意があれば自然とスキルアップを目指すはずなので、仕事ができる社員に育つ可能性が高いと企業は期待しています。

就活に向けてやるべきこと

実際に就活の何から始めるべきなのか、やるべきことについて紹介していきます。

自己分析をする

自己分析とは自分を知ることです。自分の価値観や考え方、強みや弱みを知ることで仕事に何を求めているのか、どんな仕事がしたいのか、どんな仕事が向いているのかがわかります。

エントリーシートを書く際に必要となる項目なので、自己分析をしっかりとすることは、就活をするうえで重要となります。

面接で自分のことをアピールする材料を見つけるにも、自己分析は必須です。友人や家族など周りの人に協力してもらうと、客観的に分析できるのでおすすめです。

業界研究をする

世の中にはさまざまな業界があります。自己分析が終わったら、次は分析結果や自分の興味を参考にして、業界研究をします。

業界研究セミナーや新聞、書籍、信頼できる就職情報サイトなどから、情報を収集して業界の全体像を把握しましょう。

興味がある業界が社会の中でどんな役割をしているのか、特徴や成長性、安定性を知り、その中から自分が活躍できそうな企業を、幅広い視野で見ることが重要です。

大事なことは、知名度の高さや企業規模に固執しすぎないことです。業界研究が終わったら、その先に「企業研究」、「職種研究」が続いていきます。

大学のキャリアセンターを活用する

就活の進め方がよくわからなかったり、なにか不安なことがあったりした場合、各大学にあるキャリアセンターを利用することも有効な手段の一つです。

個別相談による就活の支援やアドバイスだけでなく、ガイダンスやシンポジウムの他、合同企業説明会など、各大学独自の就活支援が用意されています。

その大学にしかない求人や大学限定の推薦枠など、ひとりで就活していては出会えない求人があります。

その他にもエントリーシートを添削してもらったり、模擬面接を実施してもらったりできるので、キャリアセンターを活用して効率的に就活準備をしましょう。

インターンに参加する

いきなり就活を始めてしまうのは、リスクがあります。大学3年生の夏にインターンに参加すれば、企業の雰囲気を感じたり、社会人とのコミュニケーションを取れたりするので、本選考に有利になることもあります。

実際に、インターンを採用目的で実施する企業もあり、学生にとってもメリットの大きいインターンには、参加する学生が年々増えています。

しかし、企業によって、インターンの内容は異なります。1日限定の会社説明会のようなインターンもあれば、数日仕事体験をしたり、課題を与えられて成果物を提出したりすることもあります。

企業を知るいい機会でもあり、場慣れもできるので、できるだけ志望する業界のインターンには参加した方が良いでしょう。

早めの行動を心懸ける

売り手市場と言われる就活では、いくつもの内定をもらう学生と内定がもらえない学生の差が出てきています。

売り手市場だからこそ、早めに準備をして就活に向けて動くことが大切です。就活ルールの廃止が決定し、より早期化の流れに拍車がかかると言われています。

自己分析や業界研究をしっかりと行い、キャリアセンターやインターンを活用して、志望する企業の内定を勝ち取りましょう。