「奉行クラウドフォーラム2018」は、全国12会場で開催されたオービックビジネスコンサルタント(以下、OBC)の年次イベントだ。
基調講演には、同社 代表取締役社長の和田 成史氏が登壇。第4次産業革命を迎えて急変する社会と、デジタルトランスフォーメーション(DX)による企業改革、それらを支援する次世代基幹業務システム「奉行クラウド」の役割とメリットについて語った。
Uber、Airbnb、メルカリに共通するサービス大変革
いま自動車業界、金融業界、サービス業界で大変革時代が到来している。
自動車業界ではEV(電気自動車)、自動運転、コネクテッドカーという三大革命が同時に進行し、トヨタも「100年に一度の大変革時代」として危機感を抱いている。従来のモノづくりだけでなく、シェアリングサービスも見据えなければならない。
金融業界には、Fintechベースのサービスが続々と登場し、キャッシュレスやペーパーレス時代が到来しつつある。
すべての情報がデジタル化され、金融機関だけでなく、IT業界からも新たなプレイヤーが参入し、サービスの主役も変わる可能性が出ている。
サービス業界では、タクシー分野にUberのように配車サービスが現れた。
ホテルではAirbnbのような民泊あっせん、リユースではメルカリのようにC2Cをターゲットにした個人の中古売買という新しいビジネスモデルが開花している。
和田氏は「これらの変革に共通する点は、価格と形態のモノから、サービスへとビジネスが転換し、すべての企業に対して変化の対応が求められるようになったこと。競争相手も異業種に変わり、従来とは違う分野にも出ていく必要があります」と指摘する。
変化に対応するためのITプラットフォームとは?変遷の歴史
この変化の流れは、これまでのITプラットフォームの変遷からも理解できる。
かつてのメインフレームによる集中化の時代から、クライアント/サーバによる分散化、そして昨今のマルチデバイスとクラウドと仮想化によるシステム融合の時代へと進化してきた。
新たな変革に向けて、企業にはDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められるようになっている。経産省の試算によれば、DXを実現できなければ、12兆円の経済損失を生じるというデータもあるという。
この時期にITシステムやツール、OSなどのサポート終了が集中することになり、クラウドへの移行や次世代システムへの切り替えが急務になっているからだ。
和田氏は「まさに2025年までが大きな変革期になるでしょう。しかし、この変化をピンチではなく、チャンスと捉えることが大事です。こうした時代において、どうやって我々の奉行シリーズを活用していくべきなのでしょうか?」と問いかけた。