ソーシャルレンディングにかかる税金とは|確定申告の有無や控除について解説

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ソーシャルレンディングにより資産運用をしている投資家は、分配金の中から雑所得として所得税が源泉徴収されていますが、確定申告する必要があります。総合課税で所得額に応じて課税率が高くなるので、節税を検討するのも良いでしょう。本記事では、ソーシャルレンディングにかかる税金と申告のルールについて取り上げたうえで節税方法について説明します。
ソーシャルレンディングにかかる税金とは|確定申告の有無や控除について解説

ソーシャルレンディングの分配金にかかる税金

ソーシャルレンディングによって分配金を得た場合、これらは所得になりますので税金がかかります。本記事ではそんなソーシャルレンディングの分配金にかかる税金について説明します。

事業者によって税金は引かれている

所得税の納税手続きは、基本的にソーシャルレンディングサービスを行っている事業者が分配金から差し引いてひとまず納税してくれています。

税率は一律で20%(2037年までは東日本大震災の復興特別税所得税も加味され20.42%)が、分配金から源泉徴収されています。

分配金は雑所得として扱われる

所得税には給与所得や事業所得、不動産所得など10種類ありますが、ソーシャルレンディングの分配金は「雑所得」に分類されます。雑所得は他の種類の所得に分類できない所得のことを指します。

雑所得=他の種類の所得に該当しないものー必要経費

という式で求められます。ちなみに雑所得は他の所得と損益通算できないので注意してください。

課税方式は総合課税

課税方式については、それぞれの所得ごとに税金がかかる分離課税、同じカテゴリーの所得の合計から各種控除を差し引いた金額に課税する総合課税があります。

ソーシャルレンディングの分配金は総合課税の対象となり、所得金額によって税率は変動します。平成30年度の場合、所得税だけで所得に応じて5%から45%が税金として課されます。

ソーシャルレンディングにおける確定申告

以上のように所得税の対象となるので、ソーシャルレンディングの分配金により所得が発生した場合は確定申告を行う必要があります。ソーシャルレンディングの分配金の確定申告について説明します。

確定申告を行わなくてもいい場合

ソーシャルレンディングにより分配金を得ても、確定申告をしなくて良い場合があります。

1つの目安となるのが、ソーシャルレンディングで得た所得が20万円以下の場合です。会社からもらっている給与所得以外の所得が20万円以下ならば、確定申告する必要がありません。

給与所得以外で合計20万円以下なので、たとえばソーシャルレンディングで得た所得が12万円だったとしても、不動産所得が10万円あれば合計で22万円になるので、確定申告を行う必要があります。

ソーシャルレンディングによる所得が20万円以上であったとしても確定申告をしなくて良い場合があります。たとえば極端に年収が低くて、基礎控除、社会保険料控除などの各種控除を行うと所得がマイナスになる場合は、確定申告を行わなくても良いです。

確定申告を行った方がお得になる場合

確定申告について面倒だと感じるかもしれませんが、確定申告を行った方が得なケースも存在します。

ソーシャルレンディングの分配金に対して、サービス会社が一律で20%の源泉徴収を行っているはずなので、所得によっては過剰に源泉徴収されていることがあります。このような場合、確定申告を行うことによって還付金を受け取れます。

たとえばソーシャルレンディングと他の収入の合計が195万円以下の場合、税率5%に対して20%が源泉徴収されているはずなので、差額の15%分は還付金として戻ってくることが期待できます。

確定申告時に経費として認められるもの

所得とは収入から経費を差し引いたものです。よってソーシャルレンディングにより収入があってもそれに対応する経費が掛かっていれば課税対象になる所得は低くなります。

ソーシャルレンディングの経費として認められるお金としては、ソーシャルレンディングを勉強するための書籍購入費やセミナー代などが考えられます。

しかし、最終的には税務署の判断・交渉によるので、税理士や税務署と相談しながら何をソーシャルレンディングの経費にするかは考えた方が良いです。

ソーシャルレンディングにおける住民税

ソーシャルレンディングの所得に対しても、住民税は課税されます。ソーシャルレンディングの住民税について説明します。

住民税は源泉徴収分に入っていない

ソーシャルレンディングの分配金から所得税が源泉徴収されているのは説明したとおりですが、住民税は源泉徴収されていません。給与所得は、所得税も住民税も源泉徴収されているので、ソーシャルレンディングの分配金は、住民税が源泉徴収されていないことに注意してください。

住民税は全員申告義務がある

住民税は、原則としてソーシャルレンディングによって所得が発生している場合、全員申告の義務があります。所得税のように●●万円以下なら申告しなくても良いというルールはありません。

しかし、確定申告をしている場合は、税務署から各自治体に所得に関する情報が共有されているので、確定申告に加えて住民税の申告を行う必要はありません。

住民税は、住んでいる地方自治体の条例によっても若干の違いはありますが、県税+市民税で所得に対して約10%が基本です。

申告をしないとどうなるのか

仮にソーシャルレンディングの分配金によって所得が発生しているのに住民税の申告をせずに、それが後に公になった場合は罰則が発生します。年利2.7%の延滞金と10万円以下の過料に課せられる可能性があります。

分配金についてはソーシャルレンディングサービス会社から分配金に関する支払調書が税務署に提出されているはずなので、少し調べれば無申告が発見される可能性が高いです。

思い当たる節がある場合は、過年度の場合でもすぐに市町村に問い合わせて修正申告した方が良いでしょう。

検討すべき節税方法

ソーシャルレンディングの分配金についてどのような節税方法があるのかについて検討します。

そもそも節税とは

脱税と違い節税は合法な行為です。節税は、非課税制度や控除などを用いて法律の範囲内で税金を抑える行為のことを指し、きちんと法律の範囲内で納める税金を少なくするのならば罰則もありません。

確定申告の還付を受ける

二章でも紹介したとおり、分配金に対して一律で所得税が源泉徴収されているので、実際の所得税額が源泉徴収額よりも低い場合は還付金を受け取れます。

課税される所得金額が330万円以下の場合、余分に源泉徴収されていて、還付金を受け取れる可能性があります。

出金回数を減らす

節税とは違いますが、分配金を受け取り口座から出金する場合、そのたびに出金手数料が掛かってしまいます。出金手数料も積もるとそれなりの金額になるので、出金は手数料を抑えるためにまとめて行った方が良いでしょう。

ふるさと納税を利用する

トータルで流出するお金はほとんど変わりませんが。ふるさと納税を利用することによって、ただ税金を払うだけではなく、返礼品をもらってお得に納税可能です。ふるさと納税については以下の記事も参考にしてみてください。

法人化を行う

ソーシャルレンディングによる分配金があまりにも大きい場合は、財産管理のために法人を設立するのもありです。

個人に対する所得税は所得に応じて税率が増えますが、法人税は一定です。よって、一定金額以上の所得がある場合は、所得税ではなく法人税の方が少なくなります。

赤字になった場合も最大で9年間その赤字を繰り越せます。1つの目安として900万円以上の利益がある場合は法人化を検討した方が良いでしょう。

税金で損をしないために

ソーシャルレンディングの分配金は、雑所得として総合課税の対象になるので、実は儲ければ儲けるほど、他の所得と比較しても税金がたくさん課税されがちです。

確定申告や住民税の申告を行うことは最低限必要ですが、「節税」の範囲内であるのならば税金対策も行った方が良いです。

税金を払い過ぎたり、未納で追徴金を支払ったりすることがないようにするためにも、ソーシャルレンディングに対する税金のルールについてきちんと知っておくべきでしょう。